【考察】予想外の展開に驚き! グッときてしまったのが悔しい『夫に間違いありません』第12話
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【再び】『あんぱん』に別の役で再登場! 「声に聞き覚えが」「どこかで見た」ダブルのぶ!?『あんぱん』脚本家がモデルの役を演じた少女、実は前にも出ていて…。

【ロス続出】過去の朝ドラで、ロスが続出したキャラクターといえば? 『あんぱん』『虎に翼』…SNSで話題になった『○○ロス』。朝ドラ短期間の出演でも忘れられないキャラクターを3人紹介します。
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- 関西テレビ放送
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【ロス続出】過去の朝ドラで、ロスが続出したキャラクターといえば? 『あんぱん』『虎に翼』…SNSで話題になった『○○ロス』。朝ドラ短期間の出演でも忘れられないキャラクターを3人紹介します。
SNSを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、イラストレーターの渡辺裕子(@satohi11)さん。
2026年1月スタートのテレビドラマ『夫に間違いありません』(フジテレビ系)の見どころを連載していきます。以下、ネタバレが含まれます。
渡辺裕子さんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。
紗春(桜井ユキ)に脅された聖子(松下奈緒)は、家族を守るために「紗春を殺してほしい」と一樹(安田顕)に頼む。
聖子と一樹が車で向かったのは、かつて紗春が夫の幸雄(今里真)を突き落とした橋だった。
一方、天童(宮沢氷魚)は、聖子がついた嘘の意味について聞くためにおでん屋に向かおうとしていた。
しかし、その前に紗春が隠していた秘密を知ってしまう。
そして3週間後、川で水死体が発見される。その遺体は…。
最終回までの考察で予想外だったこと
思いもかけない展開の連続で、考察が楽しかったジェットコースタードラマも、とうとう最終回。
最終回の一樹の最期は予想通りだったけれど、ある意味予想を大きく外れてもいて、「そうきたか」とテレビの前で声が出てしまった。
予想外その1 聖子が一樹を自分1人で殺そうとしていたこと
紗春と共謀すると思っていたので、そうではなかったのは予想外。
でも、聖子の性格と彼女のこれまでの行動を振り返ると納得できる。聖子はいつも誰にも相談せずに、自分一人ですべてを背負ってしまう人だった。
紗春が希美と自分のために幸雄を殺したのだと知った今、殺人の手伝いをさせて、彼女にまた負担をかけるようなことはできないのだろう。
予想外その2 一樹が自分から川に飛び込んだこと
彼はこれまでに何度か命を絶つことを考えては踏みとどまっていたし、最後まで生きることにしがみつくものだと思っていたので、これには驚いた。
あんなに大きな声をあげて恐怖におびえながら飛び降りるくらいなら、どこまでもしぶとく生き延びてほしかったという気持ちもする。真夜中とはいえ、あれだけ騒いだら目撃者が出そうな気もするが…。
そしてこの一樹の決断のせいで、これまでのように一樹を『クズ夫』『クズキ』『クズッキー』などと呼びづらくなってしまった。
仕事や家族を支えるプレッシャーに耐えられず、瑠美子(白宮みずほ)と浮気して失踪。
家から持ち出した金を使い果たして彼女に捨てられ、のこのこ帰ったら自分が亡くなったことになっていたからこれはラッキーと聖子に保険金詐欺を持ちかけ、それを知った瑠美子を殺害。自分の逃亡生活を、妻と母親に手助けさせる。
振り返るとこれまでの一樹の所業、ほんとに「クズ」としか言いようがない。だから聖子と紗春が協力して川にドボンと落としたらせいせいするかと思っていたのだが。
両親を信じられなくなり、引きこもっていた栄大(山﨑真斗)が立ち直るキッカケが、一樹からの手紙だったのも、なぜか悔しい。
いろいろな現実からずっと逃げていた一樹が「お前のせいだ」「家族のためだ」とこれまでずっと言っていたごまかしと責任転嫁の言葉ではなく「お父さんのせいで、お母さんは罪を犯したのです」と自分の非を認める言葉を残してくれてよかった、と思ってしまうのもやっぱり悔しい。
意を決して突き落とそうとした聖子を「聖子がそんなことしちゃダメだ」と止めるところなんて、ちょっとかっこいいとグッときてしまったのも悔しい。
クズで最悪だけれど、どうしても嫌いになれない。ぐしゃぐしゃになって泣いている姿も、なぜかセクシー。
こんな複雑な役、安田顕さんしかできないのでは。ほんとに悔しいけれど、一樹は憎みきれない最高なクズ夫だった。
安田顕さんだけでなく、俳優さんたちの演技がすばらしいドラマでもあった。
人に押し切られがちな気の弱い女性から、覚悟を決めた悪い女を経て、最終回ではすべてを受け入れる強さを持つ母へと、聖子の変化を演じきった松下奈緒さんも、紗春の心の揺れを、わずかな目の動きで見せてくれた桜井ユキさんも。
そして驚かされたのが、希美を演じた磯村アメリさん。
聖子に母の危機を訴えるシーンでは無口な少女から一転して感情を爆発させ、何よりも回想の虐待シーンが、見ているこちらが恐怖を感じて今すぐ助けてあげたいと思うほどのリアルさだった。今後の成長が楽しみな俳優さんだ。
紗春と希美親子の顛末も、予想が当たりつつ予想外だった。
一樹の遺体を見ながら、紗春が「夫に間違いありません」と証言するタイトル回収、ここまでは予想通り。
しかしその後、紗春が自首したこと、それも一樹の遺体が夫のものだと偽って、聖子のこれまでの罪を消滅させてしまったのには驚かされた。
「私はやっぱり希美の母親でいたい」
そのために罪を償うという紗春も、残された希美を引き取り、一樹の子を産むと決心した聖子も、聖と悪を超えて、『母』だなあと思う。
そして最大の予想外は、物語の最後が18年後だったこと。
新聞社に復帰している天童の独占取材に応える形で、これまでのすべてを語る聖子。
紗春は出所して、希美と暮らしているのだろうか。おでん屋はやはり売却して、保険金の返済に充てたのだろうか。
子どもたちはどんな大人になったのか。2044年も新聞は今の形のままなのだろうか。告白した聖子は、ここからどんなふうに生きるのか。
どうなるのか予想するのが毎回本当に楽しかったのだが、もう予想の答え合わせはできない。
登場人物のこれからについて想像の余地を残した終わり方が、なんだか清々しい最終回だった。
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[文/渡辺裕子 構成/grape編集部]