「おかーは俺を殴らなかったの?」DVを受けた母へ質問 その答えに息子は涙が止まらなくなった【grape Award 2017】
エンタメ母がくれたプレゼントは、僕にとって”心の救急箱”となった 「しょうご(僕の名前)は中学生の頃、『おれの視界から消えろ』、『おめーなんて死んでしまえ』、『なんでおめーが親なんじゃ』って言ってたんだよー。」と笑いながら、母は…
grape [グレイプ]
grapeは2017年にエッセイコンテスト『grape Award』を開催。応募総数246本の中から選ばれた優秀作品をご紹介します。
母がくれたプレゼントは、僕にとって”心の救急箱”となった 「しょうご(僕の名前)は中学生の頃、『おれの視界から消えろ』、『おめーなんて死んでしまえ』、『なんでおめーが親なんじゃ』って言ってたんだよー。」と笑いながら、母は…
おばあちゃんの指輪 あれは、私が幼稚園児だった頃だろうか。もう何年前なのかも思い出せないくらい昔の、夏休みの出来事だった。私は、両親のお盆休みに合わせて母の実家に遊びに来ていた。そして、皆が寝静まった頃、喉が渇いて目を覚…
『心に響くものは……』 他店舗と、同僚と、過去の自分と。 煌びやかに見えるアパレル販売の裏側は、数字と競争に支配されている。 憧れていた筈のその世界に、私はいつのまにか絶望し、毎日辞める事だけを考えていた。 「いらっしゃ…
人生のタスク 6月18日は姉の命日にあたる。 姉は幼い頃より家族を思う心が強い反面、自分の利益は据え置くようなところがあり、それを象徴するようなできごとは、例えば七夕の短冊。 新しいゲームが欲しいやら、お金持ちになりたい…
S先生の教室 昔からイベントや歩行者天国で大道芸を見るのが好きだった私は、大学一年の夏にカルチャースクールでジャグリングを習い始め、S先生と出会った。 その世界では有名なパフォーマーで、数々のイベントで活躍するだけでなく…
『陽光に包まれた車両』 電車の中で、三人の女子高生が大きな声で話をしていた。車両中に笑い声を響かせて…まるでその場に自分達しかいないかのような振る舞いだった。 「うるさい」小さな声でそうつぶやき、ため息まじりに辺りを見渡…
『ちょっこし』 2017年8月。祖父の初盆を迎え、私は実家に帰省した。お供は2歳になる娘、ちい。最近おしゃべりが上手になって、自分の気持ちも上手に伝えられるようになってきている。 「じっじ、どっかなぁ!ちいち来たよー!」…
『心に響くものは……』 他店舗と、同僚と、過去の自分と。 煌びやかに見えるアパレル販売の裏側は、数字と競争に支配されている。 憧れていた筈のその世界に、私はいつのまにか絶望し、毎日辞める事だけを考えていた。 「いらっしゃ…
『カレーうどんを、お願いします』 日中忙しく、いつも最寄り駅に帰りつくのは、22時くらい。そんな時間でもあいているお店は少なく、わたしはいつも同じ定食屋さんに通っている。 吉祥寺駅から歩いて3分ほどの、カウンターが6席と…
『あの日、ひときわ高い夏空の下で』 その友は、高校野球の名門校に迷わず進学した。甲子園出場の常連校であり、野球小僧であれば誰もが憧れる高校である。 友にとって3年生最後の夏も、出場を射止めた。そしてその夏は、友だけでなく…