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【婚姻届に判を捺しただけですが 7話】偽装夫婦の決断~高杉真宙と倉科カナの覚醒を添えて~・ネタバレあり

By - grape編集部  公開:  更新:

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Twitterやブログでドラマの感想をつづり人気を博している、あずきごはん(@komadorama)さんによる、新連載。

TBSで始まった2021年秋の新ドラマ『婚姻届に判を捺しただけですが』の見どころを、あずきごはんさん独自の視点でご紹介します。

絆が深まってきた偽装夫婦の前に、『借金完済』という名のゴールテープが現れた。前触れもなく決断を迫られた2人はどのような答えを出すのだろうか。

お互いに今の生活に愛着を感じているものの…

百瀬(坂口健太郎)にキスをしてしまった明葉(清野菜名)は愛の告白を決心する。

ところが百瀬は「明葉が離婚したがっている」と勘違い。百瀬の指示の元、離婚に至るまでの不仲演出計画が始まった。

正直、2人が話し合えばすぐに解決するようにも思える状況だ。

明葉が本当のことを言い出せないのは、告白に覚悟と勇気が必要だから。そして百瀬が明葉の意志を確かめようとしないのは、離婚という選択肢が突然目の前に現れたことに動揺したからではないだろうか。

百瀬は「借金を返したら即離婚」と言いつつも、明葉との生活や明葉自身に愛着を持っていた。

500万という大金を離婚届とともに用意していた明葉に大きなショックを受けて突っ走ったとしても不思議ではない。

それなら離婚を止めるために動けよという話だが、自分の感情を正しく認識できずに暴走するのは百瀬の『あるある』だ。

更に今回は明葉を思っての行動でもあるので、責める気にはなれない。

倉科カナの演技力に圧倒される『ハンオシ』第7話

そんな中、百瀬は美晴(倉科カナ)と瓜二つの料理系インフルエンサー・野上香菜(倉科カナ)と仕事をすることになる。

思わず動揺する百瀬とそれをからかう麻宮(深川麻衣)。2人の会話から偽装結婚のことを知った香菜は、百瀬に興味を持ち、偽装妻のポジションを狙いはじめる。

香菜がSNSで百瀬との仲を匂わせていることを知った明葉と唯斗(高杉真宙)。

「やばいじゃん」と茶化す唯斗は通常運転であったが、明葉が「百瀬さんに気持ちを伝えようと思ってる」と打ち明けた途端に流れが変わる。

「なんか俺、超切なくなってんだけど」「あっきーのこと本気ってこと?」と泣きそうな表情を見せる唯斗。

唯斗はこれまで明葉の前では飄々とした態度と余裕のある表情を崩さず、百瀬には冗談交じりの敵意をぶつけていくという描かれ方をしていた。

その様子から『強心臓』という印象を受けていたのだが、7話ではそれが少し崩れている。

明葉への気持ちの大きさを自覚した唯斗は、今後どのような行動を起こすのか。非常に楽しみだ。

一方、香菜に触発された明葉は料理に挑戦することを決める。

一人暮らしの頃は夕飯を買ってくるのが普通だった明葉が百瀬のために料理をすると意気込み、対する百瀬は「お腹空かせておきます」と優しく微笑む。

仲の良い夫婦のような光景には「離婚前の最初で最後の晩餐になるかもしれない」という切なさを感じる。

そんな中、香菜も本気を出し始める。

香菜からの要望で休日に飲食店で打ち合わせをすることになった百瀬。料理の試作品を持ってきた香菜は「持ち込みはまずいですよね?」とけしかけ、百瀬家に上がりこむことに成功する。

家に入った途端「ここなら暮らしやすそう」「奥様が羨ましい」などとジャブを打つ彼女はかなりのやり手だ。

更に、帰り際に明葉と鉢合わせた際には、「そのポジション代わってもらえません?」「私いわゆる寄生先探してて」と身もふたもない言葉で宣戦布告まで行った。

明るいマドンナ気質の裏に少しの打算を隠し持っていた美晴と、どこまでも打算的な香菜。被るところもある2つの役を演じ分ける倉科カナに圧倒されてしまった。

最終回を思わせるようなラスト

その後、物語は百瀬と明葉がご飯の約束をした日に移っていく。

約束の日に香菜との打ち合わせが入ってしまった百瀬。明葉を優先しようとする百瀬だったが、香菜の策略とトラブルによって約束に遅れてしまう。

帰宅した百瀬の目に飛び込んできたのは冷えたグラタン。ドア越しに明葉に謝る百瀬と部屋から出てこない明葉。

心のシャッターを閉められてしまった百瀬は本音を話し始める。

香菜とのやりとりによって、「明葉以外の人と偽装結婚の契約をすることはできない」「これからも明葉と暮らしていきたい」という自分の気持ちに気がついた百瀬。

百瀬の本音に心を動かされた明葉は一世一代の告白をする。

「百瀬さんのことが好きです。百瀬さんと離婚したくありません」

綺麗な展開に最終回かと錯覚しそうになるが、百瀬は「恋愛的な意味で明葉が好き」だとは言っていない。

恐らく自分が明葉にキスをした理由をまだ解明できていないのだ。

百瀬にとって『恋愛』とは美晴への想い、つまり「好きな人の幸せを願って遠くから見守ること」だ。

そんな百瀬が明葉への気持ちを恋だと認識するまでには時間ときっかけが必要なのかもしれない。

次回は百瀬家に唯斗が襲来。本気を出した恋のライバルによって、百瀬の感情が育つことを期待したい。

婚姻届に判を捺しただけですが/TBS系で毎週火曜・夜10時~放送


[文・構成/grape編集部]

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