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色とりどりの春の花は『自由であること』の大切さを教えてくれる

By - 吉元 由美  公開:  更新:

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吉元由美の『ひと・もの・こと』

作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。

たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。

春の花たちが教えてくれること

1月に入ると、お花屋さんの店先には一斉に春の花が並びます。今年もスイトピーやアネモネ、チューリップも出始めました。

寒さが厳しくなる日が続いても、気持ちがふわっとうれしくなる季節を予感します。

26歳でひとり暮らしを始めたとき、いくつかの決め事をしました。いつも部屋に花を飾ること。

ゆるやかな坂道を下りたところにあるお花屋さんで、仕事の合間に花を買うのが習慣になりました。それ以来、今もリビングには季節の花を欠かしません。

花を生けるときは、花と対話するように。どの向きで花器に挿していけばいいか。くるくると花の向きを変えながら挿していく。

どう生けてほしい? そんな問いかけをしながら生けていくと、花や枝の方から教えてくれることがあるのです。花や枝が、いちばん美しい姿へと導いてくれる。

集中力を欠いていると、花が示してくれていることに気づかないのです。花を生けることは、自分と向き合うことに似ています。

花の、それぞれの唯一無二の美しさには言葉を失います。人間が決してゼロから作ることのできないクリエイション。なぜ神様はこんなにも美しいものをお造りになったのか。

それは、私たちに喜びや感動を与えるためだとしか思えません。もう少し大きく表現するなら、それは愛そのものなのかもしれないと思うのです。

花を生けることを通して、大切なことを学びます。その季節によって花の種類も姿も違います。

どちらかというと落ち着いた色合いの花が多かった秋から冬。そして新春を迎えた1月になると可憐な色とりどりの花が店先に並びます。

春の花は、とにかく『自由』です。一晩経つと、翌朝には形が変わっている。チューリップなどは、くねくねっと自由に。あちらを向いたり、こちらを向いたり。その変化もまたチューリップの魅力でしょう。

アネモネもポピーも、ラナンキュラスもパンジーたちも変化を楽しんでいるかのように咲くのです。

そう、春の花は『自由であること』『思うままに動いてみること』の大切さを教えてくれます。カラフルな色も軽やかに、冬の固まってしまった体と心を動かしたくなってきます。

冷たい土の中で芽吹く準備をし、冷たい風に吹かれながら開花のときを待っている。春の花たち、そしてそんな自然の中に、私たちが生きるためのヒントがたくさんあるのです。

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吉元 由美
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※記事中の写真はすべてイメージ


[文・構成/吉元由美]

吉元由美

作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。
吉元由美オフィシャルサイト
吉元由美Facebookページ
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