食材と向き合うひと時が教えてくれる、日常の尊さとは By - 吉元 由美 公開:2024-12-08 更新:2024-12-08 エッセイ吉元由美連載 Share Post LINE はてな コメント 吉元由美の『ひと・もの・こと』 作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。 たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。 ごはんを作る、これは尊いこと 考えてみると、私はごはんのことばかり考えている。 仕事をしながら、下書きの紙の隅に「トマト、ほうれん草……」などと買い物リストをメモしている。 お料理系のYouTubeをいくつも登録し、ついつい見入ってしまう。 そして作り方を頭に叩き込み、実際に作ってみる。 大抵どこかの過程を飛ばし、違うものが出来上がる……。 今は何が旬か。どう料理しようか。春夏秋冬、一年中わくわくしている。 どの器に盛り付けようか。時には、器に合わせて一品作る。 お昼ごはん(夫婦共に自由業)、そして夜ごはん。仕事をしながら冷蔵庫の中にあるものを思い出し、献立を考える。 ……という、ごはんのことを考えすぎる日々なのですが、それが果たして私自身の負担になっているかというと、そうでもない気がするのです。 むしろ「何でもいい」「適当でいい」という気持ちで料理するよりも、食材たちと対話をしながら作るのが、お互いに(食材と私)happyなのではないかと思うわけです。 食材たちを「生かす」こと。 例えば、少しずつ残ってしまった大根や人参の切れ端。 薄切りにして塩、お酢、メイプルシロップ(砂糖を使わないので)、柚子の搾り汁、柚子の皮。 昆布の切れ端をハサミでちょんちょんと切ってビニール袋に入れ、きゅっと縛ります。 30分くらいで浅漬けの出来上がり。 どんなものでもおいしく食べる工夫をする。それを考えるのがまた楽しいのです。 以前、マーケットでサボイキャベツ(ちりめんキャベツ)と「出会い」ました。 めずらしいキャベツなので、じっと見つめてしまいます。 「私をロールキャベツにしてくれませんか?」 そんな声が胸の奥で聞こえたような。こんな出会いがあると、俄然楽しくなります。 私にとって「ごはん」のことばかり考えること、おいしく食べたいという欲求は「クリエイティブ」の一環と捉えています。 「無理があるでしょうか??」 もちろん、家族に喜んでもらいたいという気持ち、これは 「愛」の一環ですね。 料理研究家の土井善晴先生の著書『一汁一菜でよいという提案』では、料理すること、「食べることの大切さ」について実に細やかに、そして「生きる」ということについて優しい語り口で厳しく説いています。 「自分自身を大切にしたいと思うなら、丁寧に生きることです」 心に響きます。丁寧に生きるという言葉に、多くのことが含まれているかと思うのですが、一つ挙げるとすると、「心をこめる」ということかもしれません。 心をこめて、日々の生活に向き合う。 「日常」の尊さを感じながら暮らすこと。食を丁寧に、心をこめて。 それは命を大切にする、ということでもあるのですね。 いのちを紡ぐ言葉たち かけがえのないこの世界で吉元 由美1,584円(01/11 10:01時点)Amazon楽天市場YahooAmazonの情報を掲載しています ※記事中の写真はすべてイメージ 作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー [文・構成/吉元由美] 吉元由美 作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。 ⇒ 吉元由美オフィシャルサイト ⇒ 吉元由美Facebookページ ⇒ 単行本「大人の結婚」 『WEST.』桐山照史が、結婚を発表 お相手の名前も公表2025年1月3日、アイドルグループ『WEST.』の桐山照史さんが、元バレーボール選手の狩野舞子さんとの結婚を発表しました。 伊藤沙莉「膝から崩れ落ちました」 控え室にあった1枚の付箋に書かれていたのは…伊藤沙莉さんが、紅白リハを終え控え室行くと…。付箋を見てヒザから崩れ落ちたワケとは。 Share Post LINE はてな コメント
吉元由美の『ひと・もの・こと』
作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。
たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。
ごはんを作る、これは尊いこと
考えてみると、私はごはんのことばかり考えている。
仕事をしながら、下書きの紙の隅に「トマト、ほうれん草……」などと買い物リストをメモしている。
お料理系のYouTubeをいくつも登録し、ついつい見入ってしまう。
そして作り方を頭に叩き込み、実際に作ってみる。
大抵どこかの過程を飛ばし、違うものが出来上がる……。
今は何が旬か。どう料理しようか。春夏秋冬、一年中わくわくしている。
どの器に盛り付けようか。時には、器に合わせて一品作る。
お昼ごはん(夫婦共に自由業)、そして夜ごはん。仕事をしながら冷蔵庫の中にあるものを思い出し、献立を考える。
……という、ごはんのことを考えすぎる日々なのですが、それが果たして私自身の負担になっているかというと、そうでもない気がするのです。
むしろ「何でもいい」「適当でいい」という気持ちで料理するよりも、食材たちと対話をしながら作るのが、お互いに(食材と私)happyなのではないかと思うわけです。
食材たちを「生かす」こと。
例えば、少しずつ残ってしまった大根や人参の切れ端。
薄切りにして塩、お酢、メイプルシロップ(砂糖を使わないので)、柚子の搾り汁、柚子の皮。
昆布の切れ端をハサミでちょんちょんと切ってビニール袋に入れ、きゅっと縛ります。
30分くらいで浅漬けの出来上がり。
どんなものでもおいしく食べる工夫をする。それを考えるのがまた楽しいのです。
以前、マーケットでサボイキャベツ(ちりめんキャベツ)と「出会い」ました。
めずらしいキャベツなので、じっと見つめてしまいます。
「私をロールキャベツにしてくれませんか?」
そんな声が胸の奥で聞こえたような。こんな出会いがあると、俄然楽しくなります。
私にとって「ごはん」のことばかり考えること、おいしく食べたいという欲求は「クリエイティブ」の一環と捉えています。
「無理があるでしょうか??」
もちろん、家族に喜んでもらいたいという気持ち、これは 「愛」の一環ですね。
料理研究家の土井善晴先生の著書『一汁一菜でよいという提案』では、料理すること、「食べることの大切さ」について実に細やかに、そして「生きる」ということについて優しい語り口で厳しく説いています。
「自分自身を大切にしたいと思うなら、丁寧に生きることです」
心に響きます。丁寧に生きるという言葉に、多くのことが含まれているかと思うのですが、一つ挙げるとすると、「心をこめる」ということかもしれません。
心をこめて、日々の生活に向き合う。
「日常」の尊さを感じながら暮らすこと。食を丁寧に、心をこめて。
それは命を大切にする、ということでもあるのですね。
いのちを紡ぐ言葉たち かけがえのないこの世界で
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※記事中の写真はすべてイメージ
作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー
[文・構成/吉元由美]
吉元由美
作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。
⇒ 吉元由美オフィシャルサイト
⇒ 吉元由美Facebookページ
⇒ 単行本「大人の結婚」