「ありがとう」の心が空気の震えとなって世の中に伝わっていけば、世の中は少し優しくなるのかもしれない
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吉元由美の『ひと・もの・こと』
作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。
たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。
心から「ありがとう」を言えるとき
「ありがとう」という言葉が、運を好転させるための魔法の呪文のように言われた時期がありました。いいことがあればありがとう。好ましくないことがあってもありがとう。
「ありがとう」とは「有ることが難しいこと」、「めったにない貴重である」ということを表しています。
この語源を心に留めてみると、見えてくるものがあります。
何かをしてもらったり、頂き物をしたり、親切にしてもらったときに、私たちは「ありがとう」という言葉を自然に口にします。
それは目に見えるモノ、コトに対する感謝であることが多いのではないでしょうか。その幅を少し広げ、生活のあらゆる交流の場面で「ありがとう」と伝えてみる。
言葉には『言霊』が宿っていると言われます。「有り難い」という感謝の思いが広がります。
先日、100歳になられるエッセイストの鮫島純子さんのお話を聞く機会がありました。鮫島純子さんは、渋沢栄一のお孫さんです。
人生には良いことばかりでなく、つらく苦しいことが多々ある。そんなときこそ誠実に向き合い、これは心を成長させるありがたい機会を与えられたのだと解釈する。
鮫島さんは、「人生とは何か、生きる意味とは?100年生きて、どうやらその答えが見つかったように思えます」とお話しされました。
また先日、仕事で加山雄三さんとお会いしました。脳梗塞、脳出血を乗り越え、また若い頃から多くの困難を乗り越えていらした加山さんは「人生、すべて与えられたもの、ありがとうしかないぜ」と明るく言われます。
85歳の加山さんの言葉に外連味などまったくありません。人生を登山に例えるなら、遠くの山々も美しく見渡せる峰に到達されたような、そんな印象を受けました。
91歳になった父は、「ありがとう」とよく口にします。大丈夫かしら、と様子を聞きたくて電話すると、「ありがとう、大丈夫」と。
「ありがとう、楽しかった」「ありがとう、助かった」若い頃の父から、こんなに「ありがとう」と言う言葉を聞いた記憶はありません。
「ありがとう」が魔法の言葉でもいいのだと思います。口に出した感謝の言葉は空気を震わせて伝わっていきます。
もしかしたら「ありがとう」の心が空気の震えとなって世の中に伝わっていけば、世の中は少し優しくなるのかもしれません。
私たちが心の底から生きていること、生かされていることのありがたさに気づくには、さまざまな経験を乗り越える時間が必要なのかもしれません。
若いということ。歳を重ねたということ。それぞれが、それぞれの人生の道程のある一点にいる、ということ。
若さはすばらしい。人生未踏のチャレンジはこれからですから。そして、多くの経験を重ねたからこそ到達できる境地があるのです。
そのとき、心から「ありがとう」という言葉と共に人生の醍醐味を味わえるのでしょう。まだまだだなあ、と自分を振り返り、つくづく思います。
※記事中の写真はすべてイメージ
作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー
[文・構成/吉元由美]
吉元由美
作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。
⇒ 吉元由美オフィシャルサイト
⇒ 吉元由美Facebookページ
⇒ 単行本「大人の結婚」