自分の危機管理の甘さを見事に突いてきた出来事 心の危機管理をしっかりと
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吉元由美の『ひと・もの・こと』
作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。
たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。
危機管理は心にも
ニュースのウェブサイトを見ていたときのこと。「次へ」をクリックすると、ピーピーと高い警告音と共に画面が全面青くなり、
「○○のウイルスを検出しました。解決するためにはサポートセンターにご連絡ください。Microsoftサポート ****-*****」
と点滅表示が出ました。「キャンセル」「終了」とあるところをクリックしても、キャンセルも終了もしない。
え?これはデータが破壊されたということ?焦ってサポートセンターに電話をしました。出てきたのは、おそらくアジア系のオペレーターです。
経緯を説明すると、「esc」のキーを10秒押し続けてください、と言います。何も変化はありません。すると「安心してください。こちらからソフトウェアを入れ替えます」と。
私はMacBookを使っているので、ん?と思いました。
「ソフトウェアの入れ替えは3万円です」
あー、怪しい(もっと早く気づくべきでしたが)。日本人のオペレーターに代わってほしいと伝えると、「日本人の先輩は今忙しい」。先輩?もうここまでくると向こうのボロが丸見えです。
Appleのサポートに連絡をし、事なきを得ました。丁寧に、ゆっくりと「ご心配なさらないでください。大丈夫です。まず、警告音を消しましょう」という言葉に落ち着きを取り戻します。
結局、Safariの画面を強制終了すればよいだけだったのですが、「ウイルスを検出」と警告が出ると、その操作をすることさえ怖くなります。
ピーピーという警告音に心臓がどきどきし、たぶん血圧も上がっていたでしょう……。
このことは、自分の危機管理の甘さを見事に突いてきた出来事でした。
web広告の危うさについて認識していましたが、例えば記事の「次ページ」へ誘導する「続き」というクリック・タブには注意が必要です。
本物と見間違うようなタブは、ますます巧妙な配置になっていくようです。
そして、警告音、画面が点滅する緊迫感。(とんでもないことが起こっている)という現実を見せつけるかのような状況には、冷静さが必要だということ。
深呼吸をし、無駄にどきどきしない。不安や恐れは、人をコントロールする最も有効な手段。人間の弱さを突いてきます。
このことは、インターネットについてだけでなく、あらゆるメディアについても注意が必要です。
特にいま、さまざまなことが日本でも世界でも起こっています。不安や恐れから、本当に何が必要なのかという冷静な判断ができなくなる……。
そんな人間の弱さ、つまり自分の弱さをわかっていると、それに惑わされずに済むと思います。心の危機管理をしっかりと。
あの緊張が走る緊急地震速報は不安と恐れの頂点に達しますが、冷静に、冷静に。そんな自分も備えておきましょう。
いのちを紡ぐ言葉たち かけがえのないこの世界で
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※記事中の写真はすべてイメージ
作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー
[文・構成/吉元由美]
吉元由美
作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。
⇒ 吉元由美オフィシャルサイト
⇒ 吉元由美Facebookページ
⇒ 単行本「大人の結婚」