虐待されて人間と目を合わせることができなかった犬　ついに愛される喜びを知る

2015年７月、アイルランドの動物シェルターに、エンジェルという名前の雌犬が保護されました。

エンジェルは保護されてからずっと、じっと壁に顔をつけたまま動こうとしません。シェルターのスタッフが優しく声をかけても、まるで人間と目を合わせることすら恐れているように、決して心を開こうとはしなかったのです。

ひどい虐待によって心に深い傷を負ってしまった犬

このエンジェルの様子を見た獣医は、おそらくひどい虐待によるトラウマが原因だろうと診断。

多くの犬を見てきたシェルターのスタッフですら、極度に怯えるエンジェルを見て「何をしたらこんな怯えるようになるの？」と憤りをあらわにしました。エンジェルが心に負った深い傷は、想像を超えるものだったのです。

それからエンジェルは数日間、壁のほうを見つめたまま。エサを食べるのは、周りで誰も見ていない時だけだったそうです。

エンジェルの心を癒した新しい友だち

数日後、エンジェルと同じシェルターに、別の犬がやってきました。するとエンジェルはその犬とすぐに仲良くなり、次第に明るさを取り戻していったのです。

里親が見つかってすっかり元気に

それからしばらくして、エンジェルは新しい里親に引き取られました。今では同じく引き取られたもう１匹の犬と共に、毎日元気いっぱいで過ごしています。

なぜ罪のない動物を虐待するのか。心身ともに傷ついてしまった動物たちの姿を見ると、悲しくて憤りを隠せません。エンジェルがこれからずっと、優しい飼い主さんから、たっぷりの愛情を注がれて幸せに過ごしていけますように。