中尾隆聖、山寺宏一ら声優26人が無断生成AIに訴え 「気持ちのいいものではない」
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近年、発達が進む人工知能、AI。
私たちの生活を、より便利にしてくれる一方で、悪質な利用をされる可能性もあります。
その1つが声を生業としている声優です。
2024年10月15日、権利者に無断で生成されるAI音声や映像に反対する声優の有志が集まって、『NOMORE 無断生成 AI』を掛け声とした啓発動画を公開しました。
予告編として解禁された映像には、26人の声優が集まって、『NOMORE 無断生成 AI』と唱和しています。出演している声優は、以下の26人です。
【出演声優一覧】
池水通洋、上田燿司、甲斐田裕子、梶裕貴、片岡富枝、かないみか、くじら、阪口周平、坂本千夏、咲野俊介、佐々木優子、島田敏、嶋村侑、新垣樽助、関俊彦、竹内良太、東地宏樹、中尾隆聖、中田譲治、浪川大輔、朴璐美、深見梨加、福山潤、宝亀克寿、宮本充、山寺宏一
実演家や著作権者の許諾なく、無断で追加学習や生成、公開されたAI生成物のことを、『無断生成 AI』と定義している、声優有志の会。
「誰の声か、誰の表現かということが分かるAI生成物は、著作権だけでなく人格権にも抵触する可能性があります。そして、悲しみ傷付く人がいます。このことを多くの人に知ってもらいたいと思っています」とコメントしています。
ネット上では、声優が実際におこなった覚えのない朗読や歌、声そのものが公開されたり、販売されたりしているのだとか。
声が商売道具である声優という職業を軽んじる行動ともいえます。
ファンがおこなったことだとしても、「無断で使われるのは、気持ちのいいものではありません」と訴る、声優有志の会。
「傷付け合う言動の応酬ではなく、平和的な認識のすり合わせのための議論を有識者も交えておこない、文化的なルール作りをしていきましょう」と呼びかけています。
以下、『私たちの想い』とつづった有志の会のコメント全文です。
私たちがやった覚えのない朗読や歌、そして声そのものが、ネット上に公開され、時に販売されています。
私たちの声は商売道具であり、人生そのものであり、共に成長してきた大切な自分自身の一部です。
「この声をもっと聞きたい」と思ったファンがやってくれたことだとしても、無断で使われるのは、気持ちの良いものではありません。
新しい技術は、これから私たち人間に大きな恩恵を与えてくれるでしょう。
でも同時に、お互いの気持ちや、未来の文化のあり方まで視野を広げて、議論を重ね、みんなで技術の使い方を考えていきたい。
そのきっかけとなるように、この動画を作りました。
傷付け合う言動の応酬ではなく、平和的な認識のすり合わせのための議論を有識者も交えて行い、文化的なルール作りをしていきましょう。
10年後20年後もずっと、良い作品を生み出す土壌を枯れさせないために。
同プロジェクトに参加した、梶裕貴さんは「この同盟でのアクションが、一人ひとり考えるきっかけになることを祈って」と自身のXでコメントしていました。
緒方恵美さんは、同プロジェクトのハッシュタグを用いて、「亡くなった人の声を聴きたい」という意見に対し「亡くなられた方でも『権利』は残してさしあげてほしい」と主張。
そして、「私がいなくなった後、いかなる理由があっても私の声を勝手に使用してほしくない」と訴えていました。
今後は、それぞれの考えを語る動画も順次公開予定だといいます。
誰かを傷付けるAIの使い方ではなく、より便利に誰かを助ける方法でAIを活用したいですね。
[文・構成/grape編集部]