issues

水遊びで“水を飲んだだけ”でも危険!? プール・海・川、食中毒に似た症状を防ぐ5つの方法

By - エムフロ  公開:  更新:

Share Post LINE はてな コメント

水辺の女の子の写真

※写真はイメージ

暑い時期に気をつけたい食中毒。

食品の調理方法や、保管方法に気を配る人も多いでしょう。

実は、体調不良にならないよう、気を付けたいのは食材ばかりではありません。

意外な場所に潜む感染症リスクを、医師の解説を交えて紹介します。

油断しないで!プール・海・川に潜む危険とは?

夏のレジャーとして人気が高い、プール・海・川の水でも、食中毒のような症状を引き起こす水系感染症にり患する恐れがあります。

水遊びの危険について、大阪府大阪市にある、天王寺やすえ消化器内科・内視鏡クリニックの、安江千尋医師に取材しました。

感染症の種類と症状、対策などについて紹介します。

どんな水系感染症の可能性があるの?

安江医師によると「自然やレジャー施設の水には、さまざまな病原体が存在することがあり、不意に飲み込むと食中毒のような症状を引き起こすことがあります」とのこと。

感染症の種類と、症状は以下の通りです。

  原因 症状
クリプトスポリジウム 感染者の便に含まれる、原虫を含む水の誤飲。 1週間前後の潜伏期間の後、水様性の下痢・腹痛・吐き気・発熱など。
腸管出血性大腸菌
(O157など)
汚染された水の誤飲。 激しい腹痛・水様性または血性下痢・嘔吐・発熱。子供は、溶血性尿毒症症候群を起こす恐れ。
ノロウイルス
アデノウイルス
感染者の便や嘔吐物が水を汚染することでの経口感染。 嘔吐・下痢・腹痛・軽度の発熱。
腸炎ビブリオ 汚染された海水の誤飲、または傷口からの侵入。 激しい腹痛・水様性下痢・吐き気・発熱など。
ビブリオ・バルニフィカス 生の魚介類、海水に触れた傷口から感染。誤飲による感染例もある。 肝疾患があるなどの、免疫力が低下している人は敗血症を起こす恐れがある。

プール・海・川で感染する恐れのある感染症は6種類もあり、主な感染の原因は水の誤飲。

水遊びの際に水を飲んでしまうことは多々あるので、大人も子供も気をつけましょう。

特に子供は、水中に潜った際に飲み込みやすいので、口をできる限り閉じて遊ぶよう伝えるとよいかもしれません。

※写真はイメージ

水遊びの最中は、ほかにどのような点に注意すればよいのでしょうか。

安江医師は「正しい知識と行動で十分に予防可能」として、次の予防と対策方法を挙げています。

【水系感染症の対策】

  • 体調が悪い時は水遊びを控える。
  • 遊び終わったら、すぐにシャワーと手洗いをする。
  • 適切な塩素濃度管理を行っているプール施設に行く。
  • 雨が降った後や、水の濁り・ニオイが気になる時は、川や湖に入らない。
  • 身体のどこかに傷がある時は、海での遊びを控える。

雨の後は、川の上流から生活排水や、動物の排泄物などが流れ込み、細菌やウイルスが一時的に増える可能性が高まるそうです。水が濁っている時や、ニオイが気になる時は、遊ぶのを避けたいですね。

また、海水では皮膚の傷からも菌に感染します。

ビブリオ菌の中でも、温かな沿岸で増殖する『ビブリオ・バルニフィカス』に要注意!傷がある場合は、防水パッドを貼るか、入水を避けましょう。

大人と子供でリスクが違う?気をつけたほうがいいのは…

続いて、感染による大人と子供のリスクの違いを紹介します。

大人と子供では、水系感染症のリスクが異なるようです。

子供は免疫システムが未熟なため、感染によるリスクが高まるとのこと。

誤飲した水に含まれる病原体が少なく、通常なら打ち勝てる範囲でも、抵抗力が弱いと症状が重くなる恐れがあるので、注意が必要です。

安江千尋医師

子供は、自分の体調をうまく言葉で伝えられない場合があります。下痢や腹痛などの症状に気づくのが遅れ、重症化する可能性もあるでしょう。

保護者は、子供が遊んでいる時はもちろん、帰宅後も様子をよく観察して、異常があればすぐ病院を受診させましょう。

一方、大人は子供に比べて感染リスクが低いものの、基礎疾患がある人や、免疫力が低下している人は、症状が重くなる可能性があります。

「大人だから大丈夫」と油断せず、子供と一緒に予防・対策法を実践してくださいね。

水系感染症の対策をして夏を楽しもう!

水遊びの写真

※写真はイメージ

暑い時期に、思いきり楽しめるプール・川・海などのレジャースポット。

実は水系感染症のリスクがあると知って、驚いた人も多いのではないでしょうか。

危険があるものの、正しい予防・対策法を知っていれば、感染の可能性はしっかりと抑えられます。対策を実施して、暑い時期にしかできない水遊びを楽しみましょう!

監修・取材協力 安江千尋医師

天王寺やすえ消化器内科・内視鏡クリニックの院長。
消化器内科・内視鏡検査・肛門内科に特化した専門クリニックで、胃がん・大腸がんの早期発見と早期治療に取り組む。
また、消化管感染症や食中毒に関する診療・啓発活動にも携わる。


[文・構成・取材/grape編集部]

上司の長話に付き合わされる部下のイメージ

退勤後に「ちょっといい?」 上司との雑談は『残業』になる?本記事は、会社での雑談や朝礼など、無給が当たり前のグレーな時間について、社労士の見解を取材して聞いた記事です。

『ブックサンタ 2025』の看板(撮影:grape編集部)

「子供たちの笑顔を思い浮かべながら…」 書店でサンタクロースになれる『ブックサンタ』とは?日本国内でも、貧困や被災、病気などを理由に、クリスマスに特別な思い出を作れない子供たちがいます。 そうした全国の子供たちへ、本を届ける社会貢献プロジェクト『ブックサンタ』について、参加書店などへのインタビューを通じて深堀りしてみました。

Share Post LINE はてな コメント

page
top