オフィスで社長が『犬吸い』? Xで話題の職場に行ってみると…【インタビュー】
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職場を実際に見学させていただいた、筆者。
バイオフィリアのマーケティング部で広報とPRを担当する、松村昴さんに『ペットがいる職場』について、詳しくお話をうかがいました。
――そもそも、一緒に暮らすペットとの同伴出社がOKになった始まりについて教えてください。
きっかけは、代表の岩橋が愛犬を亡くした経験からです。
もともとサラリーマンだった岩橋は、会社に行く時にさびしそうにする愛犬を見て自分も申し訳ない気持ちになっていたそうなんですね。
学校や仕事に行っている時間って、1日の大半じゃないですか。
『犬生』のうち、飼い主が一緒に過ごせる時間って短くて「本当にこの子たちを幸せにできているのだろうか」と考えた結果、「自分が会社を立ち上げたら愛犬を連れて出社できるオフィスを作りたい」という風に考えていたのが最初の始まりです。
――岩橋さんの純粋な想いから始まった取り組みだったのですね。実際に愛犬と出社するようになって、よかった点はありますか。
愛犬にとっていい点は、留守番をしなくていいことです。
もちろん、出かけるのが好きではないワンちゃんもいるので、無理に連れてくる必要はありません。
性格によっては、さびしさが和らいでストレスが軽減するのではないかと思います。
もう1つは、家族以外の人間や動物と触れ合う機会を作れることです。
ワンちゃんにとって、家族以外の人や動物と日常的に触れ合う機会って少ないと思います。
なので、社交性が身につきやすいのはいい点ではないでしょうか。
いろいろな人からおやつがもらえるので、ワンちゃんたちは会社にいつもルンルンで来ていますよ(笑)。
撮影:grape編集部
――確かに、『社員犬』たちは穏やかに過ごしていて幸せそうでした。社員にとって、よかった点はありますか。
働く側としても、愛犬を留守番させなくていいのは、メリットだと思います。
「家で何をしているかな?」「大丈夫かな?」と心配しなくていいので、そういったストレスがないという点ですね。
後は、動物と触れ合うことで、社員同士のコミュニケーションが増えるんです。
例えば、オフィス内のドッグランで遊んでいたら、自然とみんなが「わー」って集まってくるので(笑)。
仕事であまりコミュニケーションがない人とも交流が生まれやすいのは、組織作りのうえで結構大事なポイントかなと思います。
続けて、「後はもう…マジでかわいい!」と『動物愛』を爆発させていた、松村さん。
『社員犬』に癒されながらの仕事は、作業効率のアップにもつながっていそうですね。
撮影:grape編集部
バイオフィリアではほかにも、特徴的な制度があると言います。
岩橋のこだわりとして、「家族であるペットが亡くなる時にきちんと看取ってあげてほしい」というのがあります。
なので、一緒に暮らす動物が亡くなってからではなく、最期を迎えそうな日から忌引き休暇を取得できるのは、珍しいのではないでしょうか。
休暇も3日とは決まっているのですが、ケースバイケースで対応してくれます。
飼い主と家族であるペットの気持ちを最大限に尊重した取り組みを行う、バイオフィリア。
根底には、『人と動物の共生』がテーマとしてあります。
以前、『よく吠える社員犬』がいた時に「トレーニングをしてみよう」ということで、犬のトレーナーさんをオフィスに呼んだことがありました。
吠えるワンちゃんがいた時に「じゃあ、よく吠える子は連れてこないでね」とルールを設けるのは、簡単です。
でも、それは私たちが目指す『人と動物がよりよい形で共生していく』という目標に反するのではないかと考えました。
撮影:grape編集部
『犬は吠える』ということを受け入れたうえで、愛犬へのトレーニング、そして人間側へのトレーニングも実施した結果、オフィスの環境は改善されたと言います。
筆者は、問題が発生した時に排除するのではなく、柔軟に課題を解決していく姿勢を見習いたいと感じました。
手作りドッグフード『ココグルメ』を筆者が試食
人間と共生する、そんな『社員犬』にはしっかりと仕事があります。それは、ドッグフードの試食!
撮影:grape編集部
バイオフィリアが開発、販売している『ココグルメ』は獣医師が監修した手作りドッグフードとして、トップシェアを獲得しています。
『社員犬』は『ココグルメ』の広告のモデルも行っており、まさに『社員』として働いているのです。
人間でも食べられるほど、高品質で作られている『ココグルメ』。一番人気だという、『チキン&ベジタブル』を筆者もいただいてみました。
撮影:grape編集部
食材のもつ旨みと香りを活かした調理にこだわっている『ココグルメ』。いわゆる『カリカリ』と呼ばれるドライフードとは違い、人間でも食欲が湧いてくる肉と野菜の香ばしい匂いがしました。
ひと口食べてみると…ペットフードとは思えないほど、おいしい!
調味料は入っていないため、人間からすると味つけは薄く感じますが、アレンジを加えればおかずとして出されてもおかしくないクオリティです。
利用者との意見交換を繰り返し、おいしさと栄養の両立を求めて改良を重ねた、『ココグルメ』。
筆者の実家で暮らす、愛犬にも食べさせてあげたいと思います!
2025年9月より販売開始した期間限定商品『ココグルメ ビーフ&スイートポテト』(撮影:grape編集部)
岩橋さんの個人的な想いから始まり、『人と動物の共生』をテーマに社員と家族であるペットがともに過ごしやすい環境を作った、バイオフィリア。
しかし、初めから現在の環境だったわけではなく、社員の増加やオフィス移転を繰り返し、都度アップデートしていったと言います。
筆者は今回の取材で、その柔軟な対応力に感動しました。
ペットフードの開発と販売を主な事業とする会社だからこそできた取り組みだとも考えます。
バイオフィリアにとっての『社員犬』のような存在を見つけることが、『出社したくなるオフィス』を作る第一歩かもしれませんね。
撮影:grape編集部
[文・構成・取材/grape編集部]