コスモスと彼岸花 アナウンサー押阪忍の『美しいことば』
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こんにちは、フリーアナウンサーの元祖!?などと言われている押阪忍です。
ご縁を頂きまして、この欄で、お喋りをさせていただくことになりました。お目に留まれば、シニアアナウンサー(花ウンサー)の『独り言』にお付き合いいただければ幸いです。
秋爽か、行楽のシーズン到来ですね。食欲の秋、読書の秋、スポーツの秋、芸術の秋… 皆さんはどの秋がお好みでしょうか?女性は味覚の秋かファッションの秋かもしれませんね。
さて、花ウンサーを自称している私は、これにちらりと「花の秋」を(一枚)加えていただければ嬉しいのですが…。
好きな花はコスモス(秋桜)と彼岸花なのです。勿論、『萩が花、尾花、葛花、撫子の花、女郎花、また藤袴、朝貌の花』と「秋の七草」もありますが、やはり市民に一番親しまれているのは、コスモスと彼岸花ではないでしょうか。
ひと昔前までは、郊外に出れば何処でもコスモス街道が見られたものですが、最近は再開発のせいでしょうか、地植えのコスモスは見かけなくなりましたね。コスモスの群生が風に揺らぐ姿は、何とも言えない秋涼の風情があるのですが…。
彼岸花(曼珠沙華)は、田圃の畦道や土手などで群れをなして咲いています。文字通りお彼岸の頃に咲く花です。墓所にもよく植えられている花ということで、あまり好きではない、という人もいるようですが、私は大好きな花です。
この花の華麗さ、繊細さには息を呑むほどの美しさがあります。一度近くでこの花の「形」をじっくりご覧になってみて下さい。その芸術的な造形美を「なるほど」と納得されると思います。今は白の花もあります。
山口百恵さんの「秋桜」を口ずさみながら「いい日旅立ち」をしてみたくなる山粧う錦秋の季節到来です。
<2016年10月>
フリーアナウンサー 押阪 忍
1958年に現テレビ朝日へ第一期生として入社。1965年には民放テレビ初のフリーアナウンサーとなる。以降テレビやラジオで活躍し、皇太子殿下のご成婚祝賀式典なども行う。2016年現在、アナウンサー生活58年。
日本に数多くある美しい言葉。それを若者に伝え、しっかりとした『ことば』を使える若者を育てていきたいと思っています。