人生の「春夏秋冬」 歩んできた年月からのギフトを受け取るのも大切なこと
公開: 更新:
快挙を成し遂げた狩野英孝、帰国便の搭乗券をよく見ると… 「さすがJAL」の声ホノルルマラソンから帰国する狩野英孝さんに、JALが用意したサプライズとは…。
ロケで出会う人を「お母さん」と呼ぶのは気になる ウイカが決めている呼び方とは?タレントがロケで街中の人を呼ぶ時の「お母さん」「お父さん」に違和感…。ファーストサマーウイカさんが実践している呼び方とは。
grape [グレイプ] entertainment
吉元由美の『ひと・もの・こと』
作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。
たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。
春夏秋冬を生きるということ
万物は、「木・火・土・金・水」の五種類の元素からなる。自然の理を説いたこの中国の陰陽五行説は、四柱推命学や算命学、気学などの占術や、薬膳や中医学の基礎になっています。
この五行の思想の中で、人生を四季に当てはめ、それぞれの時期に色を配して次のように表しました。
「青春」(10代〜30代)
「朱夏」(30代〜50代)
「白秋」(50代後半〜60代)
「玄冬」(60代後半〜)玄は黒のこと
年代の区切りには若干の差があるようですが、だいたいこのように分けられます。
「青春」は草木が伸び、青々と茂っていく。大いに学び、どんな道も選べる時期。青春という言葉は、すっかりスタンダードになっています。
「朱夏」はまさに働き盛りです。「白秋」は、秋の落ち着きのように穏やかな時期。そして「玄冬」は人生をまとめ上げる時期です。玄とは、黒のことです。
人生の春夏秋冬。自分の人生を振り返ると、春を生き、夏を駆け抜け、今まさに秋の穏やかさの中にいます。
作詞家になるために猛勉強をし、多くの仕事に恵まれた青春、そして仕事と子育てに駆け抜けた朱夏。
青春に発揮したエネルギーと、朱夏の時期に発揮したエネルギーは明らかに違うものでした。今では子どもも自立し、夫婦二人になり、穏やかに仕事ができる白秋という時の中にいます。
夏の暑さと強い日差しが去り、少しずつ夜が長くなり、気温も下がってくる秋。そして、長い夜と厳しい寒さの中にある冬。
寒さに向かう今の自分の白秋という時期を暖めるものは何でしょうか。そして人生をまとめ上げる玄冬に、自分を満たすものは何なのか。そんなことを考えるようになりました。
夏の盛りには見えなかったこと。考えたこともなかったこと。命というものを味わいながら日々過ごしていることに気づくのです。私も自然の理の通りを生きているのだとしみじみと思います。
私の中には、永遠の17歳がいます。17歳の時に見た満天の星空が与えてくれた勇気は、今も私を励まします。
私の中でまだ春が少しだけ、生きています。夏の時期、仕事と子育てて目がまわるほど忙しかった。でもその時期に悩み、乗り越えられたこと、大忙しだった子育ても、自分の支えになっています。
私たちはこれから自分がどうなりたいか、目標を定めることに注力しますが、歩んできた年月からのギフトを受け取るのも大切なことではないかと思うのです。
そして今、どんどん長くなっていく白秋、そして玄冬の夜をどう楽しもうか、寒さを何で温めていこうか考えています。
愛というもので温めていこうか、慈愛の気持ちで温めていこうか。好奇心で満たしていこうか。まだまだ心を育む学びは続きます。
いのちを紡ぐ言葉たち かけがえのないこの世界で
Amazon楽天市場Yahoo
※記事中の写真はすべてイメージ
作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー
[文・構成/吉元由美]
吉元由美
作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。
⇒ 吉元由美オフィシャルサイト
⇒ 吉元由美Facebookページ
⇒ 単行本「大人の結婚」