世界一のバント職人2世は生まれるか 実況アナ松本秀夫の球界よもやま話

フリーアナウンサーの松本秀夫です。

野球実況歴30年、このコーナーでは喜怒哀楽、さまざまな心に響く球界よもやま話をご紹介します。

8月31日、季節を勘違いさせるような冷たい雨の降るよみうりランドジャイアンツ球場に行ってきました。

朝8時から行われた巨人の3軍(育成選手)の練習を見に行ったのです。

この日の練習は本来、町田市にある小野路球場でやる予定だったのが雨でジャイアンツ球場の室内に変更となりました。

宮崎キャンプにて 川相昌弘3軍監督と松井秀喜臨時コーチ

投内連係が終わったところで川相昌弘監督(52)にご挨拶。

「1軍のほうはどうですか?同じ巨人軍でもまるで会うことがないから、なんだか別のチームみたいですよ(笑)」と監督。

確かに3軍は練習の場から時間まで一切1軍と重ならないし、その動向が報じられることも少ないので浮世離れした(?)存在。

この日の練習は昼の12時10分まで。そのあとは2軍が練習を始めるので明け渡さなければならなかったのです。

「小野路球場が使えれば夕方までたっぷり練習ができたんですが」と川相監督。選手たちは交代時間も惜しむように慌ただしくフリー打撃を行っていました。

彼らの最大目標は3桁の背番号から2桁になる…つまり支配下選手に登録されること。しかし登録期限は7月31日。それ以降今シーズンはいくら頑張っても支配下選手にはなれません。

「正直8月以降、練習を見ていてもガックリしているのが分かりました。そんな彼らにどうやってモチベーションを持たせるか…」

2軍でさえも、1軍に上がる可能性のある選手を優先して使うということで、9月1日現在育成選手は1人も在籍していないのです。

それでも入団1年目の選手は、また来年…と夢を持てますが、育成選手の雇用期限はわずか3年。その間に結果を残さなければプロ野球人生が絶たれてしまうこともあります。 

彼らにとってはまさにシビアな季節。

そして川相監督の長男、川相拓也選手(26)がまさに育成選手3年目。

川相拓也選手

「正直いって守りはかなりのレベルだと思いますよ」

と川相監督。

打撃成績も3軍では .277(8月20日現在)とそれなりの数字を残しているのですが、それでも今季支配下の扉をこじ開けるまでには至りませんでした。

いったん契約を解除してもう一度育成選手として雇ってもらうやり方もあります。

「本人が自分の置かれた立場と将来をどう考えるかですね」

と語る川相監督。

球界では親子鷹の成功例がまだほとんどありません。『世界一のバント職人2世』の姿をなんとか東京ドームで見てみたいものですが…。

日本全国のさまざまな市町村で試合を行いジャイアンツブランドを地域に知らしめている3軍選手たち。

まず支配下選手に、そして1軍へ…長く険しい道のりですが、可能性にかけて夢を追う彼らにエールを送ってみてはいかがでしょう。

3軍のスケジュールは巨人軍公式サイトからご覧いただけます。

<2017年9月>

スポーツアナウンサー 松本秀夫

松本秀夫 元ニッポン放送アナウンサー。17年4月よりフリーランスに。野球の実況を中心にバラエティー番組、執筆、イベント制作まで活動の幅を拡げている。趣味は釣りと、釣魚でやる一杯。

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