生き方の転換を迫られる『人生の正午』 中年期の危機をうまく乗り越えるには
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吉元由美の『ひと・もの・こと』
作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。
たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。
人生の正午をとうに過ぎて
『人生の正午』心理学者C.G.ユングは、人生を太陽の運行になぞって考え、40歳から50歳の頃を『人生の正午』としました。成長期、青年期から中年期に差しかかる頃、正午になります。太陽が子午線を通過する時刻、真上にきます。ただし、人によって何歳で『正午』を迎えるかわからない。ここがポイントです。真上まで昇ってきた太陽は、正午を境に沈んで行きます。ここで方向が真逆になる。中年期からは暮れていく方向へと向かいます。
私たちは一生変わらない精神状態でいられるわけでありません。思春期の頃に自分が何者であるかわからずに悩んだように、中年期に差し掛かった時にも、(このままでいいのか)と生き方についての葛藤が始まります。この第二の思春期とも言える人生の転換点が『中年の危機』です。なぜ人生の正午を迎えるタイミングが人それぞれかというと、人によって葛藤を覚える時期が違うからです。これまでの生き方、やり方では立ちいかなくなる。生き方の転換を迫られるのが正午、『中年の危機』なのです。
私自身、30代をすぎた頃からトンネルに入りました。自分が成長していくために、このままの生き方でいいのか。成長とは仕事でもなんでもなく、心、精神、霊性の成長です。2年あまり悶々としながらトンネルの中にいたのですが、ただひとつ信じられたのは「出口のないトンネルはない」ということでした。あるとき見た『夢』がきっかけで、突然トンネルを出ることができました。これが『中年の危機』、私の人生の正午だと知ったのはずいぶん後になってからでした。
太陽が傾き、暮れていく方向を自分も歩んでいるのだと思うと暗い気持ちになりそうです。しかし、それは自然の流れであり、自然の流れに逆らって生きるほうが苦しくなるのは明らかです。そしてユングは、この中年期の危機をうまく乗り越えること自体が人生を創造していくことであり、どれだけ午後の時間を深く生きられるかにつながると述べています。そのためには、若い時代を振り返り、受け入れる。不満があれば修正する。可能性のあることにチャレンジする。本当に何を望んでいることを生きる。自分の本音を知ることです。
人生の正午を過ぎ、いまの季節なら私はいま午後2時半くらいでしょうか。午後には午後の過ごし方があります。お茶の時間も、これから楽しめる。夕暮れの時間も味わい深いものです。願わくば、夏の日の出、日の入りの時間でありますように。
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作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー
[文・構成/吉元由美]
吉元由美
作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。
⇒ 吉元由美オフィシャルサイト
⇒ 吉元由美Facebookページ
⇒ 単行本「大人の結婚」