暑い日に「私の使命はなんだろう」と考えてみたら、答えは思いがけずシンプルだった
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吉元由美の『ひと・もの・こと』
作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。
たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。
猛暑日に哲学すると
「死ぬってどういうことでしょう?」
女優の倍賞千恵子さんが、お寺のご住職に質問しました。
ご住職はしばらく黙り、こう答えたそうです。
「生きることです」
倍賞さんがきょとんとしていると、ご住職はこう続けました。
「死ぬまでの間をどう生きるかが、死ぬということなのです」
死ぬとは、生きること。
倍賞千恵子さんとご住職の禅問答のようなやりとりの記事を読み、胸の中で一陣の風が吹くようでした。
どう生きるか、なぜ生きているのか、というのは生きる者にとって永遠のテーマです。
何も考えずに生きていても、人生のどこかでこのテーマに行き当たるでしょう。
誰もが人生の意味について考えながら生きている、と言ってもいいかもしれません。
ユダヤ人強制収容所での体験を記した『夜と霧』の著者、V.E.フランクルは「私たちは生きる意味を問う存在ではなく、人生から問われているのだ」と主張します。
この言葉も「死とは生きること」というご住職の言葉に通じると思います。
生きる意味を問うてる場合じゃない、今、この瞬間をどう生きるかということにその答えがある、ということなのでしょう。
私の使命はなんだろう。私の天命は?
その答えを求めることが『生きる目的』のようになっていることがあります。
本を読んでも、さまざまなセミナーを受講しても見つからない。
一時期よく聞かれた『自分探し』で迷子になってしまう。
でも、実は自分が問われているということが腑に落ちると、答えが見えてくるのではないか、と思うのです。
死ぬまでの間をどう生きるか。
それは、大仰なことではなく、私たちのささやかな日常を大切に、心を尽くして生きることではないか、と最近思うようになりました。
メメント・モリ、「死を思え」という古代ローマで生まれた言葉があります。
次の瞬間に死んでしまうかもしれない。
明日の朝、目覚めないかもしれない。
生きることの向こう側には、死があるわけです。
だから、この瞬間を大切に生きる。
日常という尊い営みを、その尊さを抱きしめるように送る。
丁寧に、がむしゃらに生きる。
とてもシンプルな着地点になりますが、シンプルだからこそ見落とされていることもあるのです。
体を労わること。心が喜ぶことをすること。時には負荷をかけることも。
「頑張る」という言葉が負担になるかもしれませんが、年代によって『頑張りかた』『頑張りどき』というのがあるものです。それも人生です。
誰かのために、何かのために自分を役立てること。
頭でっかちにならずに、今、この瞬間を感じながら、与えられた時間を充実させていく。
あっという間にシニアという年代に入ってしまった私は、改めて家族のために丁寧に食事を作ることの大切さを味わっています。
猛暑日に哲学的なことを考えると少々暑苦しくなりますが、人生という創造的な表現活動の醍醐味を楽しんでいきましょう。
いのちを紡ぐ言葉たち かけがえのないこの世界で
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※記事中の写真はすべてイメージ
作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー
[文・構成/吉元由美]
吉元由美
作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。
⇒ 吉元由美オフィシャルサイト
⇒ 吉元由美Facebookページ
⇒ 単行本「大人の結婚」