世界初!日本の『デジタル錠剤』が承認される!

大塚製薬が開発した、錠剤にセンサーを組み込んだ医薬品『エビリファイ マイサイト(Abilify MyCite®)』が、アメリカの食品医薬品局(FDA)に承認されたと発表がありました。

『エビリファイ マイサイト』は、統合失調症やうつ病の治療薬に使用される『エビリファイ』という錠剤に、米国プロテウス・デジタル・ヘルス社が開発した極小のセンサーを組み込んだもので、飲み込むと胃液に反応してシグナルを発信し、体に貼り付けたパッチ型の受信機でシグナルを検出し、患者さんの服薬状況を記録したり、睡眠や気分などを患者さんが入力することもできます。

これらのデータがスマートフォンなどのモバイル端末に転送できるようなシステムになっており、患者さんの同意があればお医者さんや介護者との情報共有も可能になるということです。

これによって、薬の体内での活動の状況を、患者さんや家族とお医者さんらが共有して把握できることで、コミュニケーションを促進し、それぞれの患者さんにより適した治療の選択ができるようになるということです。

ちなみにセンサーは一定時間たてば体内で消化・吸収されずに排せつされるため、人体に害をもたらす危険性もないとのこと。

大塚製薬のプレスリリースによれば、ホフストラ・ノースウェル医科大学、兼ザッカー ヒルサイド病院シニア・バイスプレジデントのジョン・ケイン先生は「世界初のデジタルメディスンは、重度の精神疾患に悩む患者さん、ご家族、ケアにあたる方々に、より適切な治療に役立つ情報を提供できる革新的な方法です。今までの精神疾患治療には、服薬アドヒアランス(患者が積極的に治療方針の決定に参加し、その決定に従って治療を受けること)を効果的に記録できる体系的なアプローチはありませんでした」と語り、これを受けて大塚製薬代表取締役社長・樋口達夫氏は、「当社の精神疾患領域における25年以上の経験の中でも、今回の承認は大きな契機になるでしょう。患者さんとケアにあたる方々のために、服薬状況を客観的に把握することでよりよい治療に貢献してまいります。今後、『エビリファイ マイサイト』を利用される医療機関や患者さんからのフィードバックをいただきながら展開していきます」と述べています。

さらに、プロテウス社の社長兼CEO・アンドリュー・トンプソン氏は、「重篤な精神疾患の患者さんにとって、デジタルメディスンという新しいカテゴリーが求められています。友人、家族とのコミュニケーションや買い物など日常生活の中でスマートフォンは活用されています。このシステムを使用することで、それぞれの患者さんの治療計画に役立つ情報を新しい方法で収集することが可能になります」と話しています。

薬の飲み忘れは患者さんにとって重要な課題、特に高齢者や障害者にとっては生命に関わる問題です。

大塚製薬は昨年(2016年9月)にもNECと共同で『脳梗塞再発抑制薬である抗血小板剤の毎日の服薬をアシストする服薬支援容器の開発』に着手することを発表しています。こちらも、服薬時間帯になるとLEDが自動で点滅して患者さんに通知したり、錠剤取り出しを検知して、服薬した日時を容器のメモリーに自動で保存し、スマートフォンやタブレット端末に送信する機能などを搭載しているスマート容器です。

こうした人の命を救うために新しい技術を活用することはとても重要なことだと思います。


[文・構成 土屋夏彦/grape編集部]

土屋夏彦

上智大学理工学部電気電子工学科卒業。 1980年ニッポン放送入社。「三宅裕司のヤングパラダイス」「タモリのオールナイトニッポン」などのディレクターを務める傍ら、「十回クイズ」「恐怖のやっちゃん」「究極の選択」などベストセラーも生み出す。2002年ソニーコミュニケーションネットワーク(現ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社)に転職。コンテンツ担当ジェネラルプロデューサーとして衛星放送 「ソネットチャンネル749」(現アジアドラマチックTV★So-net)で韓国ドラマブームを仕掛け、オンライン育成キャラ「Livly Island」では日本初の女性向けオンラインで100万人突破、2010年以降はエグゼクティブプロデューサー・リサーチャーとして新規事業調査を中心に活動。2015年早期退職を機にフリーランス。記事を寄稿する傍ら、BayFMでITコメンテーターとしても出演中、ラジオに22年、ネットに10年以上、ソーシャルメディア作りに携わるメディアクリエイター。

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