肺がん薬『ジオトリフ』1粒1万円を捨てた患者 国民皆保険制度の現実を考える
公開: 更新:


医師「病院に行ったら、まず誰に相談しますか?」ぐっさんの回答に「分かる」2019年12月23日に放送されたラジオ番組『ぐっさんの健やかDAYS』の中で、『チーム医療』というテーマで展開された対談内容をご紹介します。

「仕方ないですよね」 無理に笑った女性社員、実は病気になった多くの人が、つらい症状と闘い、日常を取り戻そうとしています。しかし、「病気の症状さえ収まればいい」というものではありません。 患者の中には、病気の症状そのもの以外に苦しんでいる人もいるのです。 治療が順調なの...
- 出典
- @mhlworz






日本国民全員が公的医療保険に加入し、互いの医療費を補い合う『国民皆保険制度』
現在、病院の窓口で支払う金額は、70歳未満であれば医療費の3割。後期高齢者は1から2割。昨今の高齢化にあたり、年間医療費は例年35兆円を超え、大きな問題になっています。
そんな中で、薬を飲まずに捨てているという患者さんを持つ、臨床医である羆(@mhlworz)さんの苦言が話題になっています。
33万円。それだけの健康保険料を払うために、若い人がどれだけ汗水たらして働いていると思いますか
捨てられていたのは、肺がんの薬であるジオトリフ。
命に関わる薬を飲まずに捨てるという事実もそうですが、33万円という金額にも驚かされます。
若い世代の方は「自分の一ヶ月の給料より高い!」と思う方も多いのではないでしょうか。この金額の7割から9割を、他の誰かが払っていると思うとやりきれない気持ちになります。
患者本人が窓口で支払う自己負担額は、ほんの一部に過ぎません。残りの大部分は、毎月保険料を納めている現役世代が支えているのです。
飲まない理由は何なのか
薬を捨ててしまった患者さんですが、何か理由があったのかもしれません。しっかり、患者さんの意見に耳を傾けることの重要性を説く方も多くいらっしゃいます。
副作用への不安や、飲み忘れが続いてしまったなど、背景にはさまざまな事情があるでしょう。ただ、そうした理由があるとしても、まず医師や薬剤師に相談するのが先ではないかという声も上がっています。
理由があったのかもしれませんが、薬をもらっても捨ててしまう人が多くいる以上、薬の大切さが伝わっていない現状があるのかもしれません。
「もらった薬は飲まなくてもいい」という認識が広がれば、医療費のムダはさらに膨らんでいきます。処方する側と受け取る側、双方の意識が問われているといえそうです。
医療費を支える仕組みを知ることの大切さ
少子高齢化が進む中でこのような出来事が続いていけば、年金問題と併せてさらに大きな問題へと発展しかねません。
保険制度は、誰かが困ったときに互いに助け合うための仕組みです。その恩恵を受けながら薬を捨ててしまうことは、制度そのものへの信頼を損なうことにもなりかねません。
処方された薬は「他の誰かに助けてもらって自分の手元にあるかもしれない」という事実をしっかり認識して、大切にしていきたいものです。