「どうでもいい」思考と心の大掃除 必要ないものは手放そう
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吉元由美の『ひと・もの・こと』
作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さん。先生の日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。
たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…様々な『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。
思考と行動の大掃除を
最近、(どうでもいい)と思うことが増えてきました。自分にとって必要なこと、とそうでないこと。考えるべきことと、考えなくてもいいこと。自分の中にそれらが混在し、自分を不自由にしていることに気付いたのは、眠れない日が続いたことからでした。なぜ眠れなくなるのか。つまらない思考の切れ端のようなものが頭の中で飛び交うような。睡眠不足が続き、しばらく入眠剤を飲んで休みました。
そんな時、ふっと(ああ、どうでもいい)と心から思った瞬間があったのです。
「どうしたらいいですか? いい方法を教えてください」
こんなふうに悩みを相談された時、私なりに考えてアドバイスをします。すると、また次にどうしたらいいのか聞かれる。また私の考えを伝える。そしてまた…。
こんな堂々巡りのようなことが続き、気付くと私はぐったりと疲れていました。そう、エネルギーを吸い取られていた。エネジー・ヴァンパイアに遭ってしまった。私はただ依存させただけで、そこに何の発展性もありませんでした。
冷淡になるとか、無関心になるということではありません。投げやりになるということでもありません。自分にとってまったく創造性のないことをし、(どうでもいい)と心から思えた時に、私は自由になった感じがしたのです。
自分にとって必要のないことは手放せばいい。やらなくてもいいことは、やらなくていい。終わってしまったことは、削除していい。悩んでも仕方のないことは、悩まなくていい。
この先の人生、30年も40年もあるわけではないのです。元気で動ける時間は限られています。そんな時に、自分では持ちきれないほどの荷物を持って生きてはいけない。大切にしたいもの。わくわくするもの。自分の創造性。叶えたいこと。持っていけるのはそういう荷物です。
自分の心に適うものだけを選んでいこう。時間というものの価値が、若いころと違ってきた現実を突きつけられたのです。
それでも、思考の切れ端が頭の中を飛び交います。嫌だなあと思う人のことを、思い出さなくてもいいのに思い出す。まだ起こってもいないことを想像して、無駄に不安になる。そんな時の魔法の言葉がこれです。
(どうでもいい)
心の中でこうつぶやくことで消去、リセットされます。これも言葉の力なのでしょう。
会いたい人と会う。本当にやりたいことをやる。どうでもいいことはやらない。わがままということではなく、これは自分に正直になること、そして自由になっていくことなのです。1年の終わり、大掃除をしながら思考と行動の大掃除をしていきましょう。
作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー
[文・構成/吉元由美]
吉元由美
作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。
⇒ 吉元由美オフィシャルサイト
⇒ 吉元由美Facebookページ
⇒ 単行本「大人の結婚」