新宿の首つり自殺を撮影する人たち 倫理観の欠如に「言葉を失う」「信じられない」の声
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- 出典
- 産経ニュース
2020年1月6日、東京都新宿区にあるJR新宿駅南口の歩道橋で、30代の男性が首をつって亡くなりました。
産経ニュースによると、男性は精神障害があり、自殺する直前に知人と食事した際は「これから死ぬ」と話していたといいます。
現場が昼時の駅前ということもあり、今回の事件は目撃者が多発。ネットではリアルタイムで話題になりました。
自殺した遺体にカメラを向ける人たちに、怒りの声
信じられないことに、Twitterでは歩道橋からぶら下がる遺体を撮影し、投稿するアカウントも。
検索に引っかかりやすいよう「新宿」「首つり」「自殺」などのワードを入れていたため、確信犯としか思えません。
また、事件現場にいた人からは「多くの人が遺体にカメラを向けていた」という声も多数上がっていました。
※写真はイメージ
2019年に大阪の梅田で飛び降り自殺が起こった際も、動画を投稿するアカウントがあり問題になりました。現場では、同じように多くの人がカメラを向けていたといいます。
人の死の瞬間を撮影する彼らが何を考えているのかは、分かりません。「珍しいから撮影したい」「投稿して注目を集めたい」など、いろいろな目的があるのでしょう。
ネットでは「目立つ場所で自殺したんだから、撮ってほしいはず」「迷惑な死に方をしたんだから自業自得」といった声もありました。
しかし、他人の遺体や死の瞬間を撮影するのは倫理観を疑わざるを得ない行為です。カメラを向ける人たちや撮影を正当化する人に対し、強い怒りの声が多数上がっています。
・本当に信じられない。人の痛みや困難に寄り添える人間でありたい。
・自分もそういう現場に遭遇したことがある。カメラを向ける人だかりがあって絶望した。
・そもそも撮影してどうするんだ?自分のスマホにそんな動画があるのも嫌なんだが。
・他人の痛みや命の重さが理解できない人がいることに、言葉を失う。同じ人間と思いたくない。
悲しいことに、こういった行動が問題視されているのは日本だけではありません。
2016年、ドイツの警察は事故現場を撮影する野次馬100人に対し「恥を知りなさい」と苦言を呈しました。
「恥を知りなさい」事故現場の野次馬に、警察が怒りのメッセージ
きっと、自ら命を絶つ人はいろいろな事情があったのでしょう。多くの苦しみや悩みを抱え、追い詰められた末の選択のはずです。
また、亡くなった人には遺族もいます。身内の死の瞬間がデータとして残り続けることに恐怖を感じるのではないでしょうか。
撮影する人は今一度自分の行動を見直し、人間として最低限の倫理観を持ってほしいと強く願うばかりです。
[文・構成/grape編集部]