払わないと帰れない? ぼったくり店の対処法を弁護士に聞いてみたら…
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グラスを合わせる音が響く、12月の夜。忘年会シーズンは、久しぶりに会う友人や同僚とのお酒が、何よりも楽しい時間ですよね。
しかし、そんな楽しい気分の時に、忍び寄る魔の手があります。
「お兄さんたち、いい店あるよ」
「飲み放題3,000円でどう?」
そんな甘い言葉についていったら、会計時に『1人10万円』というとんでもない金額を請求された…。いわゆる『ぼったくり店』です。
「払わないと帰さないぞ」と凄まれ、「警察を呼んでも無駄だ」と脅される…。
そんな状況に陥った時、冷静に対応するのは困難でしょう。
弁護士「契約していない金額を払う義務はありません」
もし、ぼったくり店に入ってしまい、法外な金額を請求をされたらどうしたらいいのでしょうか。
大阪府大阪市で、まこと法律事務所を運営する北村真一弁護士にうかがいました。
――法外な料金を請求された場合も、支払わなければならないのでしょうか。
結論からいうと、納得していない、説明されていない不当な料金を支払う必要はありません。
飲食店での注文は、法的には『契約』にあたります。
店側が「ビール1杯1,000円です」と提示し、客が「それをください」と注文して初めて、1,000円を支払う義務(契約)が成立します。
もし、店側が勝手に『席料5万円』『氷代3万円』などと、事前に説明のない料金を上乗せしてきた場合、客側がそれに合意していない以上、支払う義務はないのです。
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――「警察は民事不介入だから呼んでも無駄」というのは本当ですか。
それは、ぼったくり店が客を諦めさせるための常套句です。
確かに、単なる料金トラブル(高いか安いか)だけなら、警察は『民事』として介入しにくい側面はあります。
しかし、以下のような状況であれば、話は別です。
・「払うまで帰さない」と店に閉じ込める → 監禁罪
・「痛い目にあうぞ」などと脅す → 脅迫罪・恐喝罪
・胸ぐらをつかむ、殴る → 暴行罪
これらは立派な『刑事事件』です。身の危険を感じたら、躊躇(ちゅうちょ)せず110番通報をしてください。
警察官が来ることで、店側も強引な取り立てができなくなります。
――実際に高額請求をされた時、具体的にどう振る舞えばいいのでしょうか。
まずもっとも重要なのは『絶対に支払わない、サインをしない』ことです。
「手持ちがないならコンビニでおろせ」と凄まれても、決して応じてはいけません。一度でも支払いや署名をしてしまうと、金額に合意したとみなされ、後から取り返すのが難しくなるからです。
また、交渉の最中には、可能な限り証拠を残すことも忘れてはいけません。ボイスレコーダーで会話を録音したり、メニュー表や請求書をスマホで撮影したりしておくことは、後々「事前の説明と違う」という事実を証明する強力な武器になります。
そのうえで、毅然とした態度で「帰ります」と伝えましょう。食べた分の正当と思われる金額だけを置いて店を出ようとし、もし店側が身体を掴んだり、進路を塞いだりして帰してくれない場合は、身の安全を守るためにも迷わず110番通報をしてください。
最高の自衛策は『ついて行かない』こと
法律や対処法を知っておくことはもちろん大切ですが、最大の自衛策は、シンプルに『違法な客引きには、ついて行かない』ことです。
お酒が入って気分がよくなっていると、つい「安くするよ」などという甘い言葉に、心を許してしまいそうになるかもしれません。
しかし、見知らぬ人に連れられていくその先に、安全な保証はどこにもありません。向こうから近づいてくる『おいしい話』には、裏があるものです。
「本当にいいお店は、客引きなんてしなくてもお客さんが来る」
この言葉を今一度、胸に深く刻んでおくだけで、トラブルに巻き込まれるリスクはぐっと減らせるはずです。
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一時の油断で、せっかくの楽しい思い出を、悲しいものにしないために、『怪しい誘いは無視して、自分たちで選んだ店に行く』という慎重さが、あなた自身と、一緒にいる大切な仲間を守ることにつながります。
今年の忘年会シーズンも、トラブルとは無縁の、安全で楽しいお酒で締めくくりたいものですね。
[文・取材/ことのは 構成/grape編集部]