「人を見ているだけじゃない」 元警察官が教える『職務質問する人』って、どう決めてるの?
公開: 更新:

※写真はイメージ

知名度が高まった『ピーポくん』 警視庁が「次は?」と考えたことに「笑った」「発想好き」みなさんは『ピーポくん』をご存じでしょうか。『ピーポくん』は、頭のアンテナと大きな耳が特徴の警視庁のマスコットキャラクターです。1987年から警視庁のPRに貢献し続けているので、知っている人のほうが多いかもしれませんね。...

宅配で『女性の一人暮らし』を悟られない方法 「すごくいい」「私も使ったことある」Toji Komorin(@tojikomorin)さんが開発した、インターホンで使える『男声』の音声をまとめたウェブサイト『男声で対応』をご紹介します。






夜道を歩いている時や仕事の帰り道に、突然警察官から職務質問されたことはありますか。
「何もしていないのに」「疑われた気がして不快だった」と感じる人は多いでしょう。
警察にとって職務質問は、事件が起きてから対応するのではなく、犯罪の芽を早い段階で見つけるための大切な業務です。
一方で、声をかけられる側の多くは、実際には何も問題のない、いわゆる善良な市民です。
だからこそ、突然足を止められることに、戸惑いや不満を覚えるのも自然な感情だと思います。
では、警察官はどのような点を見て、職務質問を行っているのでしょうか。
本記事では、筆者が警察官として現場に立っていた経験をもとに、職務質問の際に重視されやすいポイントについてお伝えします。
職務質問されるのはイヤなもの!
まず大前提として、職務質問を受けて気持ちよく感じる人は、ほとんどいないと思います。
急いでいる時に足を止められたり、理由が分からないまま声をかけられたりすれば、「なぜ自分が…」と感じるのは自然なことです。
実は、職務質問をする警察官の側にとっても、決して気持ちのよい業務ではありませんでした。
※写真はイメージ
筆者自身、警察官として現場に立っていましたが、職務質問はできることなら避けたいと感じる業務の1つでした。
実際に声をかけても、ほとんどの場合、違法性はありません。
「仕事帰りなだけなのに」
「なぜ声をかけられなければならないのか」
このように、厳しい言葉を向けられることも少なくありませんでした。
だからこそ筆者は、確認の結果、問題がなかった場合には「ご協力ありがとうございました」「お忙しいところ、申し訳ありませんでした」と、必ず礼節をもって謝意を伝えるよう心がけていました。
一方で、その積み重ねの中で、刃物や薬物を所持していた人を発見し、事件を未然に防ぐことにつながったケースがあったのも事実です。
職務質問は、誰にとっても負担の大きい行為である一方、社会の安全を守るために欠かせない役割を担っているのです。
職務質問では『挙動・時間帯・場所』を総合的に見ている
職務質問は、特定の人を狙って行われるものではありません。
警察官は、その場の状況や行動をもとに、挙動・時間帯・場所といった複数の要素を総合的に見て、合理的に判断しています。
まず重視されやすいのが挙動。例えば、こうした動きが認められれば「何か理由があるのではないか」と判断されることがあります。
・周囲を落ち着きなくキョロキョロ見回している。
・警察官と目が合った瞬間に、視線を不自然にそらす。
・パトカーや警察官に気づいた途端、急に進行方向を変える。
実際、こうした挙動をきっかけに声をかけた結果、違法行為が判明し、検挙に至ったケースもありました。
また、時間帯や場所も重要な判断材料になります。
深夜や早朝など、人通りが少ない時間帯や人気のない場所は、薬物の受け渡しや盗難など、犯罪に利用されやすい環境になることも。
この時間帯・場所にいる人に対しては、職務質問が行われる頻度が高くなる傾向があります。
※写真はイメージ
繰り返しになりますが、これは人を見て判断しているのではありません。
その場の環境と行動に違和感が重なった時、警察官は確認のために声をかけているのです。
職務質問を拒否すると…
職務質問に対して、応じるかどうかは本人の判断であり、拒否すること自体が違法になるわけではありません。
ただ、現場の実情として、職務質問を拒否されると、結果的にやり取りが長引いてしまうケースがあるのも事実です。
筆者の経験上、違法薬物や刃物などを所持している人は、最初から素直に応じることはほとんどありません。
多くの場合、会話を避けたり、質問への回答を拒んだりするところから始まります。
そのため、警察官としては、そのまま立ち去らせてよいのか、慎重に判断せざるを得なくなるのです。
※写真はイメージ
実際、丁寧に説明を重ね、時間をかけて説得を続けた結果、違法な所持品の確認につながり、検挙に至ったケースもありました。
このような経験が積み重なることで、警察官側はやり取りがかみ合わない状況に対して「何か事情があるのではないか」と考えるようになります。
もちろん、すべての拒否が問題視されるわけではありません。
ただ、確認ができない状態が続くと、警察官としては安全確認の観点から、より慎重な対応を取らざるを得なくなるというのが、現場の正直なところです。
事件を未然に防ぐために…
職務質問は、声をかけられる側にとって不快に感じやすい活動ですし、実は警察官にとっても負担の大きい業務です。
それでも、事件を未然に防ぎ、社会の安全を守るために欠かせない手段でもあります。
少しでも不安や誤解を減らせるよう、警察官がどのような点を見て職務質問をおこなっているのかをお伝えしました。
本記事が、職務質問を受けた時の気持ちを整理する一助になれば幸いです。
[文・構成/りょうせい]