知らなかったでは済まない! ホテルの備品、持って帰っちゃダメなものは?
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ホテルでの滞在といえば、旅行の醍醐味の1つです。
ふかふかのベッドに、いつもより少し豪華なバスルーム、非日常の空間に、心がワクワクしますよね。
部屋にあるアメニティを見て、「このおしゃれなシャンプー、持って帰ってもいいのかな?」「使い捨てのスリッパはOKだと思うけど、このタオルは…?」と気になる人もいるでしょう。
SNSでも『ホテルの備品、どこまで持ち帰っていいか論争』がたびたび話題になります。その境界線は、一体どこにあるのでしょうか。
弁護士「判断基準は『宿泊料金に含まれているか』です」
ホテルの備品、持ち帰りの可否は、法的にどうなっているのか、大阪府大阪市で、まこと法律事務所を運営する北村真一弁護士にうかがいました。
――ホテルの備品、何を持ち帰ったら法的に問題になるのでしょうか?
まず、大前提として、ホテルにあるものはすべて『ホテルの所有物』です。これを無断で持ち去る行為は、『窃盗罪』にあたる可能性があります。
では、なぜ持ち帰ってもいいものがあるのかというと、歯ブラシやシャンプーなどの消耗品(アメニティ)が、宿泊客へのサービスとして宿泊料金の中に含まれていると解釈されるからです。
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――具体的に、持ち帰ってOKなモノとNGなモノを教えてください。
一般的には、以下のように分類できるでしょう。
【持ち帰りOKなモノ】(宿泊料金に含まれるサービス品)
・歯ブラシ、ヘアブラシ、カミソリ
・個包装のシャンプー、リンス、石鹸
・使い捨てのスリッパ
・お茶のパック、インスタントコーヒー
【持ち帰りNGなモノ】(ホテルの備品・所有物)
・タオル、バスタオル、バスローブ
・灰皿、カップ、グラス
・ドライヤー、テレビのリモコン、ハンガー
・備え付けのシャンプーボトル(ポンプ式のもの)
特に間違いやすいのが『タオル類』です。タオルは繰り返し洗濯して使う備品ですので、持ち帰ると窃盗罪に問われる可能性があります。
――ちなみに、スーパーマーケットのポリ袋や、飲食店のおしぼりはどうなりますか?
この『料金に含まれているサービス品か、お店の備品か』という考え方は、ホテル以外の場所でも応用できます。
例えば、スーパーマーケットのサッカー台にある小さなポリ袋は、肉や魚の汁漏れを防ぐためのサービスなので、その目的の範囲で使うのはOKです。
しかし、ロールごと大量に持ち帰るような行為は、窃盗と見なされる可能性があります。
また、飲食店のおしぼりも、使い捨ての紙製のものであれば持ち帰っても問題ありませんが、布製のおしぼりは、お店が専門業者から借りている『備品』であるため、持ち帰るとトラブルの原因になります。
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迷った時の、一番スマートな対応
とはいえ、ホテルによっては高級なアメニティが用意されていることもあり、判断に迷うケースもありますよね。
そんな時、一番確実で、スマートな対応は、『フロントに聞いてみること』です。
「このシャンプー、とても素敵ですね。持ち帰ってもいいのでしょうか?」と尋ねられて、不快に思うスタッフはいないはずです。
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法律で罰せられるから、という視点だけでなく、店やホテル側の立場になって少しだけ想像力を働かせる。
その小さな思いやりが、私たち利用客に求められる、一番大切なマナーなのかもしれませんね。
気持ちのいいサービスには、気持ちのいい利用の仕方で応える。そんな素敵な関係を、築いていきたいものです。
[文・取材/ことのは 構成/grape編集部]