issues

知らなかったでは済まない! ホテルの備品、持って帰っちゃダメなものは?

By - ことのは  公開:  更新:

Share Post LINE はてな コメント

ホテルのアメニティのイメージ

※写真はイメージ

北村真一の写真

弁護士

北村真一

まこと法律事務所 代表弁護士。

ホテルでの滞在といえば、旅行の醍醐味の1つです。

ふかふかのベッドに、いつもより少し豪華なバスルーム、非日常の空間に、心がワクワクしますよね。

部屋にあるアメニティを見て、「このおしゃれなシャンプー、持って帰ってもいいのかな?」「使い捨てのスリッパはOKだと思うけど、このタオルは…?」と気になる人もいるでしょう。

SNSでも『ホテルの備品、どこまで持ち帰っていいか論争』がたびたび話題になります。その境界線は、一体どこにあるのでしょうか。

弁護士「判断基準は『宿泊料金に含まれているか』です」

ホテルの備品、持ち帰りの可否は、法的にどうなっているのか、大阪府大阪市で、まこと法律事務所を運営する北村真一弁護士にうかがいました。

――ホテルの備品、何を持ち帰ったら法的に問題になるのでしょうか?

まず、大前提として、ホテルにあるものはすべて『ホテルの所有物』です。これを無断で持ち去る行為は、『窃盗罪』にあたる可能性があります。

では、なぜ持ち帰ってもいいものがあるのかというと、歯ブラシやシャンプーなどの消耗品(アメニティ)が、宿泊客へのサービスとして宿泊料金の中に含まれていると解釈されるからです。

ホテルのアメニティの写真

※写真はイメージ

――具体的に、持ち帰ってOKなモノとNGなモノを教えてください。

一般的には、以下のように分類できるでしょう。

【持ち帰りOKなモノ】(宿泊料金に含まれるサービス品)

・歯ブラシ、ヘアブラシ、カミソリ

・個包装のシャンプー、リンス、石鹸

・使い捨てのスリッパ

・お茶のパック、インスタントコーヒー

【持ち帰りNGなモノ】(ホテルの備品・所有物)

・タオル、バスタオル、バスローブ

・灰皿、カップ、グラス

・ドライヤー、テレビのリモコン、ハンガー

・備え付けのシャンプーボトル(ポンプ式のもの)

特に間違いやすいのが『タオル類』です。タオルは繰り返し洗濯して使う備品ですので、持ち帰ると窃盗罪に問われる可能性があります。

――ちなみに、スーパーマーケットのポリ袋や、飲食店のおしぼりはどうなりますか?

この『料金に含まれているサービス品か、お店の備品か』という考え方は、ホテル以外の場所でも応用できます。

例えば、スーパーマーケットのサッカー台にある小さなポリ袋は、肉や魚の汁漏れを防ぐためのサービスなので、その目的の範囲で使うのはOKです。

しかし、ロールごと大量に持ち帰るような行為は、窃盗と見なされる可能性があります。

また、飲食店のおしぼりも、使い捨ての紙製のものであれば持ち帰っても問題ありませんが、布製のおしぼりは、お店が専門業者から借りている『備品』であるため、持ち帰るとトラブルの原因になります。

サッカー台のポリ袋ロールの写真

※写真はイメージ

迷った時の、一番スマートな対応

とはいえ、ホテルによっては高級なアメニティが用意されていることもあり、判断に迷うケースもありますよね。

そんな時、一番確実で、スマートな対応は、『フロントに聞いてみること』です。

「このシャンプー、とても素敵ですね。持ち帰ってもいいのでしょうか?」と尋ねられて、不快に思うスタッフはいないはずです。

ホテルフロントのイメージ写真

※写真はイメージ

法律で罰せられるから、という視点だけでなく、店やホテル側の立場になって少しだけ想像力を働かせる。

その小さな思いやりが、私たち利用客に求められる、一番大切なマナーなのかもしれませんね。

気持ちのいいサービスには、気持ちのいい利用の仕方で応える。そんな素敵な関係を、築いていきたいものです。


[文・取材/ことのは 構成/grape編集部]

上司の長話に付き合わされる部下のイメージ

退勤後に「ちょっといい?」 上司との雑談は『残業』になる?本記事は、会社での雑談や朝礼など、無給が当たり前のグレーな時間について、社労士の見解を取材して聞いた記事です。

ナンバープレートにモザイクをかけるイメージ

車のナンバーは個人情報になる? モザイクを入れる理由を調べてみたら…本記事では車に取り付けられているナンバープレートについて、モザイクをかける意味を国土交通省に取材して聞いてみました。

Share Post LINE はてな コメント

page
top