issues

社労士「原則として自由ですが…」 仕事の休憩中、寝るのはあり?なし?

By - grape編集部  公開:  更新:

Share Post LINE はてな コメント

社労士監修記事

※写真はイメージ

朝から働く人にとって、午後の業務が始まるまでの休憩時間は、ほっとできる時間ではないでしょうか。

昼食をとるほか、午後の仕事に備えて少し仮眠を取ったり、スマホを使って気分転換をしたりする人も少なくありません。

ところが、そんな休憩時間の過ごし方をめぐって、「上司から注意された」という人もいるようです。

社労士「休憩時間の過ごし方は、原則として自由です」

そもそも、休憩時間の過ごし方に制限はあるのでしょうか。

大阪府茨木市で、社会保険労務士法人こころ社労士事務所を運営する、香川昌彦さんに話を聞いてみました。

――休憩時間に仮眠したり、ゲームをしたりするのは問題なのでしょうか。

労働基準法では『休憩時間は、労働者が労働から完全に解放されることを保障されている時間』と定められています。

つまり、原則として休憩時間中に何をするかは労働者の自由です。仮眠をとるのも、スマホでゲームをするのも、法的には何の問題もありません。

会社側が、休憩時間の過ごし方を不当に制限することは、むしろ法律違反になる可能性もあります。

職場で寝ている人の写真

※写真はイメージ

――では、なぜ叱られてしまうケースがあるのでしょうか。

『自由』にも一定の限度があるからです。具体的には、その行為が『周りの人や職場環境に悪影響を与えていないか』という点が、判断の分かれ目になります。

例えば、大きないびきで周囲の迷惑になったり、来客スペースを占領して寝転がったりする場合は、会社の施設管理や規律を乱す行為として注意を受ける可能性があります。

一方で「みっともない」「不真面目に見える」といった理由は、多くの場合は注意する側の個人的な価値観にすぎず、業務上の正当な理由とはいえません

――もし理不尽に注意された場合は、どうすればいいのでしょうか。

感情的に反論するのではなく、まずは冷静に「会社のルール(就業規則)として、休憩時間の過ごし方に決まりがあるのでしょうか?」と、客観的な根拠を確認してみましょう。

それでも納得できない注意が続く場合は、職場のコンプライアンス窓口や、信頼できる別の上司に相談してみるのも選択肢の1つです。

休憩時間を気持ちよく過ごすために

休憩時間を気持ちよく過ごすためには、その場にいる人たちへの思いやりが大切なのかもしれません。

SNS上では、昼休みに仮眠している同僚に対し、「いびきがうるさくて、気持ちが休まらない」との声や、「昼休みにスマホでゲームしていたら『働け!』と叱られた」という人の投稿も見られます。

スマホを見る男性の写真

※写真はイメージ

休憩時間は法律上『自由』とされていますが、その自由に甘えるのではなく、周囲への配慮を忘れないようにしたいものです。

また、管理する立場にある人も、個人の価値観で部下の行動を制限するのではなく、互いの過ごし方を尊重し合う姿勢が求められます。

休憩時間は、心と身体を休め、午後の仕事の活力を養うための大切な時間です。

お互いを尊重し合いながら、誰もが気持ちよく過ごせる職場環境を築いていきたいですね。

香川昌彦さんの顔写真

監修・取材協力 香川昌彦

社会保険労務士法人こころ社労士事務所 代表社会保険労務士
大阪府茨木市を拠点に、就業規則の整備や評価制度の構築、障害者雇用や同一労働同一賃金への対応などを通じて、労使がともに豊かになる職場づくりを力強くサポート。
ネットニュース監修や講演実績も豊富でありながら、SNSでは「#ラーメン社労士」として情報発信を行い、親しみやすさも兼ね備えた専門家として信頼を得ている。


[文・構成・取材/grape編集部]

社労士監修記事

「なんで電話に出ないんだ!」 休日の仕事の連絡、対応しなきゃいけない?【社労士解説】本記事では休日に仕事の連絡があった場合の従業員側の対応について、社労士監修のもと解説しています。

親子で買い物

弁護士が解説! 親子で買い物中、子供が商品を触ってしまったら…?本記事では、スーパーマーケットやコンビニエンスストアで子供が触ってしまった商品について、買取をしなければならないのか、弁護士に取材しました。

Share Post LINE はてな コメント

page
top