人生が変わる瞬間をつかまえる 新しい自分に出会う可能性が広がっていく
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吉元由美の『ひと・もの・こと』
作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。
たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。
人生が変わる瞬間をつかまえよう
生きていると、人生が変わる瞬間を何度か体験します。自分で舵をきる場合もあれば、思いがけず遭遇することもあります。
24歳のとき、サンミュージックのプロデューサーを紹介してもらい会いにいきました。その場でアイドルのアルバムの歌詞を2曲書くことが決まったとき、(ああ、人生はこんなふうに瞬間的に変わるのだ)と思いました。
広告代理店に勤めていた私が、作詞家へ一歩踏み出した瞬間でした。
人生は決して平坦ではなく、ひと色でもありません。常に変化をしているものです。そしてすべて自分の望むようになるわけでもありません。
波乗りをしているような、ジェットコースターに乗っているような。時には思いもかけない出来事に遭遇します。
そんな人生の流れの中で、どんなことがあっても自由意志を発揮することが大切です。
ただ流されるのではなく、ただ運を嘆くのではなく、その時々に自分にとって最善、最高を選びとっていくこと。困難なことの中に、自分を成長させる何かを見つけていくこと。
そこを意識していくと、意味のないことは起こらない、という境地に至るのです。
受験、就職、転職、転勤、結婚、出産、離婚……大きな節目になるような変化もあれば、日々の中での大きな気づきも変化をもたらすものです。
たとえば、多くの人に支えられていたことに気づき感謝があふれてくる瞬間、胸が震えるような感動を覚えた瞬間。そんな価値観が変わるような体験があるものです。
ただ、気づかずに通り過ぎてしまうことも多い。それではもったいないので、心を柔らかく、自分の感覚に意識を向けることが大切です。
片岡鶴太郎さんは今や画家としての活動にシフトされているように見受けられます。数年前に、絵を描くようになったきっかけについて伺いました。
絵を描いたこともなかった鶴太郎さんは、ある日隣の家の椿の花の美しさに衝撃を受けたそうです。車を降りたとき、目の前に椿が咲いていてあまりの美しさに動けなくなり、絵に描いてみたい、と思ったと。
まさに、この椿の花との出会いが鶴太郎さんの人生を変えたのです。正確に言えば、「絵に描いてみたい」という強い思いを行動に移したところから、画家としての人生が始まったと言えるのでしょう。
人生が変わる瞬間をつかまえる。そして、その瞬間、目の前に現れた扉を開ける。
日々の中にある小さな瞬間にも心を向けると、新しい自分に出会う可能性が広がっていくのです。
※記事中の写真はすべてイメージ
作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー
[文・構成/吉元由美]
吉元由美
作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。
⇒ 吉元由美オフィシャルサイト
⇒ 吉元由美Facebookページ
⇒ 単行本「大人の結婚」