「似合ってるね」っていわれると嬉しい!褒め合う習慣がつくる心地よいコミュニケーション
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先生「あの頃と同じ顔してるな」再会は時を超え、守られて育ったありがたさを思い出させてくれる吉元由美の『ひと・もの・こと』 作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。 たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会っ...

トレーナーに「何かスポーツしてたんですか?」といわれて頑張れる!素直に『褒め』を受け取ることの大切さ吉元由美の『ひと・もの・こと』 作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。 たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会っ...
吉元由美の『ひと・もの・こと』
作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。
たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。
褒められたらうれしいと、素直になろう
少し暑さが和らいだ日曜日。たまには外で朝食を取ろうと歩いていたときのことでした。
日曜日だからか、いつもは学生で賑わう大学のキャンパス沿いの道は人通りが少なく、散歩がてら歩くのには気持ちいい。
向こうから白い帽子を目深に被ったおばあさんが歩いてきました。
「あなた!」
すれ違いざまに突然呼び止められました。
「このお洋服、とても素敵よ。遠くから、赤かしら、ピンクかしら、と思っていたのだけど、オレンジ色だったのね。とてもよく似合ってるわ。お顔とも、似合ってるわ」
そう言っておばあさんは私の顔を見て、「でしょ?」とでも言うように微笑みました。
そのとき私が着ていた服というと、もう何年も着ているリネンの丈の長いワンピースで、色落ちもしているし、ヨレヨレで、近所とはいえ着ていってもいいかなあ、と迷ったような服でした。
そのおばあさんの笑顔は素敵で、薄いパープルのブラウスに、白のパンツをスカッと着こなしていました。
「おばさまのパープルのブラウスもとてもお似合いです」
「まあ、ありがとう。うれしいわ」
ほんの1分ほどのこと。久しぶりに褒められて、晴れやかな気持ちに。
少しのうれしさと、なんだか不思議な気持ちになった朝の出来事でした。
他人のことを素直に、さわやかに褒める。
この、さわやか、というところがポイントだと思います。
褒めたい気持ちを心のうち留めておくのもいいですが、言葉に出してみる。
するとその言葉は自分の方へも循環して返ってくる。
自分の言葉は自分へも響くのです。
褒められて嫌な気持ちになる人はいないでしょう。
褒めることも愛の表現ですから、お世辞ではなくお互いを称え合う人間関係がつながっていけば、穏やかな世の中になるのではないかなあと思ったりします。
ギスギスとした社会の一面はあったとしても、次々と与え合っていく『ギフト』の連なりは、ささやかな、だけど人々の心にあたたかさをもたらす草の根運動でもあるのです。
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※記事中の写真はすべてイメージ
[文/吉元由美 構成/grape編集部]