国内初の『経口中絶薬』費用が議論 「高すぎる!」「慎重にすべき」 By - grape編集部 公開:2023-04-26 更新:2023-04-26 妊娠薬 Share Post LINE はてな コメント ※写真はイメージ 生命の誕生は尊く、喜ばしいものとされています。しかし、中にはさまざまな事情で中絶を選択する人もいるのです。 厚生労働省によると、令和2年度の人工妊娠中絶手術数は、14万5千件以上。うち、20歳未満の手術は1万件を超えるのだとか。 2023年4月現在、日本では中絶を行う場合、主に掻爬(そうは)法と真空吸引法、電動吸引法という3種の人工妊娠中絶手術が行われています。 もっとも一般的な掻爬法は、金属の器具で子宮内容物を掻き出すというもの。吸引法と併用して身体への負担を軽減する場合もありますが、精神的な負担は大きいといいます。 そんな中、近年注目が集まっているのが、人工中絶のための飲み薬(通称:経口中絶薬)。日本では、ネットを中心に導入を求める運動が行われてきました。 『経口中絶薬』の費用にネットで賛否の声 同年2月、厚生労働省による経口中絶薬『メフィーゴパック』についての意見公募(パブリックコメント)が行われ、約1万2千件という想定以上の意見が寄せられました。 集まった意見を分析し、専門家が議論を重ねた結果、同年4月21日、厚生労働省の薬事分科会は製造販売の承認を了承。産経ニュースによると、1か月以内の承認を目指しているとのことです。 了承された『メフィーゴパック』は、妊娠継続に必要なホルモンの働きを抑えるもの。妊娠9週以下の人が対象であり、治験では服用後24時間以内に93%の中絶が確認されています。 当面は、安全に薬を使用するため、服用者の中絶が確認されるまで病院での待機が必須に。また、製薬会社と医療機関が都道府県医師会に報告を行うなど、管理を徹底する方針とのことです。 国内初の経口中絶薬が承認されることになり、ネットではパブリックコメントを寄せた人を中心に、喜ぶ声が続出。しかし、ある1点が議論を呼んでいます。 経口中絶薬の費用が10万円ほどに 議論になっているのは、経口中絶薬を使う際の費用。原則、保険適用外となる見込みであり、薬価5万円に診察料などを加えて10万円ほどになると予想されています。 前述したように、中絶にはさまざまな事情があります。10代未満の中絶経験者も多いため、経済的な事情で決断を下した人もいるでしょう。 費用が10万円という、現在の初期中絶手術とさして変わらない金額に、ネットからは「あまりにも高すぎるのではないか」という意見が上がっています。 【肯定的な声】 ・最初は慎重に導入すべきだと思う。今後、状況に合わせて変更していくのはどうか。 ・経口中絶薬が安価で手に入れられる状況は、正直いうと不安がある。副作用も軽くないし、気軽に服用できるのは危険ではないか。 ・困っている人の選択肢が増えるのはいいことだけど、保険適用や公費負担で安価にするのは賛成できない。 【否定的な声】 ・この価格では、経済的に苦しい人を救うことができない。トイレで産み落とす事件も少なくないのに。 ・避妊は100%ではない。避妊に失敗した若い人は、これまで通りに苦しむしかないのか? ・海外にはもっと安価で処方してもらえる国があるので、日本も保険適用や公費負担を進めていってほしい。 世界保健機関(通称:WHO)は、経口中絶薬を妊娠初期の安全な中絶方法として推奨。日本で主流の掻爬法に対しては、子宮を傷付ける恐れがあるとして「時代遅れである」と指摘しています。 少子高齢化が深刻な社会問題になっている現代日本ですが、多くの人が、母子の安全と幸せが尊重された社会を求めているでしょう。 経口中絶薬の承認は、安心して妊娠・出産できる社会への第1歩。今後、さまざまな意見を取り入れた上で、議論が進むことを祈るばかりです。 そして、予期せぬ妊娠そのものを減らすことも大切。身体の仕組みそのものだけでなく、人権についても学ぶ『包括(ほうかつ)的性教育』が社会全体に広まるといいですね。 [文・構成/grape編集部] 「このケーキどうなるの?」 廃棄間際のスイーツを…「これは知らなかった」飲食店で食品ロスの危機におちいっている商品を買って『レスキュー』することができる、食品ロス削減アプリの『TABETE』に出会った女性。実際にレスキューしてみた結果? 俳優・火野正平さんが逝去 腰痛の治療に励むも腰部骨折に火野正平さんが亡くなったことが分かりました。ご冥福をお祈りいたします。 出典 厚生労働省/産経ニュース Share Post LINE はてな コメント
生命の誕生は尊く、喜ばしいものとされています。しかし、中にはさまざまな事情で中絶を選択する人もいるのです。
厚生労働省によると、令和2年度の人工妊娠中絶手術数は、14万5千件以上。うち、20歳未満の手術は1万件を超えるのだとか。
2023年4月現在、日本では中絶を行う場合、主に掻爬(そうは)法と真空吸引法、電動吸引法という3種の人工妊娠中絶手術が行われています。
もっとも一般的な掻爬法は、金属の器具で子宮内容物を掻き出すというもの。吸引法と併用して身体への負担を軽減する場合もありますが、精神的な負担は大きいといいます。
そんな中、近年注目が集まっているのが、人工中絶のための飲み薬(通称:経口中絶薬)。日本では、ネットを中心に導入を求める運動が行われてきました。
『経口中絶薬』の費用にネットで賛否の声
同年2月、厚生労働省による経口中絶薬『メフィーゴパック』についての意見公募(パブリックコメント)が行われ、約1万2千件という想定以上の意見が寄せられました。
集まった意見を分析し、専門家が議論を重ねた結果、同年4月21日、厚生労働省の薬事分科会は製造販売の承認を了承。産経ニュースによると、1か月以内の承認を目指しているとのことです。
了承された『メフィーゴパック』は、妊娠継続に必要なホルモンの働きを抑えるもの。妊娠9週以下の人が対象であり、治験では服用後24時間以内に93%の中絶が確認されています。
当面は、安全に薬を使用するため、服用者の中絶が確認されるまで病院での待機が必須に。また、製薬会社と医療機関が都道府県医師会に報告を行うなど、管理を徹底する方針とのことです。
国内初の経口中絶薬が承認されることになり、ネットではパブリックコメントを寄せた人を中心に、喜ぶ声が続出。しかし、ある1点が議論を呼んでいます。
経口中絶薬の費用が10万円ほどに
議論になっているのは、経口中絶薬を使う際の費用。原則、保険適用外となる見込みであり、薬価5万円に診察料などを加えて10万円ほどになると予想されています。
前述したように、中絶にはさまざまな事情があります。10代未満の中絶経験者も多いため、経済的な事情で決断を下した人もいるでしょう。
費用が10万円という、現在の初期中絶手術とさして変わらない金額に、ネットからは「あまりにも高すぎるのではないか」という意見が上がっています。
【肯定的な声】
・最初は慎重に導入すべきだと思う。今後、状況に合わせて変更していくのはどうか。
・経口中絶薬が安価で手に入れられる状況は、正直いうと不安がある。副作用も軽くないし、気軽に服用できるのは危険ではないか。
・困っている人の選択肢が増えるのはいいことだけど、保険適用や公費負担で安価にするのは賛成できない。
【否定的な声】
・この価格では、経済的に苦しい人を救うことができない。トイレで産み落とす事件も少なくないのに。
・避妊は100%ではない。避妊に失敗した若い人は、これまで通りに苦しむしかないのか?
・海外にはもっと安価で処方してもらえる国があるので、日本も保険適用や公費負担を進めていってほしい。
世界保健機関(通称:WHO)は、経口中絶薬を妊娠初期の安全な中絶方法として推奨。日本で主流の掻爬法に対しては、子宮を傷付ける恐れがあるとして「時代遅れである」と指摘しています。
少子高齢化が深刻な社会問題になっている現代日本ですが、多くの人が、母子の安全と幸せが尊重された社会を求めているでしょう。
経口中絶薬の承認は、安心して妊娠・出産できる社会への第1歩。今後、さまざまな意見を取り入れた上で、議論が進むことを祈るばかりです。
そして、予期せぬ妊娠そのものを減らすことも大切。身体の仕組みそのものだけでなく、人権についても学ぶ『包括(ほうかつ)的性教育』が社会全体に広まるといいですね。
[文・構成/grape編集部]