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永野芽郁の『イメージと違う』という存在感 『キャスター』第2話

By - かな  公開:  更新:

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『キャスター』場面写真

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SNSを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、かな(@kanadorama)さん。

2025年4月スタートのテレビドラマ『キャスター』(TBS系)の見どころを連載していきます。以下、ネタバレが含まれます。

かなさんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。

そういえば大谷翔平選手の通訳だった水原一平被告の事件は、ちょうど一年くらい前だったと思いながらドラマ『キャスター』(TBS系)の2話を見ていた。

国民の期待を一身に負うアスリート、そしてアスリートの補助者、恋人あるいは配偶者。

当時の事件をそのままなぞったようなドラマの構図に、思いきったなと感心する。

トップアスリートの違法ギャンブルや、オンラインカジノの問題はいまだに現在進行形だ。

このドラマ、どうやら現実の事件をネタに描くのに一切躊躇はないらしい。

それでこそ日曜劇場。じっくりお手並み拝見といこう。

『キャスター』場面写真

低視聴率のニュース番組『ニュースゲート』に、テコ入れとして招集されたのは型破りなフリーランスのキャスター・進藤壮一(阿部寛)。

忖度の一切ない取材と強引な報道で、視聴率は取れるが『ニュースゲート』のスタッフチームを振り回す。

『キャスター』場面写真

中でも最も進藤に振り回されているのは総合演出を担当する崎久保華(永野芽郁)。

報道スタンスの違いで進藤と対立するが、彼女なりに社会正義に貢献しうる報道を実現するために日々奔走している。

『キャスター』場面写真

そして崎久保と行動を共にする新人AD・本橋悠介(道枝駿佑)。穏和で優秀、価値観はニュートラル。当世気質の優しい好青年で、ジャーナリストを志している。

官房長官の裏金疑惑の次に進藤が狙うのは、日本で行われている国際バレーボール大会に絡む違法カジノとエースの八百長疑惑。果たして進藤らは嘘と保身に隠された真実にたどり着けるのか。

『キャスター』場面写真

NHK連続テレビ小説、通称『朝ドラ』のヒロインと日曜劇場は相性がいい。

朝ドラヒロインの清楚な印象が日曜劇場の作風にマッチするのか、ヒロイン経験者が主人公の娘の役で登場したり、サポートする立場で登場する機会は多い。

当然、今作もそういう流れかと思いきや、永野芽郁が演じる崎久保は案外と陰気なのである。どう見ても愛娘とか、癒し枠とかそういう話ではないのだ。

『キャスター』場面写真

見た目は華奢だが、常に淡々と無表情でほとんど笑わない。強面ではないけれど、媚びは欠片もない。仕事が出来そうだな、というタフなオーラが漂っている。

この感じ、映画『マイ・ブロークン・マリコ』(2022年)の永野芽郁だ。

ヘビースモーカーで、親友の女の遺骨を抱いて、逃避行に出たやさぐれ女を演じた永野芽郁だ。

そもそも永野芽郁は『イメージとなんか違う』を表現できる俳優である。

『キャスター』場面写真

綿菓子のような甘く優しい声と、いつも何かを問いかけているような瞳、華奢な身体というフェミニンな外見を持ちながら、プライベートではハーレーダビッドソンにまたがり、ストレス発散にドラムを叩く魂を持つ骨太な青年男子だ。

未だに忘れがたいのが、永野芽郁が朝ドラ『半分、青い。』の撮影が終了した頃に、インタビューで「この仕事の後は引退してもいいと思っている」と語ったことである。このことは後日バラエティ番組でも語っている。

『半分、青い。』での楡野鈴愛役の演技は実に鮮烈で、その喜怒哀楽にはどう見ても新人の初々しさを超越した強烈な引力があった。だからこそ、もう引退してもいいという言葉に一体何の間違いかと仰天したものである。

その頃から「なんかイメージと違うぞ!」という存在だったが、幸いにも彼女は引退せず、今でも私たちは永野芽郁の演技を堪能することが出来る。

きっと今作でも、私たちの予想のさらに上をいく「イメージと違う!」という演技を、名優・阿部寛と丁々発止に繰り広げてくれるに違いない。

『キャスター』場面写真

初回ではそれぞれの個性が曖昧だったニュースゲートチームの面々も、次第におのおのがどんな人物なのかの輪郭が現れつつある。

チームの中で対立したり、不信感を抱いたり混乱しつつも、生放送の報道という圧倒的な流れに押されて、最終的には番組が成立していく様子が何とも面白い。

人々の非日常を伝えるのが日常という、一癖ありそうな彼らの群像劇もこれから楽しみだ。

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[文・構成/grape編集部]

かな

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