『リポスト』も罪になるって本当? 弁護士が語るSNSの怖い現実 By - ことのは 公開:2025-11-12 更新:2025-11-21 SNSマナー専門家監修弁護士法律 Share Post LINE はてな コメント ※写真はイメージ SNSを見ていると、気になる投稿を『リポスト』したり、『シェア』したりすることがあるでしょう。 共感した言葉や、ためになる情報を広めるのは、今ではすっかり日常の光景になりました。 しかし、その行動が思わぬトラブルを招くこともあります。 SNSで気軽に拡散できる時代だからこそ、そのひと押しに注意が必要なのかもしれません。 「知らなかった」では済まされない拡散のリスク では、どんな場合にリポストがトラブルになるのでしょうか。 また、法的に責任を問われる可能性もあるのでしょうか。 東京都にあるアトム法律事務所新宿支部の松井浩一郎弁護士に話を聞いてみました。 ※写真はイメージ ――リポストしただけで責任を問われることはありますか? リポストによって情報が拡散された結果として、その人の社会的な評価を低下させてしまった場合、名誉毀損が成立する可能性があります。 実際に、2020年の大阪高裁の判断においては、リポストによる名誉毀損が認められています。 ――賛同の意図がなくてリポストした場合も違法になりますか? 違法になるかは、判断が難しいところです。 リポストが単なる情報の共有なのか、それとも内容に賛同しているのかを見極めるのは簡単ではありません。 ただし、その人の過去の投稿などから賛同の意図があると推測される場合には、『意思を持って拡散した』と認定されやすくなるでしょう。 少しだけ立ち止まってみよう リポストはSNS上でのちょっとした感動を伝えたり、便利な情報を共有したりするための身近な機能です。 フォロワーとのつながりを感じられる、大切な機能でもありますよね。 しかし、ただ情報を広めただけのつもりが、誰かを傷つけてしまい、場合によっては法的責任を問われる可能性があることが分かりました。 ※写真はイメージ 悪意がなくても、投稿の内容やタイミング、コメントのひと言で見る人の受け取り方が変わるのがSNSの難しさです。 「これ面白い」「みんなにも知ってほしい」という気持ちで投稿を拡散する前に、少しだけ立ち止まってみてください。 その行為が誰かを不快にさせないか、誤った情報ではないかを確認するだけで、多くのトラブルは防げるでしょう。 気軽に使えるSNSだからこそ、思いやりを持って行動したいですね。 [文・取材/ことのは 構成/grape編集部] 監修・取材協力 松井浩一郎 ニューヨーク大学卒業、東京大学法科大学院修了。刑事事件・交通事故対応を専門とする。 法律関連の発信もする弁護士として、日本テレビ「DayDay.」「行列のできる相談所」、フジテレビ「めざまし8」「Live News イット!」、テレビ朝日「グッド!モーニング」など、メディア出演も多数。 HP⇒アトム法律事務所新宿支部 退勤後に「ちょっといい?」 上司との雑談は『残業』になる?本記事は、会社での雑談や朝礼など、無給が当たり前のグレーな時間について、社労士の見解を取材して聞いた記事です。 車のナンバーは個人情報になる? モザイクを入れる理由を調べてみたら…本記事では車に取り付けられているナンバープレートについて、モザイクをかける意味を国土交通省に取材して聞いてみました。 Share Post LINE はてな コメント
SNSを見ていると、気になる投稿を『リポスト』したり、『シェア』したりすることがあるでしょう。
共感した言葉や、ためになる情報を広めるのは、今ではすっかり日常の光景になりました。
しかし、その行動が思わぬトラブルを招くこともあります。
SNSで気軽に拡散できる時代だからこそ、そのひと押しに注意が必要なのかもしれません。
「知らなかった」では済まされない拡散のリスク
では、どんな場合にリポストがトラブルになるのでしょうか。
また、法的に責任を問われる可能性もあるのでしょうか。
東京都にあるアトム法律事務所新宿支部の松井浩一郎弁護士に話を聞いてみました。
※写真はイメージ
――リポストしただけで責任を問われることはありますか?
リポストによって情報が拡散された結果として、その人の社会的な評価を低下させてしまった場合、名誉毀損が成立する可能性があります。
実際に、2020年の大阪高裁の判断においては、リポストによる名誉毀損が認められています。
――賛同の意図がなくてリポストした場合も違法になりますか?
違法になるかは、判断が難しいところです。
リポストが単なる情報の共有なのか、それとも内容に賛同しているのかを見極めるのは簡単ではありません。
ただし、その人の過去の投稿などから賛同の意図があると推測される場合には、『意思を持って拡散した』と認定されやすくなるでしょう。
少しだけ立ち止まってみよう
リポストはSNS上でのちょっとした感動を伝えたり、便利な情報を共有したりするための身近な機能です。
フォロワーとのつながりを感じられる、大切な機能でもありますよね。
しかし、ただ情報を広めただけのつもりが、誰かを傷つけてしまい、場合によっては法的責任を問われる可能性があることが分かりました。
※写真はイメージ
悪意がなくても、投稿の内容やタイミング、コメントのひと言で見る人の受け取り方が変わるのがSNSの難しさです。
「これ面白い」「みんなにも知ってほしい」という気持ちで投稿を拡散する前に、少しだけ立ち止まってみてください。
その行為が誰かを不快にさせないか、誤った情報ではないかを確認するだけで、多くのトラブルは防げるでしょう。
気軽に使えるSNSだからこそ、思いやりを持って行動したいですね。
[文・取材/ことのは 構成/grape編集部]
監修・取材協力 松井浩一郎
ニューヨーク大学卒業、東京大学法科大学院修了。刑事事件・交通事故対応を専門とする。
法律関連の発信もする弁護士として、日本テレビ「DayDay.」「行列のできる相談所」、フジテレビ「めざまし8」「Live News イット!」、テレビ朝日「グッド!モーニング」など、メディア出演も多数。
HP⇒アトム法律事務所新宿支部