【考察】有馬記念の結末が…! ホープ敗北で揺れる恋・親子・会社の行方『ザ・ロイヤルファミリー』第6話
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恋に落ちる大泉洋はどうしてこんなにも魅力的なんだ… 『ちょっとだけエスパー』第4話ドラマ『ちょっとだけエスパー』第4話を考察。人を愛してはいけないというルールの中で、文太と四季の間に芽生える「抗いがたい恋」に注目。「恋に落ちる大泉洋」の魅力を深掘りします。

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SNSを中心に注目ドラマの感想を独自の視点でつづり人気を博している、イラストレーターの渡辺裕子(@satohi11)さん。
2025年10月スタートのテレビドラマ『ザ・ロイヤルファミリー』(TBSテレビ)の見どころを連載していきます。以下、ネタバレが含まれます。
渡辺裕子さんがこれまでに書いたコラムは、こちらから読めます。
日本ダービーで惜しくも2着だったロイヤルホープは、その後もなかなか勝てない。
あと一歩というところで負けるホープに、なんとか一勝してもらいたいと応援するファンが増え続けていた。
そんな中、山王耕造社長(佐藤浩市)は、ホープと自分は一年後の有馬記念で引退すると栗須(妻夫木聡)に告げる。
社長の座を息子の優太郎(小泉孝太郎)に譲り、もう新しい馬も持たないと言う耕造に、「まだ早い」と説得しようとする栗須だったが、がんが見つかったことを打ち明けられる。
耕造の発案で海外のレースに出たホープは見事に優勝。
それをきっかけに順調に調子をあげていくが、耕造の病状は悪くなっている。
耕造の心残りは、援助を受けようとしない隠し子・耕一(目黒蓮)のこと。
栗須は何度も耕一に会いに行くが、耕一は頑なに耕造との面会を拒む。
2018年年末、みんなの夢を乗せて、ホープは最後の有馬記念に挑むが……。
様々な人の思いをのせるロイヤルホープ
「もしもさ、もしもだよ、有馬でホープが勝ったらさ、結婚してもらえないかな」
とうとう加奈子にプロポーズした栗須。大人の恋…と思ったら加奈子は、「やだそんなの」と一蹴。
「自分の幸せも、馬の勝ち負け次第ってこと?いやだよ。私の人生くらい私に決めさせて」
言われてみたらそれはそうだ。なぜ大事な人生の分岐点を、馬に任せてしまうんだ、栗須。
それに対しての加奈子の返事は、これまですべてを自分で選んで生きてきた彼女らしい。
そして、実はプロポーズを断っているわけではないところもすてき。
本心は絵馬に書かれた『英治と幸せでいられますように』…なのに栗須は絵馬に『山王耕造の復活』なんて書いてしまう。
この、女心がわからないところが本当に栗須らしい。
そして「有馬で勝ったら結婚させてください」と、同じくホープの有馬記念に人生を賭けてしまう男がもうひとり。
ジョッキーの隆二郎(高杉真宙)と耕造の娘・百合子(関水渚)、気が強いふたりは会うたびに言い合いになっていて、なんだか似たもの同士だなと思っていたら、結婚を考えるところまで進んでいたとは。
それにしてもホープは、いろんな人の人生とか夢とかを勝手に乗せられて、大変。
泣き虫の栗須は毎回ドラマのどこかで、時に複数回涙を見せるが、今回いちばん美しかったのは、早朝の中山競馬場で手をあわせるシーンの涙だった。
自分を競馬の世界に引き入れてくれた耕造に報いようと、親子対面の場を設けたが、耕造は病に倒れ、父を拒む耕一はやはり来ない。
ホープの引退が決まり、競馬事業部はなくなる。
どうにもならない状況で、涙を浮かべて朝日にただ祈るしかない栗須だけれど、彼が見つめるオレンジ色に染まる芝のなんと美しいこと。
「大事な話をするなら早朝の競馬場で」と言っていた耕造を、もう一度ここに連れてくることができるのだろうか。
ホープと同じく、有馬記念で引退するヴァルシャーレとイマジンドラゴン。
毎回、タイトルと一緒に馬が映されるが、ロイヤルヒューマン社が所有している『主役』な馬だけでなく、ライバル的立場の彼らもそこで紹介されるのが、『馬はみんな、競馬場で一緒に走る仲間』というメッセージな気がして、好きだ。
そして馬を「あの子たち」と愛おしそうに呼ぶ、椎名社長(沢村一樹)。
彼も、ロイヤルチームのライバルなのだが、単純な悪役にはせず、やはり馬を愛する仲間として描いているところも、とてもいい。
ふりしきる雨の中、3頭は力の限り走って並んでゴールイン。ホープは、最後の有馬でも勝てなかった。けれどその懸命に走る姿は、多くのファンの心と、耕一の心までも動かした。
次週、とうとう耕造と耕一が対面。予告では、また一波乱ありそうな雰囲気。
それにしても耕造、ドラマで時間が進むにつれ白髪にもなって、どんどん顔色が悪くなり弱っていくような印象だったので、ホープが負けた瞬間の気が抜けた表情を見て、もしかしてここで…と思っていた。
すると本人から、怒りの電話が栗須に。
「お前なんだよあのメールは、俺がまるで死ぬみたいじゃないかよ。ここ最近お前、俺が死ぬ前提で話、してないか?」
栗須だけじゃなく、視聴者もみんなそう思っていたのでは。
まだまだやる気たっぷりで全然死ぬ気がない耕造から、栗須と一緒に叱られて、すみません…と思いつつうれしくて笑ってしまった。
ホープは有馬で勝てなかったけれど、その子供なら、もしかしたら。
またここから耕造のチームは勝つための挑戦を始めそう。
そして、大学の競馬研究会にいた耕一が、もしこのチームに加わったら、また新しい戦力になりそうな気がするのだが。
耕造の息子の力を加えて、ホープの子どもを勝たせる。そんな未来がちょっと見えてきた。
しかし栗須の「ホープが勝ったら結婚」という申し出を、加奈子が断ってくれていて、逆にこれは助かったのでは。
そして負けてしまった隆二郎は、あのあと結婚を許されたのか、気になる…。
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[文/渡辺裕子 構成/grape編集部]
渡辺裕子
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