気難しい爺猫とひとりぼっちのアライグマの子 その出会いと悲しい別れは子を大人へ成長させた
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種族を超えた友情というものを信じますか?
ある日、やせ細った状態で保護された子どものアライグマ。親とはぐれてしまったのでしょうか、発見当時1匹で小さく震えていたそうです。
そんなアライグマを、近くで見守り続けたのは、1匹の年老いた猫でした。
猫の名は、ジジ。アメリカのカンザス州で暮らすヘイリー・ウィリアムズさん宅の納屋で暮らしていた猫です。
彼女の家にはジジ以外にもたくさんの猫が暮らしていましたが、ジジは気難しい性格で他の猫とケンカばかり…。
結局、家とは少し離れた納屋で暮らしていたのでした。でも、自由気ままな納屋暮らしがジジは気に入っていたそうです。
ジジとアライグマの出会い
ある日、ヘイリーさんが車で移動中に、道路脇で1匹の子どものアライグマを見つけます。
あたりには親の姿はなく、小さくやせ細ったアライグラムの子どもを放っておくことはできませんでした。
しかし、野生の動物は動物病院では診れません。また、野生動物の保護センターも近くになく、彼女はそのまま自宅で保護することに決めます。
アライグマは『ウィンストン』と名付けられ、ヘイリーさん家族全員に面倒を見てもらいながら、徐々に回復していきました。
すっかり元気になったウィンストン。ヘイリーさんは、ウィンストンを野生に戻すための準備を始めます。
そこで、納屋と野外を行ったり来たりしているジジとウィンストンを一緒に行動させることを思いついたのです。
「外の世界を知っているジジと一緒にいれば、ウィンストンも野生になれてくれるかもしれない!」と期待したのです。
ウィンストンの印象は…?
ただ、一つだけ心配なことがありました。それは、ジジの気難しさ…。
他の猫とうまくいかないジジが、ウィンストンを受け入れてくれるのか…?また拒絶してしまうのではないかと心配だったのです。
いざ対面の時。
ウィンストンを会わせてみると、案の定ちょっかいを仕掛けるジジ。ウィンストンの頭を3発ほど叩いたのです。
しかし、ウィンストンはその場から逃げず、威嚇することもありませんでした。その姿をみたジジは、ぴたっと攻撃を止めます。
ウィンストンは敵ではないと感じたジジは、なんとウィンストンを受け入れたのです。
それからというもの、大の仲良しとなった2匹。
植木鉢で昼寝をする時も、家の周りを散歩するときも常に一緒でした。そんな2匹のお気に入りの場所は、ヘイリーさんの膝の上。
ヘイリーさんが学校から戻ると、2匹は彼女に近づいてきて、一緒にのんびりするようになりました。
2匹から、友情以上のものを感じたヘイリーさん。まるで家族のようにも見えたそうです。
突然の別れ
穏やかな毎日を過ごしていた2匹ですが、別れは突然やってきました。
ウィンストンが保護された時点でだいぶ年がいっていたジジが、老衰のため、天国へ旅立ってしまいました。
当時のことを、ヘイリーさんはこう語っています。
「私たち家族も悲しかったけど、一番悲しかったのはウィンストンだと思う。何ヶ月も落ち込んでいる様子だったの」
別れの時にはすっかり大人のアライグマとなっていたウィンストン。その後、野生へ戻っていきました。
しかしその後…!
ウィンストンが森へ帰ってから数ヶ月後のこと。なんと庭にウィンストンが現れたのです。
それからというもの、亡くなったジジの姿を探し求めるかのように、ウィンストンは月に1度は姿を表すようになりました。
たとえ森に帰ったとして、母親のようにいつも側にいてくれたジジの存在が、ウィストンの心の中から消えることはありません。
また、ジジにとってもウィンストンはかけがえのない存在だったはず。たとえ少しの間でも、初めてできた友達と過ごした時間は、幸せだったことでしょう。
種族を超えた愛を感じさせる2匹。
これからも、ウィンストンはこの場所を訪れ続けることでしょう。2匹の思い出がたくさん残っているこの場所へ…。