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音大首席卒業から、失明宣告へ そんな暗闇から救い出してくれた存在がいた

By - grape編集部  公開:  更新:

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音大首席卒業、そして失明宣告…

トロンボーン奏者として活躍中の鈴木加奈子さん。生まれつき視覚にハンディがあった加奈子さんは中学時代にトロンボーンに出会い、その音色に魅了され、高校卒業後は音大に進学しました。

猛練習の甲斐あって加奈子さんは音大を首席で卒業。しかし喜びも束の間、加奈子さんは卒業後間もなく完全に失明し、わずかに残っていた視力も失ってしまったのです。

失意の底にいた加奈子さんの希望は「盲導犬と暮らすこと」。しかし日本では盲導犬の数が足りず、加奈子さんに盲導犬・ナンシーが貸与されたのは失明後3年近く経ってからのことでした。

「対面の瞬間、ナンシーとの相性がバッチリだとすぐにわかりました。その直感通りナンシーは私にとって最高のパートナーでした。ナンシーは私を暗闇から再び明るい世界へと救い出してくれたのです」

頬に風を感じながら歩ける喜び!

ナンシーと暮らし始めて、加奈子さんの生活は激変しました。

「それまでは、どこに行くにも誰かについてきてもらう必要があったので、何か明確な目的があるときにしか外出をしないようにしていました。でも、ナンシーと一緒なら、特別な目的がなくても、ふらりと近所を散歩できるのが本当に嬉しくて…。忘れていた『歩く喜び』がみるみるうちに甦ってきました」

ナンシーは、音楽家としての加奈子さんにも大きな変化をもたらしました。

「周囲の方から『演奏やトークに余裕が出てきたね』と言われるようになりました。ナンシーが一緒にいてくれるという安心感が余裕につながっているのかもしれません」

加奈子さんとナンシーは、日本全国どこにでも公共交通機関を乗り継いで出かけていきました。

カナコ+アリエル=夢を「カナエル」コンビ!

2016年、加奈子さんはナンシーとの約7年半の生活を終え、2代目の盲導犬・アリエルとの新生活をスタートさせました。盲導犬は10歳で引退することが決まっており、ナンシーも引退してボランティアの家庭で余生を送ることになったのです。

「ナンシーとの別れはつらかったですが、すぐにアリエルと新生活が始まったおかげで、気持ちを前向きに切り替えることができました」

と語る加奈子さんは、すでにアリエルと一緒に日本各地に出かけ、精力的に演奏活動を続けています。

「盲導犬と出会えた私は本当に恵まれています」と話す加奈子さん。

「この幸運を活かして、もっともっといろんなことに挑戦するのが今の私の目標です。なにせ、私・カナコとアリエルは「カナエル」コンビですから(笑)、どんな夢でも叶えられるはず。そんな私たちの姿を通じて、盲導犬についてもっと多くの人に知ってもらい、盲導犬育成への支援の輪が広がるといいなと思っています」

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出典
ニッポン放送 ミュージックソン

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