「世界中の人が贈りものを与え合うようになったら…」続く言葉に子どもたちは?
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吉元由美の『ひと・もの・こと』
作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。
たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。
HAPINESSという贈りもの
世界中の人が贈りものを与え合うようになったら、どんな世界になると思う? 先日、小学生から高校生までの子どもたちに講演した際に投げかけた質問です。その子どもたちは、いろいろな事情で親と離れ、児童養護施設で生活する子どもたち。経営コンサルタント、作家であるジェームズ・スキナー氏の発案で、そのような子どもたちをディズニーランドに招待する『大人サンタ』のチャリティイベントで登壇したときのことです。
「1日、ディズニーランドで遊んで楽しかった。それはディズニーランドからの贈りもの。贈りものをすることは、損をすることではない。楽しんでほしいな、という心はスタッフやキャクターたちからの贈りもの。だから、みんなに楽しんでもらえると、ディズニーランドの人たちはうれしいのです。それは、みんなが贈りものをおくったことです」
「世界中の人が贈りものを与え合うようになったら、世界は愛と感謝であふれる。贈り物は、目に見えるものばかりではありません。みんなはそんな時代を創る担い手です」
こんな話をしました。
子どもたちの年齢の幅もあり、どんな内容、どんな話し方にすればいいか考えました。心の片隅で、事情を抱えている子どもたちがどう受け止めるのか、気になっている私がいました。しかし壇上に立ったときに内側からあふれてくるエネルギーを感じたのです。そのままエネルギーのままに話を進めていきました。そんなエネルギーが湧いてきたのは、子どもたちの無垢なエネルギーが私に向けられていたからかもしれません。
これも贈りものの交換です。与えたら、与えられる。日常の中で、与えること、与えられていることについて意識することはないでしょう。与えることによって脳では快感物質が分泌されると言います。最初の命を創った何ものか…something greatがそのようにプログラムしたのです。つまり、人間は利他の精神を発揮しているとき快感を覚える。この機能は、利他的であってほしいというsomething greatの願いでもあります。
子どもたちに伝えたかったのは、私たちは生命の機能として完璧な存在であること、命は愛と感謝を与え合うことで喜び、輝くこと。では具体的に、毎日の中でどう実践したらいいのか。それは、心をこめた言葉を使うこと。言葉も贈りもの。手渡すように伝えていってほしい、と最後に話しました。
「人はHAPPINESSを感じるところに集まる」
東京ディズニーランドの誘致に貢献した堀貞一郎氏の言葉です。HAPPINESSの要件はいくつかありますが、提供する側にHAPPINESSがなければ、要件を満たしてもうまくいかないでしょう。人間関係をうまくできるようになりたいと思えば、自分がHAPPYであること。仕事も家族のことも、ここが基本なのです。次の時代を担う子どもたちだけではない、少し疲れ気味の大人たちもささやかなことを喜べる豊かさを持つこと。講演の最後は、自分へのメッセージにもなりました。
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作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー
[文・構成/吉元由美]
吉元由美
作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。
⇒ 吉元由美オフィシャルサイト
⇒ 吉元由美Facebookページ
⇒ 単行本「大人の結婚」