「一生分買いだめした」 世界の数学者たちをとりこにしている、ある日本製品とは
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ダイソーのイヤホンを見た客 配色に既視感をおぼえたワケに「全く同じことを考えた」メメタァ(@memetaa_kaeru)さんが、『ダイソー』に足を運んだ時のこと。ふと目に飛び込んできたワイヤレスイヤホンのカラーリングに、既視感をおぼえたといいます。何に似ていたのかは、メメタァさんのつづったコメントとともに、答え合わせをしてみてください!
6年間、撮影した写真を1枚にすると? 光景に「泣いた」「鳥肌が立った」絵本の1ページのような家族写真を撮り続けている、Masaya(@88Masaya)さん。息子さんが生まれた2019年から毎年、ある場所で家族写真を撮影しているといいます。
自動車や電化製品など、世界の国々で優れた品質を高く評価されている日本製品はたくさんあります。
そんな数ある日本製品の中で、アメリカの名だたる数学者たちがこよなく愛するものがあることをご存じでしょうか。
・「これはチョーク界のロールスロイスだ」
(コーネル大学、マイク・スティルマン数学教授)
・「このチョークの特別な原料は『天使の涙』じゃないかと思ってるよ」
(ワシントン大学、マックス・ライブリッチ数学教授)
・「このチョークにまつわる説明に誤った定理を当てはめることは不可能だね」
(カリフォルニア大学バークリー校、デイヴィッド・アイゼンバッド数学教授)
数学者たちが絶賛する日本製品とは『チョーク』。
そしてそれはただの日本製のチョークではありません。
彼らが『最高のチョーク』と称賛するのは、日本の羽衣文具が製造した『ハゴロモ・フルタッチ・チョーク』です。
※写真はイメージ
数学者たちが『チョーク危機』に陥る
2019年5月、海外メディア『Great Big Story』に『Why the World’s Best Mathematicians Are Hoarding Chalk(なぜ世界最高の数学者たちがチョークを買いだめしているのか)』という動画が紹介されました。
その中で数学者たちが熱く語っているのが『ハゴロモ・フルタッチ・チョーク』の魅力。
愛知県に本社を置く『羽衣文具』はチョークのトップブランド『羽衣チョーク』で知られた、文房具メーカーです。
炭酸カルシウムを主原料とする『羽衣チョーク』は日本国内外問わずその優れた品質が高く評価されてきましたが、後継者不在を理由に2015年に自主廃業したのです。
羽衣文具がなくなったら、もう『羽衣チョーク』が買えなくなってしまう!
羽衣文具の廃業のニュースを聞いた数学者たちはそんな危機感に陥ります。そして『羽衣チョーク』を大量に買い占めたのです。
スタンフォード大学のブライアン・コンラッド数学教授は「約4年前に羽衣文具が廃業するという知らせを聞いた時は、『チョーク・アポカリプス』なんて冗談をいっていたよ。そしてすぐさま買えるだけのチョークを買い置きし始めたんだ」と振り返ります。
動画に登場している数学者たちは10年先や15年先までに何本のチョークが必要かを計算し、『羽衣チョーク』を一生分に足りるほど買いだめしたということです。
『羽衣チョーク』は何がそんなに素晴らしいのか
『ハゴロモ・フルタッチ・チョーク』の何がそんなに数学者たちを魅了しているのでしょうか。
彼らが声をそろえるのはその書き心地の素晴らしさ。
・「使ってみて驚いたよ。どのチョークよりも濃密で、消す時もきれいに消えて、とてもいい線が引けるんだ」
(コロンビア大学、デーヴ・べイヤー数学教授)
・「質の悪いチョークだと力を入れないと誰もが見えるような線が書けないけど、ハゴロモのチョークを使うとがんばって書いている感じがしないの」
(ミシガン大学、ウェイ・ホー数学教授)
・「ハゴロモチョークで生徒に教えている時、私はエネルギーや自信を感じるんだ。絶対にチョークのおかげだよ」
(コーネル大学、マイク・スティルマン数学教授)
※写真はイメージ
羽衣チョークの技術が韓国の会社へ売り渡される
羽衣文具は2015年3月に製品の生産と販売を終了しましたが、同じ年の6月に『HAGOROMO』ブランドや製造技術などが韓国の会社に譲渡されました。現在はその会社で『羽衣チョーク』などの製造販売が行われています。
これからも『羽衣チョーク』が手に入ることになり、ほっとした人も多いのではないでしょうか。
世界の数学者たちをとりこにしている『羽衣チョーク』。
日本の技術が生み出した世界に誇る傑作は、これからも長きに渡り愛され続けていくことでしょう。
[文・構成/grape編集部]