スマホの恐怖を描く『スマホを落としただけなのに』 著者・志駕晃にインタビュー
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大倉忠義「何かが間違っている」 飲食店に嘆きコメント、同情の声アイドルグループ『SUPER EIGHT(スーパーエイト)』の大倉忠義さんが、2024年11月15日にXを更新。焼き鳥店に行きづらい、嘆きの投稿に同情の声が集まりました。
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日常生活でなくてはならない存在となったスマートフォン(以下、スマホ)。
簡単にコミュニケーションを取れたりネット検索ができたり便利なアイテムですが、使い方を間違えると危険なモノになりかねません。
知らない間にスマホが乗っ取られて、誰かに監視されていたら…誰もが「怖い」と思うでしょう。
2018年11月に映画化され話題となった、志駕晃さんの著作『スマホを落としただけなのに』。
さらにスケールアップした続編『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』の映画が2020年2月21日に公開されます。
(C)2020映画「スマホを落としただけなのに2」製作委員会
原作『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』
本書には、前回の事件の犯人が再登場。逮捕後、犯人のパソコンのハードディスクに『ある情報』が残っていないかどうかを、新たな主人公・桐野良一が調べるシーンから始まります。
【あらすじ】
神奈川県警に務める、警察官の桐野良一。彼は、前回の事件に残された謎を追っていた。
すると、事件の背後に悪意を持ってハッキングをする『クラッカー』たちのカリスマ的存在・Mの姿が浮かび上がる。桐野は、Mのことをよく知っている犯人に取引を持ち掛け、Mを捕えようとワナを張った。
しかし、Mの怒りを買ったことで、桐野の恋人に危険が迫る!
セキュリティ関係に詳しい主人公は、Mと対決するにあたってスマホの乗っ取りや、誰かに成りすましたメールなどの対策をしていました。
しかし、どの対策もMに次々と突破されてしまいます。
Mの策略によって首都圏が大混乱に陥る中、主人公ができることとは…。
著者・志駕晃さんにインタビュー 成田凌との撮影現場の秘話も
映画の撮影現場にも足を運んだという志駕さん。作品が生まれるきっかけから撮影裏話まで、さまざまなエピソードを明かしてくれました。
本を執筆するきっかけ
ニッポン放送で、さまざまなラジオ番組を制作しているかたわら作家デビューを果たした志駕さん。
デビューのきっかけは2017年に行われた第15回『このミステリーがすごい!』大賞(以下、『このミス』)でした。
志駕さんは、最初から『このミス』に応募するつもりで作品を執筆していたといいます。志駕さんが本を書くようになったきっかけはなんだったのでしょうか。
―本を書くきっかけは?
もともと文章を書くのが苦手ではなかったんです。48歳の時に書き始めて、5か月ぐらいで1作書き上げて…。
漫画とかも描いていたので、アイディア自体はよく出てきました。書く作業とか、長編にするテクニックとかが分かれば、そこまで難しいことではありませんでした。
幼い頃から小説が好きだったという志駕さん。アイディアを出すことは得意だったようです。
大ヒットシリーズを書く中で、「1番のライバルはほかの小説家ではなくスマホだ」と感じていたとのこと。
そんな志駕さんが本を書く上で、『譲れないもの』とは…。
―心得や譲れないものは。
『今を切り取ること』ですね。
仮装通貨やオレオレ詐欺など『いま起きていること』を小説に落とし込みました。第3弾は現在よりも先の未来を切り取っていますが…。
あとはとにかく『展開を速くする』っていうことです。
なるべく一気読みできるような構成にして、情報をいっぱい詰め込んでとにかく「読む人を飽きさせないようにしたい」っていうのがこだわりです。
今回、映画化となる『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』は、2018年1月に起きた『580億円の仮装通貨の流出事件』が執筆期間に重なり、作品に取り込んでいました。
また、2020年1月9日に発売した第3弾となる『スマホを落としただけなのに 戦慄するメガロポリス』は、北朝鮮と東京オリンピックの会場を舞台とした物語となっています。
題材にスマホを選んだ理由とは
※写真はイメージ
スマホやサイバー犯罪など情報化社会のミステリーを描く志駕さん。ですが、IT系にはまったく詳しくなかったようです。
第1弾を書いた時は『LINE』さえもやっていなかったのだとか。
そんな志駕さんがなぜ、スマホを落としたことで始まる情報化社会のミステリーを書くことにしたのでしょう。
―作品の題名のようにスマホを落としたことは?
スマホはしょっちゅう落としますね。2019年も2回落としました。
ガラケーを持っていた頃も結構落としていて、何の連絡も取れず仕事にならなくて困りました。「その体験を本にできたらいいな」と思って書いていました。
スマホには個人情報がたくさん入っているから、「悪用したらどれだけできるかな」って思いながら書いたのが第1弾です。
実際の経験を機に筆が進んだという志駕さん。
しかし、続編を書き始めるにあたり、ある問題があったのです。
―第1弾からそのまま書き進めたか。
最初、第2弾を全然書く予定はなかったんです。
「続編を書いてみませんか」っていわれたんだけど「殺人鬼の浦井が捕まってしまったんだから書けない」って1回断って…。断って…。
(C)2020映画「スマホを落としただけなのに2」製作委員会
第1弾では、連続殺人事件の犯人である浦井は逮捕され物語は終わっていました。
浦井が留置所の中という状況では、続編を書くのは難題だったのです。
そこで、志駕さんは「『獄中の殺人鬼がインターネットだけ手に入れられたら何をするか』って考え出した途端に新しい獄中小説ができると思った」と、発想の転換をしたといいます。
ニッポン放送での経験
長年、ニッポン放送で『オールナイトニッポン』をはじめとしたさまざまな番組のプロデューサーを務めてきた志駕さん。
現在もニッポン放送の関連会社で働くかたわら、作家として二足のわらじを履く志駕さんにニッポン放送での経験が作品にも活かされているのか聞いてみました。
―作品にはニッポン放送の経験も活かされているか。
一番大きいのはディレクターの経験ですね。
作者とかクリエイターは、自分の得意なものしか書きたくないから苦手なものは避けたがってしまうんです。
けれども、避けているところは読者やリスナーが読みたかったり聞きたかったりするものだから、客観的に見れるようになったのはディレクターの経験のおかげですね。
ディレクターの勘が本を書くうえでも生きているという志駕さん。
また、作品に出てくる登場人物はニッポン放送で働く人がモデルになっていることが多く、キャラクター作りの参考にしたといいます。
撮影現場に足を運び登場人物の設定を変更
前作では、長い黒髪の美人を狙った殺人事件を捜査する刑事・加賀谷学役で出演していた千葉雄大さん。
今作では、『主演』として加賀谷役を演じ、撮影に臨みました。
(C)2020映画「スマホを落としただけなのに2」製作委員会
全国規模の映画では初の単独主演となる千葉さんを見て、志駕さんはどのように思ったのでしょうか。
―千葉さんの印象はどうだった?
千葉くんは物語を進めていく役目。
主演として安定した演技をしてくれたお陰で成田さんや白石さんの演技がさらに際立ったと思います。
アイドルグループ『乃木坂46』の白石麻衣さんが演じる恋人・松田美乃里を守るために、苦渋の決断を求められる難しい役どころを務めた千葉さん。
また、殺人鬼を演じる俳優の成田凌さんとは、殺人犯と警察という関係でありながらも手を組んで事件の真相へと迫っていきます。
主演でありながらも、共演者を際立たせられる演技に魅せられたそうです。
(C)2020映画「スマホを落としただけなのに2」製作委員会
撮影現場を2回訪れたという志駕さんは、そんな成田さんを撮影現場で見て設定を変更したといいます。
―1作目の時、撮影現場で成田さんに「続編書いているよ」と声をかけた件について。
1作目の時も撮影現場に行きました。作中の殺人鬼がいまひとつイメージと差があって…。
成田さんに一度会って、『成田凌が殺人鬼を演じる』という前提で当て書きをしようと思いました。
成田さんは身長182㎝。当初は背が高いイメージではなかったため、続編から設定を変更したとのこと。
撮影現場で成田さんは、志駕さんの元に来て「原作通りですか?」と聞いてきたといいます。
志駕さんは成田さんのことを「素はひょうきんでも、画面で見ると怖くてある種かっこいい」と思ったそうです。
(C)2020映画「スマホを落としただけなのに2」製作委員会
本作のヒロインを演じた白石さん。志駕さんのイメージ中では明確なモデルがいたため、はじめは白石さんと結びつかなかったそうですが…。
―白石さんは実際に会ってどうだった?
出来上がった映画を見ると、白石さんでよかったと思いました。画面に映っているだけですごい存在感があるから画面が引き締まった気がします。
見ていて飽きない、いいキャスティングでした。
(C)2020映画「スマホを落としただけなのに2」製作委員会
grape読者へメッセージ
なるべく電車の中で本を読んでほしいですね。
本当はそんなにスマホいじりたくないんだけど、やることがないからいじっちゃうみたいな…。
自分だけの時間を自分のために使ってほしいです。そのためには俺の小説を読むのが一番いいのかな…?なんて。
普段使っているスマホがテーマとなったミステリー。興味を持った人は、ぜひ展開の速さも楽しんでみてはいかがですか。
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