「暖房の設定温度を1~2℃下げて」 ダイキンのアドバイスに「知らなかった」「安心した」
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写真提供:ダイキン工業株式会社

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突然ですが、冬に暖房の電源を入れても、なかなか暖かい風が出てこないことはありませんか。
冷え込みやすい時間帯に部屋が暖まらないと、「もしかして故障かな?」と不安になりますよね。
しかし、空調メーカーのダイキン工業株式会社(以下、ダイキン)によると、温風が出ない原因は、必ずしも故障ではないと言います。
焦らないで!暖房の電源を入れて温風が出ない原因とは
grapeライフハック編集部のライター・しいたけ中山は、ダイキンのコーポレートコミュニケーション室広報グループの重政周之さんに、冬の暖房にまつわる疑問を聞きました。
重政周之さん(写真提供:ダイキン工業株式会社)
外の気温が低い時、暖房をつけても暖かい風が出てくるのに時間がかかることがあります。原因はなんでしょうか。
暖房運転中、室外機の吸い込み口にある熱交換器は外気温よりも冷たくなります。寒い日には、そこに霜がつくことがあるのです。
エアコンは、室外機の中にある熱交換器の隙間を通過する空気中から熱を取り出していますが、霜で熱交換器の隙間が塞がってしまうと空気が通せなくなってしまいます。そうならないよう、エアコンは霜を溶かす『霜取り運転』を行います。
霜取り運転中は、本来部屋の中に持ってくるべき熱を、霜を溶かすために使うため、エアコンから暖かい風が一時的に出ないことがあるのです。
重政さんによると、外気温が7℃以下ぐらいになると霜取り運転に入ることがあるとか。
この程度の外気温であれば、霜取り運転の所要時間もかなり短く、ほとんど気にならないと言います。
ただ、外気温が5℃を下回ってくると、10分ほど霜取り運転が行われることがあり、「エアコンからなかなか暖かい風が出てこない」と感じることがあるそうです。
霜がついた室外機(写真提供:ダイキン工業株式会社)
なるほど、霜取り運転中はエアコンから暖かい風が出にくいのですね。私も冬の暖房で同じ現象をよく経験するので、焦らずに霜取り運転が終わるのを待ってみようと思います。
万が一、頻繁に霜取り運転をする際は、暖房の設定温度を1~2℃下げるのがよいのだとか。
こうすることで、室外機の運転が緩やかになり、霜取り運転が頻繁に起こりにくくなるそうです。
また、室外機の前を物でふさいでいる場合も、霜がつきやすくなるので注意しましょう。
部屋の熱を逃がさないためにできること
部屋の暖かさを逃がさないために、住環境の面で個人ができることはありますか。
簡単なところでいくと、断熱性能のあるカーテンを床いっぱいまでたっぷり垂らしてあげるのがおすすめです。
家の中の熱が逃げる場所として最も多いのが窓です。例えば、カーテンを開けたままでいると、窓から熱が逃げてしまい、室温を保てなくなるので、断熱性能のあるカーテンを使っていただくのがいいと思います。
撮影:grape編集部
なお、冬を快適に過ごすためには、カーテンの色も重要なのだとか。
暖色系でまとめられた部屋は、寒色と比較して暖かく感じると言います。カーテンの色で体感温度を上げ、暖房の設定温度を抑えることも、節約や快適さにつながる工夫の1つだそうです。
エアコンを賢く使い、地球にも優しく!
私たちが快適に過ごすためには、エアコンが欠かせないですよね。
しかし、エアコンを動かすための電気は発電所で作られ、その過程で多くのCO2を排出しているので、地球環境への影響も無視できません。
エアコンの製造や輸送、廃棄などの工程をすべて含めると、エアコンに起因するCO2排出量の約9割は、家庭でエアコンを使用する時のものです。
1台のエアコンが寿命を終えるまで(製造から廃棄まで)に排出するCO2量(画像提供:ダイキン工業株式会社)
とはいえ、無理にエアコンの使用を控えると、快適さが損なわれるだけでなく、体調を崩す原因になることも。
重政さんによると、大切なのはエアコンを使わないことではなく、暖房器具を上手に使い分けることだと言います。
エアコンは空間全体を暖めるのに適していますが、一部の範囲を暖めるなら電気カーペットやこたつを使うなど、用途に応じた暖房器具を選ぶのも1つの手だそうです。
また、私たちが普段意識している、節電を意識したエアコンの使い方も、実は地球環境への貢献につながっています。
ダイキンの工場では、環境負荷低減のためにどんな取り組みをしているの?
ちなみに、ダイキンの工場では、CO2排出を抑えるために、どのような取り組みを行っているのでしょうか。
エアコンを作る工場には塗装を乾かす工程があります。これまでボイラーで燃料を燃やして塗料を乾かすための熱を作っていましたが、そのボイラーをエアコンと同じ仕組みの『ヒートポンプ』に置き換え、CO2排出量やランニングコストを大幅に抑えました。
ヒートポンプとは、大気中から集めた熱を移動させ、暖房や給湯などに活用する技術のこと。燃料を燃やして熱を生み出す必要がないため、エネルギー効率が高く、CO2排出量の削減にもつながるそうです。
ダイキンでは、化学プラントを除く全工場で2030年の温室効果ガス排出実質ゼロ化を目指しており、大阪府にある堺製作所臨海工場ではすでに実質ゼロを達成しています。
ダイキンが地球環境のために確かな実績を残せているのは、環境負荷を減らす工夫を積み重ねてきた結果だと言えますね。
エアコンの仕組みを正しく理解し、効率的に使うことは、家計を助けるだけでなく、地球の未来を守ることにも直結しています。
エアコンを賢く、上手に使いこなして、お財布にも地球にも優しい冬を過ごしましょう。
[文・構成/grapeライフハック編集部 しいたけ中山]