忘年会シーズンは事故も多い! 飲酒後、勘違いされがちなのは…?
公開: 更新:

※写真はイメージ

お風呂で家族が倒れていたらどうする? 政府が教える5つの手順【冬場の入浴事故】冬の入浴時、特に気をつけたいのがヒートショック。入浴中の事故を防ぐため、そして事故が起こった場合にするべきこととは?政府が教える手順を紹介しています。

「中毒症状を引き起こすことが…」 農林水産省が『貝毒』について注意を呼びかけアサリなどの漁業権の対象となっている貝は、指定されている場所以外で採取すると、漁業権違反となります。 一方で『漁業権の対象ではないけれど食用可能な二枚貝』もあり、その場合は採取して持ち帰ることが可能です。 しかし、管理さ...






年末年始となると、忘年会や新年会など、お酒を楽しむ機会が増えがちです。
一方で、楽しい宴の翌朝に「昨日は結構飲んだけど、一晩寝たし、もう大丈夫だろう」と、ハンドルを握ってしまってはいませんか。
その油断が、取り返しのつかない悲劇を招くかもしれません。
「寝ればお酒は抜ける」
「少し仮眠したからスッキリした」
そんなドライバーの言い訳は、警察の検問や事故現場で後を絶ちません。
果たして、飲酒後、どれくらいの時間が経てば運転してもよいのでしょうか。
弁護士「寝てもリセットされません」
お酒と運転に関する『OK』と『NG』の境界線はどこにあるのでしょうか。
大阪府大阪市で、まこと法律事務所を運営する北村真一弁護士にうかがいました。
――そもそも、どのくらいの量で『飲酒運転』になるのでしょうか。
飲酒運転には、大きく分けて2種類あります。
1つは『酒気帯び運転』です。
これは、呼気1ℓ中に0.15mg以上のアルコールが検知された状態で運転することです。
ビール中瓶1本や日本酒1合程度でも、この基準を超えてしまう人が多いため、「これくらいなら…」は通用しません。
もう1つは『酒酔い運転』です。
これはアルコールの数値にかかわらず、『真っ直ぐ歩けない』『ろれつが回らない』など、正常な運転ができない恐れがある状態を指します。
たとえ少量でも、お酒に弱い人がこの状態になれば処罰の対象です。
――「6時間寝たから大丈夫」と考える人は多いですが、実際はどうですか。
それは、非常に危険な誤解です。
一般的に、体重60kgの人がビール中瓶1本(500㎖)のアルコールを分解するのに、約4時間かかると言われています。
もし、ビールを2〜3本飲んでいたとしたら、分解には8時間〜12時間近くかかる計算になります。『6時間』では、体内にアルコールが残っている可能性が極めて高いのです。
さらに怖いのは、『睡眠中はアルコールの分解速度が遅くなる』という点です。
内臓も休息状態に入るため、起きている時よりも分解に時間がかかります。『寝てスッキリした』というのは単なる感覚にすぎず、体内にはまだアルコールが残っているケースが多いのです。
――もし捕まった場合、どのような罰則がありますか。
非常に重い罰則が待っています。
【酒気帯び運転の場合】
・3年以下の懲役 または 50万円以下の罰金
・違反点数:13点(90日の免許停止)〜25点(免許取り消し)
【酒酔い運転の場合】
・5年以下の懲役 または 100万円以下の罰金
・違反点数:35点(免許取り消し・欠格期間3年)
一度の過ちで、免許だけでなく、仕事や社会的信用、そして家族の生活まで失うことになりかねません。
※写真はイメージ
『計算』ではなく『決断』を
「〇時間経ったから大丈夫」という計算は、あくまで目安にすぎません。その日の体調や体質によって、分解速度は大きく変わります。
自分の感覚を過信するのは禁物です。もし、どうしても運転の必要がある場合や、少しでも不安が残る場合は、市販の『アルコールチェッカー』を活用し、数値で客観的に確認することをおすすめします。
※写真はイメージ
そして何より、『翌朝に運転する予定があるなら、お酒を控える』『深酒をしてしまった翌日は、迷わず公共交通機関を使う』という潔い決断が、あなたと、あなたの大切な人の未来を守ります。
年末年始の楽しい思い出を、悲しい事故の記憶に変えないために、『飲んだら乗るな』だけでなく、『残っていたら乗るな』を、新しい合言葉にしたいですね。
[文・取材/ことのは 構成/grape編集部]