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桐谷健太を、木曜ドラマの主役に選んだ理由をプロデューサーが明かす

By - 芳雪  公開:  更新:

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服部さんは、キャスティングについて「桐谷さんをメインで考えていて、その中で脚本を担当している福田靖さんと、どんどん膨らましていった」とドラマの裏側について明かしてくれました。

服部さん

福田さんはNHK連続テレビ小説『まんぷく』を執筆されていて。その朝ドラで、桐谷さんとご一緒されていたのでお名前が上がり、僕らは新しい主人公、新しい主役像を求めていたので、それが合致したっていう感じです。

服部さん

テレビ朝日の木曜ドラマは数多くの人気シリーズがありますが、その一方で、次の時代を見据えたドラマやキャスティングにも挑戦していかなければならない。

そんな時に、桐谷さんのお名前は、パブリックなイメージ的にも年齢的にもすごくいいな…と。まだゴールデンタイムで主演を務められていなかったので、うまくいけばいい信頼関係も築けると思いました。

『ケイジとケンジ、時々ハンジ。』では、『ケイジとケンジ 所轄と地検の24時』から続投している磯村勇斗さん、比嘉愛未さんのほか、新しいメンバーも加わりました。

服部さん

役柄を福田さんと一緒に作って、「どういうタイプの人が向いてるか」「どういうバランスだと面白いか」を考えました。

福田さんは、自身が執筆されたオシドラサタデー『書けないッ!?』(テレビ朝日系)での長井短さんの役を、すごく気に入ってくださって。じゃあ、長井短が演じる刑事だったらどういうことなんだって、ああいうちょっと一風変わった刑事にしました。

長井さんは、毒舌で一見ヤル気がなさそうに見えるが、実は面倒見がいい岸本凛役を演じています。

『書けないッ!?』には、検事・二階堂俊介役を演じる北村有起哉さんも出演していました。

服部さん

北村さんの名前も早くから私たちの間で上がっていました。じゃあ北村有起哉が演じる検事だったらどういうのがいいか。人見知りする中年男性がどんどん変わっていくほうが面白いんじゃないかとか。

僕も福田さんも初めてっていう方も、何人もお見えになるので、そういうのは逆に「どういう役がより魅力的に見えるんだろう」っていうことをすごく考えたり、話し合ったりはしています。

判事・諸星美沙子役を演じているのは吉瀬美智子さん、検事・矢部律子役には、中村アンさんと、女性の起用も多い本ドラマ。

服部さんは、女性の割合を『ケイジとケンジ 所轄と地検の24時』の時よりも増やしたといいます。その中でこだわったところを聞いてみると…。

服部さん

それぞれの個性をしっかり描きたいと思いました。物語におけるキャラクターの出し方とか、住み分けみたいなことをすごく考えました。

大人の群像劇を描く『ケイジとケンジ、時々ハンジ。』。

散漫しがちな群像劇をまとめ上げるために気を付けていることはあるのでしょうか。

服部さん

まず、今回のこの事件を誰がどの立場で解決していくんだっていうこと。一番最初に、今回の事件にかかわる人物の配置はしっかり考えます。

でも、途中でそこの関係性だけでは行き詰まったり、パターンが似てきたりするのを、福田さんが6話ぐらいから、まったく別の事件を走らせつつ、本軸の話をやるみたいなことを考え出して、それが「すごく見事にうまくいったな」と思いました。

ドラマ開始前に語っていた桐谷健太の変化

桐谷さんは、ドラマの放送開始前にこのように語っていました。

自分自身もすごく楽しみにしていると同時に、未知数でもあります。ただ、3年前と今では桐谷健太自身が変わっているので、きっと仲井戸豪太も自然と変わってくるはず。

木曜ドラマ『ケイジとケンジ、時々ハンジ。』|テレビ朝日 ーより引用

服部さんは、3年前の2020年と、現在の桐谷さんの変化をどのように見ているのでしょうか。

服部さん

この表現が適切かどうか分からないですけど、桐谷さん、この3年でむちゃくちゃ大人になりました(笑)。

ものすごい座長感と、男気があふれる人なので、本当にあのキャラクターのままなんですよ。

服部さん

みんなに分け隔てなく接して、いつでも元気だし、スタッフ全員に気を配るというか。

前は喜怒哀楽がもう少しストレートに出る感じだったんですけど、3年の時を経て出すところと抑えるところが、だいぶ大人になったとは思いました。

服部さんは、「このチームを引っ張っていくんだっていう思いと熱さ、覚悟みたいなものをすごく感じる」と桐谷さんの変化を語りました。

桐谷さんは、今回『ケイジとケンジ、時々ハンジ。』の主題歌もプロデューサー陣と一緒に選定。

5人組ダンス&ボーカルグループ『Da-iCE』の『ダンデライオン』が主題歌として、ドラマに花を添えています。

ドラマの撮影前から桐谷さんと連絡を取り合っていた服部さんは、桐谷さんの座長としての意識の高さと思いを感じ取り、一緒に主題歌を選ぶことにしたそうです。

服部さん

主題歌はドラマの顔でもあるので、座長・桐谷健太として、主役・仲井戸豪太として、「こういう歌がドラマに合うんじゃないか」っていうことを、提案してもらって、一緒に作り上げていくことが大事だな…と。

実際、デモのテープを3~4曲送ってもらって、一緒に聞いて、さらにアレンジしたものをもう1回聞くというような作業をしました。

桐谷さんの座長としての意識は、撮影現場でも。

『ケイジとケンジ、時々ハンジ。』から新たに加わった出演者が多い中で、「どうすれば心地よく現場で過ごしてもらえるか」「どうすれば最高のパフォーマンスを見せられるか」などを考えているといいます。

服部さん

比嘉さんは、実生活のお兄ちゃんのように、この3年間もずっと慕ってて相談とかもしていたようです。

「あ、なるほど、やっぱり本当に各方面に気を遣うナイスな男だな」って思いました。でも「ナイスな男すぎて疲れないのかな」とは思いますけどね(笑)。

時代に合わない警察の制度に違和感

これまでさまざまな事件と、解決後を描いてきた『ケイジとケンジ、時々ハンジ。』。今後ドラマで描きたいことを聞いてみました。

服部さん

最終回で書こうと思っているのは、闇バイトとか。現代の闇のような事件を最後に取り上げたいと思っています。 日本が抱える司法制度では、おとり捜査ってすごく難しく、闇バイトの事件などに対してもなかなか認められていないんですね。

服部さん

これだけ闇バイトみたいなものが広がってしまっている中で、警察が実行されるまで手出しできないことって、すごく間違っている気がして。

最終回でこのような事件を扱うことで、考える1つのきっかけになったらいいなと思っています。

最後に、このドラマをどのような人に見てほしいか聞きました。

服部さん

やっぱりうちの木曜ドラマを毎週楽しみに待っていただいているファンの方々に、「テレ朝の木曜9時って面白いな」って思っていただきたいなっていうのが、まず第一にあります。

服部さん

今まで「テレ朝の木曜9時ってこうだよね」って思っている視聴者のみなさまや、刑事とかサスペンスっていうだけで気嫌いされる人たちでも、マイルドに入っていけるドラマなので、そういう人たちにも見てほしいです。

服部さん

事件が主役の物語ではなく、それぞれのキャラクターが主人公のドラマっていうことだけは、ずっと思い続けてるかもしれないですね。

服部さんのドラマ作りへのこだわりについては、こちらの記事でも触れています。

最終回は2023年6月8日。これまでの放送を見たい人は、TVerをはじめとした配信サイトでチェックできます。

服部さんのこだわりを知った上で見るドラマは、またひと味違うかもしれません。

桐谷さんと選んだ主題歌も聴きながら、『ケイジとケンジ、時々ハンジ。』の世界を楽しんでみてください。

『ケイジとケンジ、時々ハンジ。』Tverで配信中 視聴はコチラから


[文・構成/grape編集部]

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