「何これ…すごくいい」 『イカ』のキーケースが『スルメ』になった!?
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革製品は、使い込むほど手に馴染み、色も質感も変化します。新品の頃はまっさらな美しさがあり、ともに時間を過ごせば味わい深く『育つ』でしょう。
そんな『育つ』革製品をXで公開したのは、レザークラフト作家の筧裕正(@LeatherKakei)さんです。
ビフォーアフターの写真を投稿すると、またたく間に6万件を超える『いいね』が寄せられ、大反響に。
まずは、使用前の作品をご覧ください。
イカの大群でしょうか…!
筧さんが手掛けたのは、スルメイカを模したキーケースです。
ヌメ革のナチュラルなベージュ色をしており、かわいらしいですね。
そして、こちらが使用後のもの。購入客が立派に『育てた』スルメイカを見せに来てくれたようで…。
こんがり焼けている!
経年変化で色が濃くなり、ツヤツヤとした『スルメ』に成長しました。今にも香ばしいにおいが漂ってきそうですね…。
その名も、『育てるスルメイカキーケース』。筧さんはスルメイカを図鑑で研究して作ったのだそうです。
ユニークに変化する作品には、「何これ…すごくいい」「絶対に欲しい!」「最高の育ち具合」といったコメントが相次ぎました。
『育てるスルメイカキーケース』はどうやってできた?
まさかの変化で注目を集めた『育てるスルメイカキーケース』。
grapeは筧さんに取材し、作品の制作背景について詳しく話をうかがいました。
――スルメイカをモチーフにキーケースを作ろうと思ったきっかけを教えてください。
多くの革製品が追求する『かっこよさ』や『かわいらしさ』とは一線を画した、「持つ人が思わずニヤリとしてしまうような、ユーモアのある作品を作りたい」という想いがきっかけです。
構想のスタートは、店舗などで紐で吊るされているキーケース。その形状が、ふとイカの形に見えました。そして、イカの胴体のデザインを進めるうちに、料理でイカをさばく時の『ハラワタを引っ張り出す』動作を、鍵を取り出すギミックに応用できないかと思いついたのです。
さらに、経年変化の面白さを組み合わせることで、ナチュラルなヌメ革が日焼けで干物に変わっていくという『物語』が生まれ、このユニークな作品にたどり着きました。
――『育てるスルメイカキーケース』というネーミングは、どのように生まれたのでしょうか。
以前ヒットした『育てる革たい焼き』と同じコンセプトで、経年変化を楽しんでもらえるようにという思いを込めています。
購入して終わりではなく、『買ってからが楽しみになる、末永く愛用できる作品』を目指しました。そして何より、このキーケースを持つ人が話題の中心となり、人とのコミュニケーションが生まれるきっかけになってくれたら、これ以上の喜びはありません。
――「スルメイカを図鑑で研究して作った」とのことですが、一番苦労された点、工夫された点はなんですか。
一番苦労した点は、『本物のイカらしさ』と『キーケースとしての実用性』を両立させるデザインです。リアルな形状を追求しつつも、手に馴染む愛着の湧くサイズ感や日常使いのしやすさとのバランスに時間をかけました。
一番工夫した点は、イカの解剖学を応用したギミックです。ハラワタを引っ張り出すみたいに鍵を引き出せるよう、イカの背骨に見立てた帯を入れたり、鍵を中にしっかり収納できるよう、イカが墨などを噴射する『漏斗』という部分に似せて、留め具を取りつけたりしました。
――ツヤツヤのスルメイカに『育てる』には、どんなお手入れが必要ですか。
初めて革製品を持つ人にも優しいよう、初期の段階で表面にコーティングし、汚れや手垢がつきにくくしてあるので、基本的に革用ワックスなどの使用は不要です。長く使って表面のコーティングが薄れてきたと感じた時に、革用ワックスなどを補給すると、さらにツヤツヤ感は増します。
一番のお手入れは、何も気にせず日常でいつも持ち歩くこと。手の油分や摩擦によって自然にツヤが増し、色が深くなっていきます。すぐにでも経年変化を楽しみたい人は、バッグなどにつけて日に当てていれば、『こんがり感』を早めることもできます。
あまり難しく考えず、いつも一緒にいてあげてください。長くご愛用いただくうちに、イカの足先なども少しずつ丸まるなどして、ますます愛らしく、『世界に1つだけのスルメイカ』に育っていきますよ。
『育て方』次第で、さまざまな表情を見せてくれる『育てるスルメイカキーケース』。
筆者も思わず「これは育てたい…!」とつぶやいてしまいました。
どんなふうに成長したのか、それぞれの『スルメイカ』を持ち寄って見比べてみるのも面白そうですね!
※本記事は投稿者様の許諾を得た上で掲載しております。
[文・構成・取材/grape編集部]