窓を開ければ街の喧騒が広がる『シルクロード』 ウズベキスタンで触れた、日本への思いと人々の優しさ

By - 吉元由美  公開:  更新:

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窓を開ける女性の写真

吉元由美

作詞家、作家。作詞家として1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛けた。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。 grapeでコラム『ひと・もの・こと』を連載。 …続きを読む

吉元由美の『ひと・もの・こと』

作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。

たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。

シルクロードで日本を思う

ウズベキスタン、ブハラ。到着した翌朝、ホテルの窓を開けると街の喧騒が聞こえてきました。

4月1日、その日は年に一度のお祭りの日で、観光客やウズベキスタン各地から集まった人たちで街の広場は大賑わいでした。

大きなパペットの行進、小さなステージはトークショーで盛り上がっている様子、そしてなんと娘はウズベキスタンのNHKとも言える国営放送のインタビューを受けました。(その日、全国放送されたようです)

家族旅行先として、中央アジアの国は選ぶのは珍しいかもしれません。

たまたまYou Tubeでウズベキスタンの旅番組を観て、イスラムの建築、モスク、神学校などの建物の美しさに惹かれ、またシルクロードというエキゾティックな響きに惹かれました。

なかなか行ける国でもないので、思いきっての家族旅行です。

女性の写真

旅に出るとその街の歴史や文化を辿っていきます。

もちろんそのようなことに興味はあるのですが、いつも印象に強く残るのはその国で暮らす人々なのです。

街を歩いていて、よく「○○人ですか?」と、質問されました。

「日本人です」と答えると、とてもうれしそうに親愛の情を向けてくれるのです。

レストラン、お土産屋さんで、タクシーの運転手さんから、1日に何人もの人がそんなふうに親愛の気持ちを示してくれました。

街の写真

カフェでお茶を飲んでいると、私たちのテーブルの担当ではない若いウェイターの男の子がわざわざやってきて、「日本人ですか?」と。

そうだと答えると、日本のアニメが大好きで全部観ていると言うのです。

それはもううれしそうに、楽しそうに。

日本に行って、日本語の勉強をしたいと熱心に話してくれました。

ブハラでお願いしたガイドさんは、日本語をアニメで勉強したと。流暢でわかりやすく語彙も豊富。

ウズベキスタンには日本語を話す人が多く、ほとんどの人が大好きなアニメで日本語を学んだとのことでした。

日本の大学に留学していたサマルカンドのガイドさんは、とてもきれいな日本語を話す人でした。

学費を稼ぐためにアルバイトをしたのですが、規定の就労時間を超えてしまったために日本から出なくてはならなくなったと。

卒業間際、就職も決まっていたのでとても残念だった。

不法就労でブラックリストに載った彼が、いま日本に旅行に行こうとしても、膨大な書類が必要な上、入国管理局は滞在予定のホテルまで確認を取るという。

ほぼ日本に行くのは難しい現実があるそうです。私たちが知らない入国ビザの一端です。

書類の写真

もう一人、タシケントでのガイドさんは、2歳の子供がいる女性でした。

イスラム教の国では、女性は17歳から21歳くらいの間に結婚するというのが「慣わし」だそうですが、彼女は31歳で結婚。

恋愛結婚はほぼあり得ない、親が決めた結婚は彼女としては不本意だったそう。

いま、子供と自分のことしか考えていない。夫のことが大嫌いだと話してくれました。

「いつか日本に行ってみたい」

空港へ向かうタクシーの運転手さんは、私たちが降りる間際に言いました。

そして、「今度ウズベキスタンに来たときには、うちで食事しよう」とも。

こんなできない約束を優しく感じるのも、旅という時間のおくりものです。そして、改めて日本を感じたことも、旅のおくりものでした。

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※記事中の写真はすべてイメージ


[文/吉元由美 構成/grape編集部]

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