『夢』はもうひとつの現実 紐解いていくと、現実的なアドバイスが浮かび上がってくる
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吉元由美の『ひと・もの・こと』
作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。
たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。
『夢』はもうひとつの現実
「袋小路に追い詰められて『助けて!』と叫べば助かるのに、叫ぼうとしても声が出ない」
ハッと目が覚めたとき、夢だったことにほっとしながらも胸がどきどきした経験が何度もあります。このような夢を見たことのある人も多いのではないでしょうか。
この夢を見た頃、確かに心が追い詰められているような状況があり、こんな夢を見たことも納得していました。
私たちが睡眠中に見る夢のストーリーは、実に奇妙なものです。矛盾に満ちているように見えたり、あり得ない設定だったり。
疲れているからこんな夢を見た。〇〇したから、夢に出てきたのだろう……というふうに、奇妙な夢の意味づけをするものです。また夢に意味はない、と思っている人も多いでしょう。
夢は私たちの中で創造されるものです。その発信元は、潜在意識よりもさらに奥の超意識であると考えられています。
精神分析家のユングが提唱した超意識はハイアーセルフ、大いなる自己とも呼ばれ、生命のオリジンと考えられています。
超意識から発せられる夢は、夢主(夢を見た人)の状況を示し、成長を促すメッセージであると考えられます。
「助けて!と叫べず声が出ない」という夢は、今そのような状況にあるということを示しています。さらに深く考察すると、現実に助けを求めてこなかった自分がいる、と解釈できます。
ここで大切なのは、なぜ助けを求められずにいたのか、という原因です。それは何らかの体験によってもたらされたことかもしれません。
生きづらさを解消するためには、その原因を認識することが大切なのです。そして、困ったときに助けを求めることを意識的にやってみる。やれなかったことにチャレンジするのです。
自分の感情を表す、思いを伝える。それが、夢のメッセージを行動に移すということであり、このようなチャレンジをすることで状況は改善されていくのです。
夢は、現状認識、人間関係などについての示唆、そして健康状態も知らせて来ます。特に食べ物が夢に出てきたときには、その食べ物から健康状態、食生活を見直してみます。
以前「苦手な人とラーメンを食べに行くが、食べたくないと思っている」という夢を見ました。麺類は好きなのですが、その頃の身体の状態はラーメンを消化しきれない感がありました。
そこでラーメン、麺類はしばらく控えるようにしました。と同時に、一緒に行く『苦手な人』は、私にとって『ラーメン』なのです。
つまり、その人は私の中では消化しきれない、負担になるということです。食事のアドバイスはもちろんのこと、同時に人間関係の示唆により、私はその人と一線を引く確信を持てたのです。
夢は本当に奇妙なストーリーで構成されます。解釈に困ることもあるのですが、この二つのケースのように夢を紐解いていくと、実に現実的なアドバイスが浮かび上がってくるのです。
夢はもうひとつの現実、とも言われます。他人からのアドバイスではなく、占いでもなく、高次の自分自身からのメッセージをポジティブに生かしていく。
人生をよりよく生きるための夢のアドバイスは、創造的に生きるための大きなサポートになるのです。
いのちを紡ぐ言葉たち かけがえのないこの世界で
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※記事中の写真はすべてイメージ
作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー
[文・構成/吉元由美]
吉元由美
作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。
⇒ 吉元由美オフィシャルサイト
⇒ 吉元由美Facebookページ
⇒ 単行本「大人の結婚」