「こいつ痴漢だ!」の一言から始まった地獄の日々 『えん罪』に苦しんだ男性の物語 By - grape編集部 公開:2016-12-12 更新:2017-07-22 YOU南海キャンディーズ山里亮太犯罪痴漢 Share Post LINE はてな コメント 裁判中のある日のこと。朝になっても起きてこない奥さんを心配し、寝室に行ったキヨシさん。そこにはベッドに座ったまま涙を流す奥さんの姿がありました。 その口から出てきたのは「もう死にたい」という言葉。 奥さん同様、精神的に疲弊しきっていたキヨシさん。長男を奥さんの元につれてきて「だったら、死のうか」と手を首にかけたのだそう。 ※画像はイメージです その姿を見て正気になった奥さんが慌てて制止。長男はむせたものの、なんとか事なきを得ました。 キヨシさんはこの出来事から、改めて子どもたちのことを考えるようになり、「この子たちを犯罪者の子どもにして良いのか」と自分を奮い立たせて裁判に立ち向かいました。 ついに無罪を勝ち取る でも全然嬉しくない やがて、事件からちょうど2年の月日が流れた2002年12月5日。友人など、多くの方の支援もあり、キヨシさんは奇跡的な無罪を勝ち取りました。 しかし、その時の感情を聞かれたキヨシさんは「みなさん、無罪になったら嬉しいと思うと思うんですけど。ちっとも嬉しいという感情じゃない」と語りました。 無罪になっても、2年前には戻れません。事件の前には持っていた仕事、向上心もなくなり、唯一の生きがいは子どもの成長だけだったそう。 当番組にも(人形で)出演していたキヨシさんの長男。自分の首をしめた父に対し、こう語りました。 「父のことを恨んだことはない。父親は尊敬の対象でしかなかった。やっていないことを『やっていない』と言い、裁判で戦い続けた父は立派だった」 今は痴漢冤罪に悩んでいる人を支援しているというキヨシさん。長男も、この活動を一緒に行っていくのだそうです。 この放送を観た多くの方が、えん罪の怖さを知るとともに、痴漢は女性だけでなく男性にとっても敵だと感じたようです。 『ねほりんぱほりん』「痴漢冤罪被害者」心底ゾッとするなぁ。せめて鉄道会社は各車両に防犯カメラをつけてほしい。もちろん死角は多いだろうけど、一定の抑止効果にはなるし、先日の『ブレイブ』でもバスの車内カメラが冤罪の証拠になってたし。— てれびのスキマ/戸部田 誠 (@u5u) 2016年12月9日 お昼にねほりんぱほりん見てたんだけど、痴漢冤罪のニュースとか聞くと、かわいそうで仕方ない。お触りされるのは不愉快ではあるけど、彼らの人生を壊すほどの恨みではないというか、逆に、そこまで背負えない。深く関わりたくない。— あーやさん (@ayanio) 2016年12月11日 痴漢冤罪は都市部で電車通勤している人にとっては現代で一番怖い、そして現実にある悪夢 / 一方で痴漢被害に泣寝入りしている人も多い、本当に痴漢は男女の敵だな / “【ねほりんぱほりん】「この人痴漢です!」の一言で人生が台なしになっ…” https://t.co/0Ejtgy83Zg— Tetsuya Murata (@tetsuya_) 2016年12月9日 痴漢の現状 警視庁の発表によれば、2015年で痴漢(迷惑防止条例違反)は約1900件起こっており、そのうちの約72パーセントが電車や駅で起こったものです。 あくまでこれは「わかっているものだけで」の話。警察庁が2011年に行ったアンケートでは、過去一年間で痴漢にあった女性の89.1%が警察に通報や相談をしていないという結果が出ています。 おそらく、実際に確認されている痴漢の数倍かそれ以上は、被害に遭っている方がいるのでしょう。 今回ご紹介したような痴漢えん罪が起こるのは、そもそも痴漢をする卑劣な人がいるから。一日も早く、こんな犯罪が起こらない社会にしなければいけません。 電車内の防犯カメラの普及や、満員電車など痴漢が起きやすい環境の改善が、痴漢防止に対する急務なのかもしれません。 ねほりんぱほりん [文/grape編集部] 1 2 3 出典 ねぽりんぱほりん/警察庁/警視庁/@u5u/@ayanio/@tetsuya_ Share Post LINE はてな コメント
裁判中のある日のこと。朝になっても起きてこない奥さんを心配し、寝室に行ったキヨシさん。そこにはベッドに座ったまま涙を流す奥さんの姿がありました。
その口から出てきたのは「もう死にたい」という言葉。
奥さん同様、精神的に疲弊しきっていたキヨシさん。長男を奥さんの元につれてきて「だったら、死のうか」と手を首にかけたのだそう。
※画像はイメージです
その姿を見て正気になった奥さんが慌てて制止。長男はむせたものの、なんとか事なきを得ました。
キヨシさんはこの出来事から、改めて子どもたちのことを考えるようになり、「この子たちを犯罪者の子どもにして良いのか」と自分を奮い立たせて裁判に立ち向かいました。
ついに無罪を勝ち取る でも全然嬉しくない
やがて、事件からちょうど2年の月日が流れた2002年12月5日。友人など、多くの方の支援もあり、キヨシさんは奇跡的な無罪を勝ち取りました。
しかし、その時の感情を聞かれたキヨシさんは「みなさん、無罪になったら嬉しいと思うと思うんですけど。ちっとも嬉しいという感情じゃない」と語りました。
無罪になっても、2年前には戻れません。事件の前には持っていた仕事、向上心もなくなり、唯一の生きがいは子どもの成長だけだったそう。
当番組にも(人形で)出演していたキヨシさんの長男。自分の首をしめた父に対し、こう語りました。
「父のことを恨んだことはない。父親は尊敬の対象でしかなかった。やっていないことを『やっていない』と言い、裁判で戦い続けた父は立派だった」
今は痴漢冤罪に悩んでいる人を支援しているというキヨシさん。長男も、この活動を一緒に行っていくのだそうです。
この放送を観た多くの方が、えん罪の怖さを知るとともに、痴漢は女性だけでなく男性にとっても敵だと感じたようです。
痴漢の現状
警視庁の発表によれば、2015年で痴漢(迷惑防止条例違反)は約1900件起こっており、そのうちの約72パーセントが電車や駅で起こったものです。
あくまでこれは「わかっているものだけで」の話。警察庁が2011年に行ったアンケートでは、過去一年間で痴漢にあった女性の89.1%が警察に通報や相談をしていないという結果が出ています。
おそらく、実際に確認されている痴漢の数倍かそれ以上は、被害に遭っている方がいるのでしょう。
今回ご紹介したような痴漢えん罪が起こるのは、そもそも痴漢をする卑劣な人がいるから。一日も早く、こんな犯罪が起こらない社会にしなければいけません。
電車内の防犯カメラの普及や、満員電車など痴漢が起きやすい環境の改善が、痴漢防止に対する急務なのかもしれません。
ねほりんぱほりん
[文/grape編集部]