ある女性の『性犯罪の被害記録』に男女から反響 「性犯罪は少ない、と思っている人へ」
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- 出典
- 警視庁/@switchedonY
合意なく他者の身体に触れたり、性的な嫌がらせをしたりする性犯罪。
警視庁によると、2017年の都内における性犯罪は、強制性交等が約170件、強制わいせつは約700件、痴漢は約1750件発生したといいます。
性犯罪は被害を訴えづらく、泣き寝入りをする被害者も少なくないため、実際の発生数はさらに多いと考えられます。
しかし、被害に遭ったことがない人の中には、こう思っている人もいることでしょう。
「ネットでよく痴漢とか性犯罪とか聞くけど、実際はそんなに起こってないでしょ?」
身近で起きていないことは、理解しづらいもの。また、心の底で「そんなことが現実に起こっているなんて信じたくない」という気持ちもあるのかもしれません。
ある女性の『性犯罪の被害記録』にネットから反響
そういった人たちに向けて、自らの被害をイラストで描いたのは藤宮(@switchedonY)さん。
小学4年生のころから高校2年生までの間に実際に起こった、記憶に強く残っている被害を抜粋して描きました。
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10歳というまだ幼い年齢のころから、藤宮さんは幾度となく被害に遭い、恐怖と戦い続けてきました。
以下は、それぞれの被害について藤宮さんがつづった詳細です。
1.真っ昼間の交差点で友達を待っていたら、作業服の男に下半身を5秒ほど触られる。よく分からなくてボーッと見ていた記憶がある。学校に戻り先生にいうと、翌日、不審者出没のプリントが学校で配られていた。
2.習いごとの帰りに大学生くらいの男に絡まれる。「どこか行こう。ご飯おごってあげるよ」といっていたが、「母が車で待ってます」というと去っていった。
3.通称『何してるのおじさん』。近所の女子小学生に「何してるの」と叫ぶことで有名。特に対策は取られてなかった。
4.最初は駅の階段を降りる時、すれ違いざまに胸を触られる被害。道路や横断歩道、薬局など数えきれないほど『ワンタッチ痴漢』がいたので避けるのがうまくなった。
5.古本屋で立ち読みをしてたら、尻を通りざまに触られる。最初は「ぶつかっただけ?」と思っていたが二度目があり、確信する。本屋やコンビニなど狭い通路かつ意識が商品に逸れてる場所に多くいる。
6.自転車を停めていたら写真を撮られる。ジーンズにパーカーで露出はなかったので「きわどい格好をしていてパンチラしそうだから盗撮」とかではなさそうだ。50代くらいの男はなぜかニコリと笑って去っていった。
7.満員電車での出来事。声を上げる際、緊張と恐怖はあったが「勇気を出すのはいまだ!」という心持ちで叫んだ。しかし結果は怒鳴られ、暴力を受けたショックで真っ白になり、周りも助けてくれず、ただトラウマになっただけだった。
8.太ももに違和感を感じて目覚めると、男の手が太ももにあった。寝ぼけて何がなんだか分からないうちに犯人はどこかへ消えた。その後、触られた気持ち悪さで一度家に帰り、服を洗濯した。
9.足を踏むと犯人は一瞬痛そうな顔をした後、顔が怒りに歪んだ。ギラついた目で私を凝視しながら、満員電車の人混みを押し分け近づいてきた時の絶望感は忘れられない。人と人の間から手だけ私のほうに伸ばして触ろうとしてくるのを、爪を立てて必死に押し留めていた。
その状況や、藤宮さんの気持ちを考えるだけで恐怖を感じるエピソードの数々。
藤宮さんは多くの人に「私たちも声を上げ続けますから、『自分はやってないし見たこともないから、性犯罪はない』と切り捨てないで」と呼びかけました。
投稿はまたたく間に拡散され、多くの人からコメントが寄せられています。
・こうして可視化することで、理解する人が増えると思います。ありがとうございます!
・このイラストを見て「あれって痴漢だったんだ」と気付いた。昔のことをいろいろ思い出した。
・性犯罪被害に会った時、周囲の人が信じてくれなかったのが一番つらかったです…。
・「この人が特別なんじゃない?」って思った人、これらは普通にありますよ。
また、男性からは「知らなかったけど、こんなに被害を受けるものなのか」「こんなにあるんだ…」「本当に許しがたい」といった声が上がっています。
性犯罪は『男性が加害者、女性が被害者』と決まっているわけではなく、被害は誰にでも起こりうることです。
社会全体が「犯罪は許さない、見逃さない」という強い意志を持ち、お互いに助け合うことで、つらい思いをする人は減っていくのではないでしょうか。
[文・構成/grape編集部]