ミサイルが発射されるも、TVの話題は相撲問題 By - 吉元 由美 公開:2017-12-16 更新:2018-09-26 吉元由美大相撲相撲 Share Post LINE はてな コメント 吉元由美の『ひと・もの・こと』 作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さん。先生の日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。 たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…様々な『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。 相撲問題とミサイル 1人の親方と相撲協会の確執、1人の親方とひとりの横綱の確執が、国民生活に何か支障を来すだろうか。連日ワイドショーで繰り広げられる相撲界論争に嫌気がさしている人は多いと思います。疑心暗鬼を生むような行動をしている親方がいることが1つの要因になっているかもしれないですが、殴った殴られたという事件なら、殴ったほうが悪いに決まっています。ところが、問題はどんどんすり替わり、いつしか被害者が加害者的な扱いをされている。そこから相撲道のありかたなどに話題は拡がるのですが、私たちにとってはどうでもいい。勝手にやってくれ、と思うのは私だけではないでしょう。 相撲関係の話題で持ち切りのころ、北朝鮮がミサイルを発射しました。飛行機からも、新潟でも飛んでいるミサイルを目視できたほどの出来事です。ミサイル発射も、飛んでいるミサイルを見ている人がいるという現実は、とんでもないことです。戦争が起こる可能性が高まっている現実、安倍首相は北朝鮮によるミサイル攻撃に備え、避難施設の十分な確保に努める、とまで発言しました。これも相当なことです。 でも、各ワイドショーでその2つの話題のどちらが優先されたかというと、相撲問題のほうでした。これまでTVなどで見たこともなかった相撲評論家が登場し、コメンテーターも交えての議論。なぜ、メディアはこちらを選択するのか。こちらのほうが数字をとれると判断したから…と信じたいです。つまり、視聴者にはこちらの話題のほうが受けると踏んでいるわけです。 自分にとって必要なものと、必要でないものを選別してく。この視点をもって過ごしていると楽である反面、いかに不必要なものが多いかという現実を突きつけられます。そのひとつがこうした『情報』です。情報には3つのルートがあります。自分で取りに行く情報。たまたまもたらされる情報。そして、一方的に流れてくる報道などの情報です。 TVなどを観なくてもいいわけですから、これも選別していけることです。観なくて楽になるのは自分だけ、それでもいいのですが、これが社会全体のこととして果たしていいのかどうか、考えてしまうところです。 印象操作とか、偏向報道とか、今年は何かとメディアに批判が集まる年でした。ただ観なければいい、読まなければいい、というだけでは解決しない問題があるように思います。一人ひとりがどういう社会を作っていきたいのか、その参画者であることを自覚することから始まるのかもしれません。 そんなことをつらつらと考えてしまう年末…もう相撲問題は聞きたくありません…。 作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー [文・構成/吉元由美] 吉元由美 作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。 ⇒ 吉元由美オフィシャルサイト ⇒ 吉元由美Facebookページ ⇒ 単行本「大人の結婚」 ダルビッシュ有が日本に帰国 向かった先は…?2024年11月12日、メジャーリーグの『サンディエゴ・パドレス』に所属するダルビッシュ有選手が、自身のブログを更新。日本に一時帰国していたことを明かしました。 俳優・火野正平さんが逝去 腰痛の治療に励むも腰部骨折に火野正平さんが亡くなったことが分かりました。ご冥福をお祈りいたします。 Share Post LINE はてな コメント
吉元由美の『ひと・もの・こと』
作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さん。先生の日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。
たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…様々な『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。
相撲問題とミサイル
1人の親方と相撲協会の確執、1人の親方とひとりの横綱の確執が、国民生活に何か支障を来すだろうか。連日ワイドショーで繰り広げられる相撲界論争に嫌気がさしている人は多いと思います。疑心暗鬼を生むような行動をしている親方がいることが1つの要因になっているかもしれないですが、殴った殴られたという事件なら、殴ったほうが悪いに決まっています。ところが、問題はどんどんすり替わり、いつしか被害者が加害者的な扱いをされている。そこから相撲道のありかたなどに話題は拡がるのですが、私たちにとってはどうでもいい。勝手にやってくれ、と思うのは私だけではないでしょう。
相撲関係の話題で持ち切りのころ、北朝鮮がミサイルを発射しました。飛行機からも、新潟でも飛んでいるミサイルを目視できたほどの出来事です。ミサイル発射も、飛んでいるミサイルを見ている人がいるという現実は、とんでもないことです。戦争が起こる可能性が高まっている現実、安倍首相は北朝鮮によるミサイル攻撃に備え、避難施設の十分な確保に努める、とまで発言しました。これも相当なことです。
でも、各ワイドショーでその2つの話題のどちらが優先されたかというと、相撲問題のほうでした。これまでTVなどで見たこともなかった相撲評論家が登場し、コメンテーターも交えての議論。なぜ、メディアはこちらを選択するのか。こちらのほうが数字をとれると判断したから…と信じたいです。つまり、視聴者にはこちらの話題のほうが受けると踏んでいるわけです。
自分にとって必要なものと、必要でないものを選別してく。この視点をもって過ごしていると楽である反面、いかに不必要なものが多いかという現実を突きつけられます。そのひとつがこうした『情報』です。情報には3つのルートがあります。自分で取りに行く情報。たまたまもたらされる情報。そして、一方的に流れてくる報道などの情報です。
TVなどを観なくてもいいわけですから、これも選別していけることです。観なくて楽になるのは自分だけ、それでもいいのですが、これが社会全体のこととして果たしていいのかどうか、考えてしまうところです。
印象操作とか、偏向報道とか、今年は何かとメディアに批判が集まる年でした。ただ観なければいい、読まなければいい、というだけでは解決しない問題があるように思います。一人ひとりがどういう社会を作っていきたいのか、その参画者であることを自覚することから始まるのかもしれません。
そんなことをつらつらと考えてしまう年末…もう相撲問題は聞きたくありません…。
作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー
[文・構成/吉元由美]
吉元由美
作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。
⇒ 吉元由美オフィシャルサイト
⇒ 吉元由美Facebookページ
⇒ 単行本「大人の結婚」