「地に足をつけ、ふわふわと」意識せず出た言葉に驚く そこには正直な気持ちが By - 吉元 由美 公開:2018-02-17 更新:2018-02-17 吉元由美連載 Share Post LINE はてな コメント 吉元由美の『ひと・もの・こと』 作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。 たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。 地に足をつけ、ふわふわ生きる 「地球生活、これからはちょっとふわふわしようと思っています…」 昨日、Facebookの友達へのコメントにそんなことを書きました。考えて書いたのではなく、誕生日メッセージのお礼を書いていたら、さらっとこのフレーズが出て来たのです。 文章を書いていると、ときどきこのようなことがあります。思考よりも先に指が未来を叩き出す…というような。物語を書く時にも、登場人物たちがどんどん先を行くことがあります。(ええ、そういう展開?)と、書いているこちらのほうが驚くのです。キーボードには言葉の妖精が住んでいて、次はこちらこちらと導いてくれているような。何だか、小学生のころに流行った『こっくりさん』みたいですが…。 ふわふわしようと思っています…。そう、そうしよう。本当はそうしたいのだ。思考よりも先に出てきたこの言葉だからこそ、信じられる。これは大きな気づきでした。 地球には重力がある。『地に足をつける』『根を張る』『根を下ろす』『グラウンディング』物事を確実に、堅実に地道に進めていく、という意味の言葉、表現が『地』とつながっているのはとても興味深いことです。思考と重力がつながっているイメージです。 責任を持って、やるべきことにコミットし、気持ちもしっかりと持って生きる。人生も、この社会もそうでなくては成り立たない…。でも、ああ、重い。『ふわふわ』という言葉を一度使ってしまうと、地球の重力に従った生き方をなんと重く感じることか! 考えてみると、『ふわふわ』という感覚を私は知りません。長女だからしっかりしなくては。いい成績を取らなくては。仕事を責任もってしなくては。子育てをやらなくては。どれも、私にとって大切なプロセスでした。そこにまったく後悔はありません。しかし、ここまで生きてくる間にどれだけの「しなくては」を背負ってきたか。重力と重責の重みにすっかり馴れきった自分がいます。 「ふわふわしようと思っている」 考えたこともなかった『ふわふわ』。それは、浮き足立つことでもなく、ちゃらんぽらんなことでもなく、自分の感覚に従い、その感覚に正直になって日々を楽しむこと。義務感や責任感からではなく、喜んでできることを選択する。とてもシンプルなことなのですが、なかなかできないものです。 海を見たいなと思ったら、海を見に行く。絵を描きたいと思ったら絵を描く。仕事したい、と思ったら仕事をする。「時間がないとか、苦手だからやっぱり辞めよう」という言い訳で、やりたいことを抑えこむことはやめる。心が喜ぶ『ふわふわ』は、思考も感性も直感を自由にするのではないか。想像するだけでわくわくする、これからの人生のテーマになりました。 ふわふわと生きていく。心の思うまま、ふわりと行動に起こせたらどんなに素敵でしょうか?人間が鳥に憧れ続けて来たのは、無意識の中にそんな欲求があったからではないか。私たちが知らないうちに身につけていた縛りやルール。手放してみてもいいのではないでしょうか。 作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー [文・構成/吉元由美] 吉元由美 作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。 ⇒ 吉元由美オフィシャルサイト ⇒ 吉元由美Facebookページ ⇒ 単行本「大人の結婚」 『日本語なのに読めない』貼り紙 内容が?「もはや外国語」「なんて?」旅行中に立ち寄った温泉。貼り紙の内容に首を傾げた理由が? レジ店員「そのカバン…」 レジ店員が客に声をかけたワケが?「これは声かけちゃう」「最近、自信喪失していて、今日もとぼとぼと帰路についていたんだけど…」 Share Post LINE はてな コメント
吉元由美の『ひと・もの・こと』
作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。
たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。
地に足をつけ、ふわふわ生きる
「地球生活、これからはちょっとふわふわしようと思っています…」
昨日、Facebookの友達へのコメントにそんなことを書きました。考えて書いたのではなく、誕生日メッセージのお礼を書いていたら、さらっとこのフレーズが出て来たのです。
文章を書いていると、ときどきこのようなことがあります。思考よりも先に指が未来を叩き出す…というような。物語を書く時にも、登場人物たちがどんどん先を行くことがあります。(ええ、そういう展開?)と、書いているこちらのほうが驚くのです。キーボードには言葉の妖精が住んでいて、次はこちらこちらと導いてくれているような。何だか、小学生のころに流行った『こっくりさん』みたいですが…。
ふわふわしようと思っています…。そう、そうしよう。本当はそうしたいのだ。思考よりも先に出てきたこの言葉だからこそ、信じられる。これは大きな気づきでした。
地球には重力がある。『地に足をつける』『根を張る』『根を下ろす』『グラウンディング』物事を確実に、堅実に地道に進めていく、という意味の言葉、表現が『地』とつながっているのはとても興味深いことです。思考と重力がつながっているイメージです。
責任を持って、やるべきことにコミットし、気持ちもしっかりと持って生きる。人生も、この社会もそうでなくては成り立たない…。でも、ああ、重い。『ふわふわ』という言葉を一度使ってしまうと、地球の重力に従った生き方をなんと重く感じることか!
考えてみると、『ふわふわ』という感覚を私は知りません。長女だからしっかりしなくては。いい成績を取らなくては。仕事を責任もってしなくては。子育てをやらなくては。どれも、私にとって大切なプロセスでした。そこにまったく後悔はありません。しかし、ここまで生きてくる間にどれだけの「しなくては」を背負ってきたか。重力と重責の重みにすっかり馴れきった自分がいます。
「ふわふわしようと思っている」
考えたこともなかった『ふわふわ』。それは、浮き足立つことでもなく、ちゃらんぽらんなことでもなく、自分の感覚に従い、その感覚に正直になって日々を楽しむこと。義務感や責任感からではなく、喜んでできることを選択する。とてもシンプルなことなのですが、なかなかできないものです。
海を見たいなと思ったら、海を見に行く。絵を描きたいと思ったら絵を描く。仕事したい、と思ったら仕事をする。「時間がないとか、苦手だからやっぱり辞めよう」という言い訳で、やりたいことを抑えこむことはやめる。心が喜ぶ『ふわふわ』は、思考も感性も直感を自由にするのではないか。想像するだけでわくわくする、これからの人生のテーマになりました。
ふわふわと生きていく。心の思うまま、ふわりと行動に起こせたらどんなに素敵でしょうか?人間が鳥に憧れ続けて来たのは、無意識の中にそんな欲求があったからではないか。私たちが知らないうちに身につけていた縛りやルール。手放してみてもいいのではないでしょうか。
作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー
[文・構成/吉元由美]
吉元由美
作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。
⇒ 吉元由美オフィシャルサイト
⇒ 吉元由美Facebookページ
⇒ 単行本「大人の結婚」