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「代金はいりません」 自転車修理の店員、その手は汚れていた

By - grape編集部  公開:  更新:

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※写真はイメージ

涙がこぼれて、胸をゆさぶられるストーリーは、映画や小説の中だけでなく、私たちの何気ない日常にも存在します。

そのことを教えてくれる、ブロガーの森秋子さんが投稿したエピソードをご紹介します。

秋子さんはある日、知人とおしゃべりをしている時に自転車をほめられ、嬉しくなったそうです。

ところが、そこでギアを回したせいで自転車のチェーンが外れ、ペダルが回らなくなってしまいます。そのことをごまかし、自転車を押して知人と別れた後、自分で修理を試みることに。

しかし、うまく直せず、手は汚れてしまいました…。

壊れた自転車を修理店に持って行くと

秋子さんは自転車を押し、修理店に向かいます。店では、店員がほかの自転車を修理中でした。

ペダルが回らなくなったことを伝えると、店員は秋子さんの自転車を先に直してくれたのです。

秋子さんは、店員の手を見て、あることに気付きます。

作業中の手は
私より汚れていました。

お金を払おうとしたら
簡単だからいいですよ
と言われました。

自転車屋さんの油か
すすのようなものかで
汚れた手が

ものすごく熱くて
かっこよくて
涙が出そうになりました。

ミニマリストになりたい 秋子のブログ ーより引用

店員の手は、自分で修理をしようとした秋子さんの手よりも汚れていたのです。

しかも、「代金はいらない」という店員。

手を汚して、困っている人を助けた店員は、秋子さんの目に「ものすごく熱くてかっこいい」と映りました。

この出来事を、愛猫の写真とともにブログに投稿した秋子さん。さらに、ある強い思いをつづりました。

私はもっと汚れて恥ずかしくダサく生活します

「それなりの格好をしていないと恥ずかしい」

「着ている服・持ち物はその人となりを表す」

こういった思いにとらわれていたという秋子さんは、図書館で『マッチ売りの少女』を読んだのをきっかけに、自分の本当の思いに気付きます。

「お得」「高見え」
「上質」「こだわりの品」

しばられて右往左往しすぎて
好きなものを見失っていました。

ミニマリストになりたい 秋子のブログ ーより引用

図書館で物語に出てくる
子どもにどんどん
再会していくうちに

「着ている服や
持っているもので
誰かを判断しているのは
心底ダサい、バカらしい」と
わかりました。

ミニマリストになりたい 秋子のブログ ーより引用

秋子さんは、自転車を修理してもらったことをきっかけに、その時の気持ちを思い返したようです。

店員の汚れた手を、「恥ずかしい」「ダサい」と思う人がいるでしょうか。

自転車屋さんの手みたいに
私はもっと
汚れて恥ずかしくダサく
生活します。

私の愛していたものは
探してみると
汚れていて恥ずかしくて
ダサくもあったかいもの
ばかりです。

欲しいものを
もっと手に入れます。

ミニマリストになりたい 秋子のブログ ーより引用

私たちも、身に着けるものや家に置くものを選ぶ時、「誰かにどう見られるか」を意識しすぎてしまうことがあるかもしれません。

本当は着たい服や、気に入った品物を選んでいいはずなのです。

もちろん、TPOに合った最低限の身だしなみは必要なことです。ですが、過剰に人の目を気にしすぎていたとしたら…。

自転車修理で汚れた手の店員を思い出し、「本当に好きなもの」は何か自分に問いかけてみたいですね。


[文・構成/grape編集部]

出典
ミニマリストになりたい 秋子のブログ

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