里親の家を逃げ出した犬が97日間かけて目指した場所は…感動の結末に涙
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アメリカ・ミネソタ州で心理療法士として働くセネカ・クルーガーさんは、保護犬を一時的に預かる『フォスター』を長年務めています。彼女はこれまでに30匹以上の犬を世話し、正式な里親の元に送り出してきました。
2019年、セネカさんは『ゼルダ』というメス犬の世話を引き受けることにしました。海外メディア『The Dodo』によると、ゼルダは心の病を抱えていて、抗不安薬を服用していたといいます。
セネカさんの家に来た当初、ゼルダは1日中ウロウロ歩き回ったり、隠れたりしていたのだとか。そんなゼルダにセネカさんはゆっくりと信頼を得るための訓練を続け、2週間後には抗不安薬は必要なくなったそうです。
しかしゼルダが尻尾を振ってくれるまでには2か月かかりました。さらに彼女が吠えたり、外で遊んだりするほど元気になるまでには、なんと4か月もかかったのです。
そしてセネカさんがゼルダの世話を始めてから7か月後の2月6日、彼女は正式な里親の元に引き取られることになりました。
新しい家族に引き取られた犬は
ゼルダの里親の家はセネカさんの自宅から約64㎞離れていました。セネカさんはそこまでゼルダを車で送り届けた時、想像以上に別れるのがつらかったのだそう。
これまで12年間も保護犬のフォスターをしてきた彼女ですが、「自分の犬を手放すような気持ちになったのは初めてだった」といいます。
それから10日後、セネカさんの元に里親から連絡が入ります。
ゼルダが逃げ出しました。
それを聞いたセネカさんは車に飛び乗り、ゼルダを探し始めます。また行方不明の犬を探すボランティア団体『START』も協力して、ゼルダの捜索が始まりました。
3か月間行方不明だった犬が目指していた場所は
『START』は周辺地域のいたるところに水や食べ物を置き、トレイルカメラを設置。しかしゼルダの姿はなかなか見つかりません。
季節は真冬で気温が氷点下になる日もありました。またその地域には湖があり、もしゼルダが落ちてしまったら、助からないだろうと思われていました。
するとゼルダの失踪から2か月後、セネカさんの家と里親の家の中間地点で彼女の姿が目撃されます。
それを知ったセネカさんは「ゼルダは私のところに帰ろうとしている」と確信しました。
それからさらに2週間後、セネカさんの家の近くでゼルダらしき犬が見つかったという情報が入ります。
そこでその家の住人が家の外にケージと食べ物を置いて、ゼルダを保護することに成功。
ゼルダが失踪してから97日後、ついに彼女はセネカさんと再会することができたのです。
セネカさんはあまりにやせ細ったゼルダを見て、それがゼルダだと確信が持てなかったのだとか。
しかしマイクロチップのおかげでゼルダだと分かったといいます。
セネカさんの家と里親の家の距離は64㎞ですが、おそらくゼルダはずっと道に迷っていて3か月以上もかかってしまったのでしょう。
ゼルダの里親は彼女を手放すことに同意し、ゼルダは晴れてセネカさんの家族の一員となりました。
セネカさんの家に戻りたい一心で3か月以上もさまよっていたゼルダがどんな気持ちだったのか、想像するだけで涙があふれます。
これからはゼルダが大好きなセネカさんとずっと一緒に暮らせるようになって本当によかったですね。
[文・構成/grape編集部]