ウスターと中濃の違いは?かける以外の使い道は? 日本ソース工業会に聞いてみた
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とんかつや焼きそばなど、いろいろな料理に使われるソース。
しかし、ソースとひと言でいっても、中濃ソースにウスターソース、さらには焼きそばソースなど、複数の種類がありますよね。
ソースの種類や定義、おすすめの使い方について、ソースのプロフェッショナルである、一般社団法人日本ソース工業会(以下、日本ソース工業会)に取材しました。
そもそも『ソース』の定義とは
日本ソース工業会に、ソース類の定義を聞いてみたところ、ソース、正式には『ウスターソース類』といわれるものは、食品表示基準によって以下のように定義されているとのこと。
次に掲げるものであって、茶色又は茶黒色をした液体調味料をいう。
1.野菜若しくは果実の搾汁、煮出汁、ピューレおよびこれらを濃縮したものに砂糖類、食酢、食塩及び香辛料を加えて調製したもの。
2.1にでん粉、調味料等を加えて調製したもの。
※写真はイメージ
素材をどのように調理・調味すれば『ウスターソース類』、つまりソースとして分類されるのか、実は詳しく決まっているのです。
さらに、ソースは粘度の違いによって、『ウスターソース』『中濃ソース』『濃厚ソース』の3種類に分類されます。
日本ソース工業会によると、それぞれ以下のような特徴があるとのこと。
・ウスターソース
『ウスターソース類のうち、粘度が0.2Pa・s(※)未満のもの』と定義されています。特徴としては、野菜や果実のパルプ質を製造工程中でろ過しているため、粘度が低く、さらりとした辛口のソースです。
・中濃ソース
『ウスターソース類のうち、粘度が0.2Pa・s以上2.0Pa・s未満のもの』と定義されています。特徴としては、ウスターソースと濃厚ソースの中間ぐらいの適度なとろみがあり、ピリッとした味と甘くソフトな味の両方を持ち合わせています。
・濃厚ソース
『ウスターソース類のうち、粘度が0.2Pa・s以上のもの』と定義されています。特徴としては、野菜はもちろん、たくさんの果実を使用しており、酸味とスパイシーさが抑えられ、トロリとして甘くソフトな風味があります。いわゆる『とんかつソース』は濃厚ソースに分類されます。
※Pa・sは粘度を表す単位。パスカル秒という。
また、近年の日本の食生活の多様化に伴い、店頭には多彩なネーミングのウスターソース類が並んでおりますが、焼きそばソースやお好みソースなども、ソースの種類として認知されるようになってきました。
続けて、焼きそばソースやお好みソースについて、以下のように説明してもらいました。
・焼きそばソース
ソース焼きそばは日本で生まれたメニューで、全国のさまざまな地域がそれぞれの特色を生かした焼きそばを考案しています。焼きそばソースは、そのような焼きそばの味を引き出すように、各メーカーが独特な旨味成分を加え製品化したものです。
・お好みソース
お好みソースは、適度なとろみやほどよい酸味と甘さが特徴で、お好み焼きに合うように、各メーカーが工夫を凝らして製品化しています。主に濃厚ソースに分類されます。
「これらも性状からいえば上記3つのソースのいずれかに分類される」とのこと。ソースは粘度の違いで、ウスターソース、中濃ソース、濃厚ソースに分けられるのですね。
※写真はイメージ
各地域にいろいろなソースの使い方がある
ソースはそのまま食品にかけて食べる以外に、さまざまな使い方ができます。
日本ソース工業会によると、例えばウスターソースは、「しっかりとした味が特徴なので、かくし味にも使え、料理に風味を加えることができる」とのこと。
また、中濃ソースは「煮込み料理の味付や肉の下味付けなどにも使うことができる」と、使い方のアドバイスがありました。
ほかにも、さまざまなソースの使い方があります。日本ソース工業会の調査によると、このような使い方やレシピがあるそうです。
【ソースのおすすめの使い方】
・焼きめしのメインの味付けにウスターソースを加える。
・レバーをウスターソースでグツグツ煮込む。これにより、レバーの臭みが消える。
・生姜焼きをウスターソースで味付け。ショウガとスパイスが効いた味でおかずにぴったり。
・うま味の濃い、こいくちソースを使って煮物を作る。
・野菜と濃厚ソースだけで煮込んで野菜スープを作る。
※写真はイメージ
ちなみに、カレーにソースをかけることもソースの活用方法の1つですね。
ソースごとに粘度や味に違いがあるので、「中濃ソースしか使っていない」という人は普段使っているもの以外のソースを試してみるのもおすすめ。新しい味に出会えるかもしれませんよ!
[文/デジタル・コンテンツ・パブリッシング・構成/grape編集部]