高校生が撮影した『幻の銀河』 幻想的な渦巻き状の姿が?「神秘的だ…」
公開: 更新:


太陽で巨大な爆発が起きて… 北海道で見られた光景に「これはすごい」2025年11月12日の夜、太陽の巨大な爆発によって、北海道で観測された赤いオーロラ。摩周湖のあいす(@mashukoice)さんがとらえた、天の川と『共演』する幻想的な1枚が、Xで大反響を呼びました。

【2025年】今年のしし座流星群はいつ見頃?方角や観測を楽しむコツ、次回の大出現予測まで紹介!今年のしし座流星群はいつ見頃を迎えるのでしょうか。本記事では、観測を楽しむためのコツや、大出現の歴史、次回の大出現予測まで紹介します。
- 協力
- @tamc_net






私たちの頭上に果てしなく広がる宇宙。
想像を超えた広大な空間に、途方もない数の銀河が存在しています。
日頃から天体観測に取り組む東京都立立川高校天文気象部(@tamc_net)の部員は、2025年11月、およそ3200万光年の彼方にあるとされる『ファントム銀河』の撮影に成功。
暗さや判別の難しさから『幻の銀河』とも称される、渦巻き状の天体の姿をご覧ください。
写真の中央で鮮やかな光を放っているのがファントム銀河、別名『M74』です。
大きな特徴は、地球から渦巻きの正面が見える『フェイスオン』の構造である点。
はるか遠くにある銀河の光と、渦の形がきれいに写る光景は神秘的で、宇宙のロマンを感じさせます。
幻想的な光の広がりと『M74』という別名から、「『M78星雲』にいるという設定のウルトラマンは、この星にもいるのでは?」と空想した人もいるかもしれませんね。
『幻の銀河』と呼ばれるファントム銀河 撮影した高校生を取材
撮影したのは、同部2年生の荻島侑大さんです。
宇宙のロマンを感じる1枚に感動した筆者は、荻島さんを取材。撮影の裏側について聞きました。
――ファントム銀河を撮影しようと思ったきっかけを教えてください。
実は、ファントム銀河は2024年にも撮影していたんです。
ですが、天体写真を撮り始めたばかりだったので、全然うまく撮れませんでした…。
今回は「去年のリベンジを」と思い、再挑戦しました。
こちらが、2024年に撮ったファントム銀河の写真です。
十分美しいですが、2025年に撮影した1枚と比べると、ややぼんやりとした印象もあります。
今回の撮影の裏話については、次のように明かしてくれました。
撮影には、学校の屋上にある天体ドームの望遠鏡を使いました。
1日約4時間、数日がかりで撮影しましたね。
専用ソフトで重ねた複数枚の写真を平均化して処理しました。
撮影は意外と難なく終わったのですが、『M74』は特に暗い天体なので、ノイズを目立たせない処理や、光害の補正などが大変でした。
また、荻島さんは部活動を通して、1か月におよそ5,000枚の写真を撮影していると言い、「2024年の写真と比べると、この1年間での成長を実感しました」と話してくれました。
長時間、粘り強く撮影を続け、さらに高度な画像編集を重ねた1枚。
幻想的な『ファントム銀河』の写真は、宇宙のロマンと荻島さんの努力が凝縮された1枚と言えるでしょう!
※本記事は投稿者様の許諾を得た上で掲載しております。
[文・構成・取材/grape編集部]