映画を観られずに残念がる子供に、親が謝ると? スタッフの『神対応』にグッとくる
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2020年7月現在、ウェブメディア『grape』では、エッセイコンテスト『grape Award 2020』を開催しています。
『心に響く』と『心に響いた接客』という2つのテーマから作品を募集。
『grape Award 2020』心に響くエッセイを募集! 今年は2つのテーマから選べる
今回は、応募作品の中から『夏の映画館』をご紹介します。
夏の映画館
夏休み、子供を連れて神奈川の実家へ遊びに行った時の事です。
滞在最後の日に、従姉弟達と子供達だけで映画を観せようと、一番近い映画館でアニメ映画をネットで予約しました。夏休みのイベントに、子供達は、とても喜んで、楽しみにしていました。
当日は、早めに映画館に着いて、「さあ子供達でいってらっしゃい!」と、映画館内の入り口で見送りました。
子供達は嬉しそうに「いってきます!」と、中に入って行きました。
ところが少しして、映画も始まらないうちに、子供達が残念そうに戻って来たのです。
「すみません、お席にもう人が座っているという事で、チケットを確認したところ、お日にちが明日になっていまして、、。」
連れて来て下さった女性のスタッフの方が、申し訳なさそうに子供達を見ると、みんながっかりとした顔をしていました。
「そうでしたか、、キャンセル変更出来ない案内があったので、気を付けて入力したつもりでしたが、うっかりしてしまいました。」
「もしこの後に、お時間あれば、次の回で空席があればご案内出来るのですが、今日はこの回が最後なので、、明日来て頂ければ、大丈夫ですよ。」
スタッフの方が、そう言って下さったのですが、「この後は大丈夫なのですが。今、夏休みで実家へ来ていて、明日は千葉に帰る予定なんです。」と私が伝えると、子供達は残念そうな顔をしました。
それを見たスタッフの方は、「では、少しお待ち下さい!」と、映画館の事務室の方へ行かれました。
悲しそうな子供達を見て、「せっかく最後の日だったのに、ごめんね。」と、言うと、「大丈夫だよ、また来ようね!」と言ってくれる子供達に、申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
スタッフの女性が戻られると、「お待たせ致しました!今確認して来ました。もしよろしければ、次に別のアニメではありますが、上映があり、空席もあったのでご案内出来ます。よろしければ、そちらをご覧になりますか?」と、提案して頂きました。
その映画は、当初観る予定だったものと、迷っていた映画だったので、子供達も喜んで「大丈夫!そっちも観たかったよ!」と、言ってくれました。
「ぜひお願いします、でも良いんですか?」と、私が聞くと、「私も、子供がいるのでお気持ち良く分かります。今上司に了承も得ました、上司もぜひにと申しております。せっかくの夏休み、映画で良い思い出を作って下さい。」と、言って下さいました。
私のミスなのに、こちらの立場に立って、最後迄対応して下さったスタッフの方、了承して頂いた上司の方に感謝の気持ちでいっぱいでした。
映画が終わり、スタッフの皆さんにお礼を伝えた、帰り道、「面白かったよ〜今日の事は、ずっと忘れないね!」「忘れられない夏休みになったね。」そんな事を話しながら、みんなで笑顔で帰りました。
映画館の方の素晴らしい対応のおかげで、夏の失敗談が、素敵な夏休みの思い出が変わりました。
また、映画館に行きたいと思いたくなるような、人の優しさの力、素晴らしさを感じた接客でした。
grape Award 2020 応募作品
テーマ:『心に響いた接客』
タイトル:『夏の映画館』
作者名:あきひろ きほ
エッセイコンテスト『grape Award 2020』開催中!
2017年から続く、一般公募による記事コンテスト『grape Award』。
第4回目となる2020年は、例年通りの『心に響く』というテーマと、『心に響いた接客』という2つのテーマから自由に選べます。
今回も、みなさんにとって「誰かに伝えたい」と思う素敵なエピソードをお待ちしております。
『grape Award 2020』詳細はこちら
[構成/grape編集部]